メディアリテラシーを磨く最適のテキストか? “次世代原発”という甘い果実『パンドラの約束』
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フクシマでの事故以降、環境保護を訴える人たちはヒステリックに原発に反対していると『パンドラの約束』は異議を唱える。
原発はとてもクリーンで安全だとストーン監督は言い切る。米国のスリーマイル島事故が大騒ぎになったのは、事故の直前に劇映画『チャイナ・シンドローム』(79)が公開されていたために人々は恐怖心を煽られてパニック状態に陥ってしまったのだと。でも、米国では原発によって誰ひとり死んでいないと誇らしく語る。チェルノブイリ事故で100万人が亡くなったと反原発派がヒステリックに叫ぶのは根拠がないと否定する。チェルノブイリ事故で亡くなった人はわずか56人にすぎないのだと。東日本大震災から1年経過した福島をストーン監督はジャーナリストのマーク・ライナース氏と共に訪ね、避難所生活を送る人々に同情を寄せつつも、子どもを外で遊ばせないのは放射能を過度に怖がりすぎだと指摘する。IFR(一体型高速炉)と呼ばれる第四世代の原子炉が実用化さえすれば、世界中に電気が行き渡り、発展途上国で暮らす人々を貧困と病気などの苦しみから救うこともできると力説する。
月刊誌「WEDGE」(ウェッジ社)の2013年9月号にロバート・ストーン監督のインタビューが掲載されている。気になった箇所を抜粋してみよう。
「我々はおよそ50年の間、商業用の原子力を保持してきました。その間に、世界では3回の原子力事故が起こりました。スリーマイル島、チェルノブイリと福島です。国連の最も信頼できる科学的見識によると、人の死や放射能による発病が起こったとされている唯一の事故はチェルノブイリです」
「化石燃料による汚染によって、毎年300万人が亡くなっていると推定されています。毎年です。それに比べ、商業用の原子力による死者として確認されているのはたった56人のみであり、そしてその全ては(設計に欠陥のある施設で異常な判断ミスのあった)チェルノブイリで起きたものです」
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