岡崎明子
2014年4月3日22時00分
STAP細胞とみられる多能性幹細胞の培養に成功した可能性がある、と公表していた香港中文大の李嘉豪教授が3日、朝日新聞の取材に、できたのはSTAP細胞ではない可能性が高いことを明らかにした。再現実験もやめるという。
李教授は1月下旬に英科学誌ネイチャーに論文が掲載された直後から再現実験を開始。3月下旬からは論文の主要著者の1人、米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授が公表した方法で再現実験に取り組み、過程をインターネットの掲示板で公表していた。
4月1日には多能性幹細胞の場合に光るマーカーが、対象となる細胞に比べ8倍程度高いことをグラフで示し「(細胞を微細なガラス管に通す)手法が、STAP細胞につながるかも」とするコメントを載せた。これが一部メディアで「STAP細胞再現に成功か」と報じられた。
李教授は「本当にSTAP細胞ならマーカーの値は数百倍程度に上がるはず。誤解を与える伝え方をして反省している」と話した。
李教授の再現実験をめぐっては、バカンティ教授も培養に成功した可能性がある、と言及していた。1日の理化学研究所の会見でもSTAP細胞が存在しているかどうかはわからないとして、理研は今後1年かけて検証する。(岡崎明子)
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