みんなの党の渡辺喜美代表が8億円借り入れ問題で、場外乱闘を仕掛けた。党役員会に提出した文書で、結いの党の江田憲司代表らによる謀略説を披露したのだ。江田氏は「ばかばかしい」と一蹴し、渡辺氏に対して国会での説明を要求した。党分裂の怨念を引きずるバトルは、政治不信をさらに高めかねない。
渡辺氏は1日、体調不良で役員会を欠席し、文書を浅尾慶一郎幹事長に託した。文書は、8億円について「個人的な借金だ」として違法性を否定。具体的使途について、党に調査を委ねている現状に理解を求めた。
そのうえで、今回の問題の本質を「権力闘争だ」と位置付け、「野党再編をやろうという人たち、江田さんや維新にとって一番の邪魔は渡辺喜美だ。私をなきものにしてしまえば、野党再編がうまくいく、という魂胆による策略だ」と指摘した。
これに対し、江田氏は1日の記者会見で「ばかばかしい謀略論を誰が信用するのか。相手にしない方がいい」と批判。同時に「渡辺氏は国民の前で堂々と説明を果たすことが重要だ」と述べ、衆院政治倫理審査会での弁明を促した。
政治評論家の小林吉弥氏は「渡辺氏は男を下げている。謀略説など持ち出さず、8億円の使途をきちんと説明すればいい。『熊手を買った』と言ったり、何か勘違いしているのではないか。お父さんの美智雄元副総理は先を見て発言していたが、これでは天下獲りは無理だ。みんなの党は優秀な議員が多い。所属議員もあきれているはず。空中分解しかねない」と語っている。