2020年の東京五輪開催に向け、都内のあちこちで工事が始まっている。
東京がさらなる発展を遂げるこの工事に期待を膨らませている人も多いだろうが、実は予想外の危険が発生する可能性もある。それは「放射線量の上昇」だ。
福島第一原発の事故で、セシウム134、セシウム137といった放射性物質が撒き散らされ、それは風に乗り、首都圏にも降り注いだ。当初の発表だと、こうした放射性物質は地中50cm~1mに沈むとされていたが、事故の1年後、日本原子力研究開発機構が発表した調査結果によると、セシウムの大部分が5cm以内の浅いところでとどまっていたという。
※参考記事「原発事故のセシウムは今でも地表面5cmに居座っている!」
http://wpb.shueisha.co.jp/2014/03/17/26057/
琉球大学理学部・古川雅英教授(環境放射線学)が実施してきた都内43ヵ所の定点測定で、実際に3年間の測定を行なってきたジャーナリストの有賀訓氏は言う。
「今年に入って線量値が高めに出る定点では、だいたい100m以内の場所で必ず道路工事かビル建設工事をやっていたのです」
特に線量の上昇が目立ったのは、土の地面を掘り返すか、道路と歩道の「舗装」を剥(は)がす作業を伴った工事現場だったそうだ。つまり、地表面5cmのところに居座っていたセシウムが、工事で再び大気中に舞ったと考えられるのだ。