花粉症に苦しんでいる人は全国に2500万人いるという。症状のひどい軽いはあるものの、実に5人に1人がくしゃみを連発し、目をかきむしり、鼻水を垂らしているのだ。毎年、この時季になると、週刊誌はあれこれ“特効薬”を見つけてきては「花粉症もう大丈夫」という記事を組むのだが、『女性セブン』(4月10日号)の今年の推しはれんこんである。
食事療法に詳しい埼玉医科大学の和合治久教授はこう解説している。「620人を対象にした実験で、れんこんの成分をお茶やみそ汁に入れて摂取してもらったところ、3か月間でなんと81%の人に花粉症の症状の改善が見られました」
れんこんにはアレルギーをひき起こす抗体の働きを抑制するタンニンなどのポリフェノール、呼吸器や鼻の粘膜を守るムチン(白いネバネバ)が多く含まれているのだという。
和合教授は昨年秋、NHKの情報番組『あさイチ』でも「れんこんは自然界のサプリメントです」と語っていた。番組にはオペラ歌手の中島啓江さんもゲスト出演していて、6歳のときからぜんそく発作に悩まされていたが、れんこんを毎日食べて粉末もお湯に溶いて飲み続けるようになってからは、まったく出なくなったという。
では、どのくらい食べればいいのか。『女性セブン』によると「1日40グラム、輪切りで3つほど食べ続けると、約2週間で効果が表れ始めるという」と伝えている。和合教授のおすすめはポタージュスープで、れんこんの成分を小腸からダイレクトに吸収できるという。さらに、れんこん単独ではなく、組み合わせて食べることで効果が高められるようだ。
「腸内環境が崩れていると、花粉症などのアレルギー反応が大きく出るといわれています。
ヨーグルトなど、乳酸菌の含まれる食べ物と一緒に摂取すると、劇的な改善作用があると、最近の研究で分かってきたんです」(和合教授)
れんこんのきんぴらで一杯にも、「いやあ、花粉症なもので」と格好の言い訳ができた。今夜、さっそく……。
1950年横浜生まれ。週刊誌、月刊誌の記者をへて76年に創刊直後の「日刊ゲンダイ」入社。政治、経済、社会、実用ページを担当し、経済情報編集部長、社会情報編集部長を担当後、統括編集局次長、編集委員などを歴任し2010年に退社。ラジオ番組のコメンテーターも10年つとめる。現在はネットニュースサイト「J-CAST」シニアエディター。コラムニスト。