Financial Times

中国の債務問題はどんな終わりを迎えるのか

2014.04.03(木)  Financial Times

(2014年4月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

中国は例外なのか。それとも大半の国々と同様に、借金を積み重ねた日々は悲しい幕切れを迎えるのか――。世界では今、この問題が熱心に議論されている。

 一方には、中国版「ミンスキー・モーメント」の到来を予想する向きがある。かのハイマン・ミンスキーが予言した、信用供与の規模が大きくなりすぎて金融システムがパニックに陥る瞬間のことだ。他方には、中国で計画されている経済成長にとって、あの債務の山は脅威でもなんでもないと主張する人がいる。成長率は7%を上回ると当局が言っているのだから上回るだろう、というわけだ。

 さて、どちらの言い分が正しいのか。「どちらも正しくない」というのが筆者の答えだ。中国が金融メルトダウンに陥ることはない。だが、借金中毒の時代はいずれ終わり、適切に管理された低成長の時代が来るだろう。

最近の中国経済情勢に関する3つの明らかな事実

 最近の経済情勢については、3つの事実が明らかであるように思われる。

 第1に、当局の統計を額面通りに受け取るなら、中国の国内総生産(GDP)に占める純輸出の割合は、2007年の8.8%から2011年の2.6%に縮小している。この穴を埋めたのは投資であり、その割合は同じ時期に42%(これでも極めて大きな値だ)から48%に拡大している。確かに、報告されている投資の規模については疑問が残るが、この急増を疑うのはあまり合理的ではない。

 第2に、GDPに占める投資の割合の急拡大とリンクしていたのが、信用供与と債務の急増だ。国際通貨基金(IMF)によれば、中国政府当局の言う「社会融資」残高は昨年第4四半期までにGDPの200%相当額に達していた。世界金融危機前にはわずか125%相当額だったことを考えれば、文字通りの急増だ。

 しかも、この増加分の大半は伝統的な銀行貸付によるものではなく、いわゆる「中国の特色を備えたシャドーバンキング(影の銀行)システム」の爆発的成長によるものだった。このシステムは、西側諸国では評判を落としている複雑な証券化やホールセール市場に依存したものではなく、信託のような新しい金融仲介業者と「理財商品」のような革新的金融商品を柱にしている。

 格付け会社のフィッチによれば、現在の民間セクター向け信用残高(GDP比)は2007年当時の米国のそれと同程度だという。

 第3に、中国はこの10年間に年率10%以上の経済成長をたびたび記録したものの、2012年と2013年は約7%にとどまっている。まだ高い水準ではあるが、非常に高い水準だとは言えない。

 どの国かは言えないが、投資と信用残高が急増した一方で成長率は低下しているところがあるんだと言われたら、読者はどんなことを考えるだろうか。その国では経済における投資活動の比率が高まっており、その資金は借り入れで調達されている。そして同時に、投資がもたらすリターンは小さくなってきている。となれば、読者はまず間違いなく、ハッピーエンドではない結末を想像するのではないだろうか。

 「今回は違う」と主張する向きもある。スタンダード・…
Premium Information
楽天SocialNewsに投稿!
このエントリーをはてなブックマークに追加

バックナンバー

Comment

アクセスランキング
プライバシーマーク

当社は、2010年1月に日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)より、個人情報について適切な取り扱いがおこなわれている企業に与えられる「プライバシーマーク」を取得いたしました。

Back To Top