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1級身体障害者でフリーライターで家庭教師なよくわからない人間、だいちゃん(∀)の勉強法とか雑談ブログ

鬱病による労災認定の流れを たった”4つ”にまとめました。

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欝病 欝 労災認定

欝病 欝 労災認定

欝などの精神疾患の労災認定について、「こういう流れだったら労災認定になるよ。」というフローチャートが労働省から出されています。その見方を私なりに噛み砕いて説明してみようと思います。

【1】特定の精神障害の発病

簡単に言うと、鬱病などの精神的な病気を発症しているかどうかです。(詳しく言うとICD-10 に分類される精神障害

ここに載っているような精神的な病気にかかっていた場合、まずこの1は該当します。

【2】発病前6ヶ月以内の強い業務上の精神的負担

例えば 、対人関係のトラブル、配転などによる仕事内容の変化、昇進や降格による立場の変化、仕事でのミス、などで会社側が労働者に対して強いストレス負荷をかけたかどうかが重要になってきます。

職場における心理的負荷評価表

こういう「表」を使って、仕事による精神的なストレス負荷を

「弱」

「中」

「強」

の3段階にわけます。そして、「強」だった場合には、この2も該当することになり、3へ進みます。

「強」に該当する内容としては、

1.極度の長時間労働

例えば1ヶ月の残業時間や休日出勤が80時間を超えているかどうかが重要視されていると言われています。

(※厚生労働相通達の「時間外労働時間と脳血管疾患および虚血性疾患との認定基準」 (平13・12・12 基発第1063号) によれば、

時間外労働が、発病前1ヶ月間に100時間を超えまたは、発症前2ヶ月~6ヶ月間に1ヶ月あたり80時間を超えると、業務と発病との関連性が高い、と評価しています。)

2.業務上の傷病により療養中の者の極度の苦痛等病状急変等

業務上の傷病(身体への被害)により休養している人の病状が急変したりして、極度の精神的苦痛を与えたかどうか。

3.生死に関わる事故への遭遇等心理的負荷が極度なもの

なんとか逃れることは出来たけど、仕事中に土砂崩れ被害に遭いそうになって、精神的被害を受けたかどうか、とか。

 

こういったものが「強」に該当します。

【3】業務以外の精神的負荷の評価

まずここでも、業務以外の精神的負荷の「弱」「中」「強」が表にまとめられているので、これを基準にここでも「弱」「中」「強」を判断することになります。職場以外の心理的負荷評価表

ここで総合的に判断して、業務上による精神障害かどうか(労災認定)が決定されます。

 

例えば、私生活で普段からアルコール飲みまくっていたり(アルコール依存症)、私生活が乱れまくっていると、「業務外」と判断される可能性が高くなるので注意。 

【4】自殺の場合

故意による災害(自分から危険な場所に突っ込んでいって被災する、など)の場合には労災認定になりません。しかし、自殺の場合は、それが、

「業務上の精神障害によって、正常の認識、行為選択能力が著しく阻害され、又は自殺行為を思いとどまる精神的な抑止力が著しく阻害されている状態で自殺が行われた場合には、結果の発生を意図した故意には該当しない。」(旧労働省:平成11年9月14日基発545号)

とされています。

要するに、仕事のせいで精神的な病気にかかってしまい、自殺を思いとどまることが出来る精神状態・思考が出来ない場合には、自殺は労災認定になります。

ということです。

最後に

「心の健康」の問題は、特に労働に関しては「働き過ぎ」という一言では片付けられないほど深刻になってきています。

IT技術の高度化による仕事量の高密度化、長期不況、終身雇用制度の崩壊、個人個人の対人に対するストレス対応能力の劣化、様々なことが原因で人々はストレスを抱え、病気を発症する人が年々増えています。

電通事件(最ニ小判平成12年3月24日労判779号13頁)以降、労働自殺に対する認識が高まり、自殺対策基本法や、労働安全衛生法が設立されました。

労働安全衛生法では、長時間残業者に対する医師による面接指導が義務付けられています。(労働安全衛生法66条の8) しかし、それをちゃんと行なっている企業は殆ど存在しないのではないでしょうか。

年間総労働時間も1800時間とされています。しかし、これはあくまで「目標」なので、これを守れていない、守ろうともしない企業が多いという実態。

皆さん、ありきたりな言葉で申し訳ないですが、「心の病」には普段から警戒し、定期的に心療内科にかかるなどして、しっかりと対策して下さいね。自分を守れるのは、自分しかいないのだから。

 

だいちゃん(∀)