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03 Apr 2014 10:04

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“恋チュン動画PR”の爆発力、激変した「宣伝手法」…踊る知事、自虐ネタ、女装の“日進月歩”

産経新聞 3月21日(金)15時5分配信

■やっぱりネット

 昨年大ヒットしたAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」(以下、恋チュン)。この楽曲に合わせて素人が踊る動画が次々と公開され、PR目的で自治体や企業がその動画を公開し、「知事も踊っている」「美人社員が多い」などと、インターネットで話題になった。動画をインターネットで公開するPR方法は増加しており、ほかにも“自虐ネタでPR”や“女装おじさん”といった変わり種も続々と登場している。

 そもそも“恋チュンダンス”をAKBメンバー以外が踊ることになったきっかけは、AKBのスタッフがさまざまな場所で踊った動画「恋するフォーチュンクッキー STAFF Ver.」を、YouTubeの「AKB48 Official Channel!」で公開したのが始まりだ。ふだんは裏方の仕事をしているスタッフが、それぞれの仕事場で踊るシーンをつなぎ合わせて作ったところ、瞬く間に注目を浴びた。

■PRにうってつけ「恋チュン」

 軽快な音楽、覚えやすい振り付けということはもちろん、働く人や組織を紹介できるとあって、企業や自治体のPRにはうってつけと思われたのだろう。佐賀県庁や神奈川県庁をはじめ、おかたいイメージのお役所が次々と動画を作成した。「知事がノリノリで踊っている」「(神奈川県verでは)体操の白井選手やサッカーの中澤選手も出演している」と話題になった。

 バッグや小物を展開するサマンサタバサグループやGMOインターネットグループのスタッフが踊る動画が公開されると、「美人社員が多い」「華やか」と注目を集めた。現在、70の自治体や企業の“恋チュン”動画が「AKB48 Official Channel!」で公式認定されて公開されている。

 AKBスタッフVerは現在約900万回、佐賀県・約200万回、神奈川県・約370万回、サマンサタバサグループ・約560万回、GMOインターネットグループ・約160万回が再生されている。

■汚名逆手にとった自虐ネタ

 “恋チュン”動画だけではない。昨秋は、茨城県が自虐PR映像を公開し、話題となった。「なめんなよ いばらき県」というキャッチコピーで、都道府県魅力度ランキングで最下位常連という汚名を逆手にとった手法で県の魅力をPRしている。お笑い芸人の綾部祐二さん(ピース)や渡辺直美さんが出演している動画はクスッと笑えるものだ。自虐感満載ながらも、観光資源や特産物をしっかりアピールしている。

 それよりもっと前(平成23年)には、「このたび、香川県は『うどん県』に改名いたします」と同県出身の俳優・要潤さんが県のHPに登場。この“改名宣言”でネット上は騒然となった。また24年には、広島県の観光プロモーションに、毒舌で人気沸騰中の芸人・有吉弘行さんを起用して「おしい!広島県」をキャッチフレーズに自虐PRを展開している。「おしい、おしい」と、(お好み焼きの)コテを手にまじめな顔で踊っているのは県庁職員だ。

 一方、進学塾大手の「早稲田塾」の“恋チュン動画”には竹中平蔵・慶應義塾大学教授も登場。また、「3講座無料無料ご招待」のキャンペーンCM動画には、なんとセーラー服を着たおじさんや女装したヒゲもじゃの外国人が登場していた。その2人、一部では有名らしいが、かなり奇をてらった演出ではある。

■みんなにメリットがある

 恋チュン動画で話題をさらった佐賀県庁はHP上で「この動画を通じて、みなさまに佐賀県の魅力を少しでもお伝えできればと考えています」と動画作成の経緯を記している。「恋チュン」に関しては自治体や企業のみならず、AKB側にもメリットがあったのはいうまでもない。同曲は売上累計150万枚を突破し、21日開幕の「86回選抜高等学校野球大会」の入場行進曲に選ばれた。(杉山みどり)

最終更新:3月21日(金)15時5分

産経新聞