「理想的な睡眠」と「危ない睡眠」の違いとは?

印南敦史 | ライター
2014.04.04 07:30

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病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』(白濱龍太郎著、アスコム)は、睡眠に関する数々の著作を持つ「睡眠専門医」である著者が、様々な病気と睡眠との関係について解説した書籍。

高血圧、糖尿病、がん、脳卒中など、さまざまな病気が睡眠と関係しているという記述はショッキングですが、そうでなくとも睡眠には気をつけておきたいところ。そこできょうは第3章「さらに『よい睡眠』を生むプラスαの法則」から、いくつかを引き出してみます。

正しいマットレスを選ぶ


身体にあった寝具を選ぶことは重要。特にマットレスは慎重に選ぶべきで、ポイントはふたつあるそうです。まずは、「手で押したとき2~3センチ沈む弾力性がある」こと。人はまっすぐ立つと背中部分がS字になるため、その姿勢を正しく維持するマットレスなら、身体に負担がかからず熟睡できるというわけです。

ふたつ目は、「寝返りが打ちやすいこと」。寝返りの一番の目的は、身体の重みが特定の場所にかかることで起こる筋肉疲労や血液循環の悪さの防止なので、寝返りが打ちにくいと必要以上の力を使ってしまう。つまり、朝までぐっすり眠るには、寝返りの打ちやすさがカギになるということです。(114ページより)


枕が睡眠の質を左右する


枕をないがしろにすることで起こる、睡眠の質の低下は深刻。となると気になるのは、「どんな枕が理想的なのか」ですが、それは寝るときの姿勢で異なるのだとか。仰向けで寝ることが多い人は「寝た状態で頸椎から肩にかけての自然なS字カーブが保てる形」が一番。横向き派には、中央がくぼみ、両サイドがやや高めになった形の枕が最適。とはいえ、大切なのは正しい当て方。枕に頭だけをのせると肩こりの原因になるので、肩口、首、頭までをしっかり支えられるように当てることが大切。(118ページより)


危ない睡眠スタイル


睡眠の質を上げるためには、「寝ぞう」も重要。悪い例をご紹介しましょう。


折り曲げ横向きスリープ&ひじ枕スリープ


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特に硬いマットレスや煎餅布団で、下側の腕や足を折り曲げて眠ると、その部分が身体の重みで圧迫され、血流が悪くなる恐れが。腕や足にしびれが出るため、しびれや寝返りで目覚めてしまい、眠りが浅くなるのだとか。(129ページより)


口パカスリープ


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口を開けて眠ると、重力で舌がのどに落ちて気道がせまくなり、いびき、無呼吸、低呼吸の原因に。また、のどが乾燥するので風邪をひきやすくなるというデメリットも。(126ページより)


うつぶせスリープ


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うつぶせで寝ると胸郭が強い圧迫を受け、胸郭を中心に前進の骨格がゆがみ、腰痛、顎関節症、O脚などが起きるリスクがあるといいます。(131ページより)


枕高すぎスリープ


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枕が高すぎると気道がふさがれ、睡眠時無呼吸症候群の原因に。(132ページより)


お姫様スリープ


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組んだ両手を胸やお腹の上に置く寝方は、スムーズに呼吸がしづらくなるので危険。交感神経が刺激され、眠りが浅くなって悪夢を見やすくなるそうです。(133ページより)


では、どんな睡眠スタイルがいいのでしょうか? 2つの「理想」をご紹介しておきます。


大の字スリープ


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仰向けになって手足を自然に開くと血液が無理なく全身を巡り、血栓ができにくくなるといいます。またスムーズに放熱できるため、寝つきがよくなるメリットも。(127ページより)


横向きスリープ


睡眠時無呼吸症候群の人は、舌の落下が起きにくい横向きの寝方が最適。特に貧血体質の人は、心臓がある左半身を下にした方が、全身の血液が心臓に戻っていきやすくなるそうです。(128ページより)



なお「プラスαの法則」は全部で17例紹介されているので、すぐに役立てることが可能。全体的にもわかりやすく解説されているので、睡眠についての不安を解消できるはずです。


(印南敦史)
※記事中の画像はすべて出版社にご提供いただき、掲載をしております。

  • 病気を治したければ「睡眠」を変えなさい (予約の取れないドクターシリーズ)
  • 白濱龍太郎|アスコム
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