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850号 掲載記事

<最強外国人、独立リーグへ> アレックス・ラミレス 「再チャレンジは、高崎で」

野球ファンが胸を躍らせて待ちわびる新シーズン。
勝負に燃える男たちは、フィールドに何を誓い、
いかなる覚悟で未知の激闘に挑むだろうか――。

群馬県高崎市を本拠地とする球団でスタートを切る今季、
彼はいったい何を目指してプレーし続けるのか。

 国内独立リーグ史上、最強打者の誕生と言っていい。今季は群馬で、あのアレックス・ラミレスの打棒が見られることになった。

 NPBに13年間在籍し、2017安打、380本塁打を積み上げたラミレスが2月14日、BCリーグの群馬ダイヤモンドペガサスに選手兼打撃コーチとして入団したと発表した。

「群馬の子供たちに町のチームを生で観戦して欲しい。チームだけじゃなく、群馬のコミュニティをひとつにまとめるぐらいのつもりでやっていきたい」

 今日では多くの元NPBプレーヤーが独立リーグでプレーしている。しかし、名球会入りした打者としては、ラミレスが初めてだ。BCリーグはサラリーキャップ制を導入しており、月給の上限は40万円まで。しかもシーズン中である4月から9月までの半年間しか支給されない。新聞報道等ではコーチ料も含めると総額500万円ほどになると書かれていたが、コーチ代は少額上乗せされる程度で実際は500万円にはるか及ばない。

 これまでの最高年俸は巨人時代の5億円である。よくぞ決断したものだ。

「NPBで実績を残した選手だというプライドはある。でも今は、そのプライドは横に置いといて純粋に野球をやりたいという気持ち。その機会を与えてもらうこと、フィールドに立てることが何よりも重要だった」

2000本安打と「ど素人」……絶頂と挫折の昨シーズン。

Alex Ramirez アレックス・ラミレス
1974年10月3日、ベネズエラ生まれ。インディアンス、パイレーツを経て、'01年にヤクルト入団。巨人、DeNAと渡り歩く。'13年に2000安打を達成し、NPBで外国人選手初の名球会入り。今季、BCリーグ群馬ダイヤモンドペガサスに入団。180cm、100kg。

 絶頂と挫折。ラミレスは昨シーズン、その両方を味わった。

 4月6日、神宮球場で古巣ヤクルトの石川雅規から、ライナーで左翼席へ飛び込む本塁打を放ち、通算2000本安打を達成。外国人選手としてはNPB史上初、かつ右打者史上最速での金字塔樹立だった。雨の中、たくさんのファンから祝福を受け「グレートフィーリングだ」と喜びに浸った。

 が、その4日後。2つのミスを境に歯車が狂い始める。10日の広島戦に「5番・レフト」で先発出場したラミレスは、4回と6回に飛球の処理を誤り、二塁打にしてしまう。チームは1-5で敗れ、DeNA監督の中畑清はゲーム終了後、「ど素人」と嘆いた。もう少し言い方があるのではないかとも思えたが、ラミレスはきわめて「日本的」な対応を見せた。

<次ページへ続く>

【次ページ】 「『しょうがない』と『わかりました』は日本の文化」

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