STAP細胞の論文に「捏造(ねつぞう)、改ざんがあった」と認定された調査結果をめぐり、理化学研究所に不服を申し立てる小保方(おぼかた)晴子研究ユニットリーダー。博士論文からの画像の流用について、代理人弁護士は「悪意を持って使ったのではなく、動機もない。調査委員会の決めつけは学者生命を奪う厳しさで、人権侵害ではないか」と強く反発している。
代理人の三木秀夫弁護士によると、小保方氏は3月31日、在籍する理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市中央区)で、弁護士3人が同席して調査結果の説明を受けた。冒頭、画像の流用を「捏造」と告げられた瞬間、小保方氏の顔が青ざめた。後で三木弁護士が声を掛けると、「想像もしていなかった」「世界中に、捏造をした研究者と言われてしまうのか」と動揺していたという。
三木弁護士は、理研の内部規定で「悪意のない間違いは(不正に)含まない」と定義している点を強調。小保方氏の考えを「当初の論文の単純ミスは率直に反省し、開き直りはしない」と代弁した上で、「後に自らデータを訂正しており、悪意を持って書いた根拠がない。理研は内規に従った対応をすべきだ」と主張している。
小保方氏の弁護団は3月中旬に4人で結成。三木弁護士は元大阪弁護士会副会長で、阪急阪神ホテルズの食材虚偽表示問題で第三者委員会の委員として調査に当たり、NPO法人の支援などにも詳しい。特許関係に詳しい弁護士も加わっているという。(岩崎昂志)
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【STAP細胞の論文問題】 理化学研究所の小保方晴子氏らが、新しい万能細胞のSTAP細胞を作製したとする論文を英科学誌ネイチャーに1月に発表したが、画像や記述に不自然な点があるとの指摘が相次いだ。理研は調査委員会を設置して調べ、小保方氏が博士論文から流用したとみられる画像は「捏造(ねつぞう)」、切り貼りした画像は「改ざん」に当たり、いずれも研究不正と認定した。
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