(2014年4月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
上海にあるグラクソ・スミスクライン(GSK)の工場〔AFPBB News〕
中国当局が昨年夏、グラクソ・スミスクライン(GSK)は汚職ネットワークの中枢にいる「ゴッドファーザー」だと非難した時、大手製薬会社は世界屈指の成長率を誇る医薬品市場で混乱が長引くことを覚悟した。
中国は突如、欧米の製薬会社が事業を展開する場所として危険度が高まったように見えた。その後数カ月間、製薬各社が医師への売り込み方法について慎重になると、医薬品販売が減速した。
だが、時間が経つにつれて危機感が徐々に薄らいでいったと、業界幹部とアナリストらは口をそろえる。仏サノフィで中国部門の渉外担当幹部を務めるブルーノ・ゲンズブリュガー氏は言う。「市場はかつての異常な状態に戻った。中国市場が正常だったことはないが、今は以前より落ち着いているように見える」
昨年末までに、GSK以外の大半の製薬会社は中国で力強い成長を取り戻しており、アナリストらはこの傾向が2014年第1四半期も続いたと見ている。
GSKの贈賄スキャンダル後の販売低迷は一時的?
楽観的な向きはこれを、昨年の贈賄スキャンダルが、平均して年率15%のペースで拡大してきた中国医薬品市場の前進の一時的な後退でしかなかったことを示す証拠だと見ている。
だが、中国医薬品業界には、汚職の嵐が去ったと結論付けるのは時期尚早だと言う人もいる。当局はまだGSKの調査を続けており、中国政府以外には、調査がどんな結果につながるか知る人はいない。
主な標的はGSKで、同社は旅費や接待費、現金供与などで医師らに最大5億ドルのカネを支払ったと告発されているが、中国市場に通じた人々によると、そうした慣行は昔から蔓延していたという。
中国の国営医薬品会社、国薬控股(シノファーム)の元幹部2人が1月に事情聴取のために拘束されており、イーライ・リリー、サノフィ、ノバルティスを含む欧米の製薬会社数社が内部告発を受けている。