生田大介
2014年4月3日21時13分
セブン&アイ・ホールディングスが3日発表した2014年2月期決算は、本業のもうけを示す営業利益が過去最高だった。国内の小売業で初めて営業利益3千億円を突破。積極出店を続けるコンビニ事業で利益の7割超を稼ぐが、スーパーや百貨店事業は伸び悩む。「コンビニ頼み」は強まるばかりだ。
売上高は前期比13%増の5兆6318億円。営業利益は同15%多い3396億円で、大手製造業のキヤノン(13年12月期で3372億円)と同じ水準だ。
コンビニ事業の営業利益は2575億円。「セブン―イレブン」は総菜や飲料、調味料などを増やし、家の近くで買い物したいという高齢者や働く女性の支持を集めている。
コンビニの高収益を支えるのは、独自開発のプライベートブランド(PB)だ。昨春発売の「金の食パン」は1斤238円(税抜き)と高価格ながら年3千万食売れた。PB約2千品目の売上高は約6700億円と前期より37%増。開発から関わるPBは利幅が大きく、増益に貢献した。
昨年1月に本格展開を始めた1杯100円のひきたてコーヒーも、累計4億5千万杯売れた。原価が低いので利幅が大きく、一緒に食べるサンドイッチなどもよく売れた。
出店意欲も衰えない。14年2月期の出店数は過去最高の1579店で、2月末の店舗数は約1万6千店に達した。15年2月期も1600店の出店を計画している。出店攻勢については「飽和状態にある」との指摘もあるが、村田紀敏社長は「まだまだ市場は広げられる」と強気だ。
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