ノーモア・ヒバクシャ訴訟:被団協 積極支援に方針転換

毎日新聞 2014年04月01日 19時55分

 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中煕巳(てるみ)事務局長は1日、全国の被爆者が起こしている一連の「ノーモア・ヒバクシャ訴訟」に関し、日本被団協として積極支援する方針を明らかにした。原爆症認定を巡っては2009年、政府と日本被団協との間で「訴訟の場で争う必要のないよう、定期協議の場で解決を図る」などとした確認書が交わされたが、国が定めた新たな認定基準で原爆症と認定されないケースが相次いでいることなどから、方針転換した。

 この日、都内の衆院第2議員会館で開かれた同訴訟の原告・弁護団集会の場で明らかにした。田中事務局長は「協議での問題解決に合意したのに、司法と行政の溝は埋まらないまま。今後は全力を尽くしていく」と述べた。6月の総会で議論し、方針を決めるという。

 原爆症認定を巡っては、日本被団協らが支援する集団訴訟が03年から各地で相次ぎ、国側敗訴が続いたことから09年8月、政府と被団協の間で原告全員救済などを盛り込んだ確認書が結ばれた。このため、被団協はその後結成されたノーモア訴訟原告団の直接的支援は行ってこなかった。

 一方、原告団は出席した国会議員や厚生労働省職員に、制度改正と先月20日の大阪地裁判決(原告勝訴)に対する国の控訴取り下げを要請。自民党の寺田稔衆院議員は「認定制度の限界が見えてきた。根本的な制度改正が必要」と述べ、議員立法による法改正も視野に働き掛けるという。【吉村周平、桐野耕一】

最新写真特集