「顔のたるみ除去」でトラブル急増4月4日 6時48分
顔の「たるみ」や「しわ」を取り除く美容医療のトラブルが、この1年ほどの間に急増していることが、消費生活センターの調査で分かりました。
強い痛みが残ったとか、効果が続かなかったという内容が多く、消費生活センターは十分な注意を呼びかけています。
顔の「たるみ」や「しわ」を取り除く美容医療に関する相談は、東京都の消費生活センターだけで去年4月からことし1月までに100件に上り、前の年の3倍余りに急増していることが分かりました。こうした傾向は、全国の大都市圏で同様の状態だということです。トラブルが起きているのは、体の中で溶ける糸を使ってほおを上に引き上げ、顔の「たるみ」や「しわ」を取り除く施術ですが、強い痛みが残ったとか、事前に受けた説明より効果が続かなかったという相談が相次いでいます。
相談者の多くは、広告に載せられた美容のための千円程度の注射を受けようと受診し、その場で数十万円から数百万円かかる「たるみ」をとる施術を持ちかけられていたということです。
そして、「きょうなら半額にする」などと言われ、その日のうちの決断を迫られていたケースも多かったということです。
この施術を受けた都内の40代の女性はNHKの取材に対し「3年程度は効果が続くと説明を受けたが、僅か1週間程度で元どおりになった。残ったのは、痛みと傷とローンだけで、だまし討ちされたという気持ちです」と話しています。
また、日本医科大学付属病院の形成外科・美容外科部長で、日本美容医療協会の百束比古常任理事は「この施術では、いったん『たるみ』がとれても、必ずしも半永久的な効果はないと思う。一部の美容外科では、多額の広告料を回収するため、こうした方法をとっているようだ。倫理観を感じられず、悲しい」と話しています。
一方、調査に当たった東京都消費生活総合センターの井坂江美子相談員は「美容医療を受ける際には、医師から施術のリスクについて、十分に説明を受けてほしい。また、勧められてもその場では決めず、本当に必要なものか、冷静に判断してほしい」と十分な注意を呼びかけています。
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