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48年前の袴田事件 死刑囚の再審認める
3月27日 10時14分

48年前の袴田事件 死刑囚の再審認める
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昭和41年に静岡県で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」で、静岡地方裁判所は死刑が確定していた袴田巌元被告について「犯行に使われたとされた衣類はねつ造の疑いがある」と指摘して再審=裁判のやり直しを認めました。
裁判所はあわせて元被告の釈放を認める決定も出しました。

昭和41年、今の静岡市清水区でみそ製造会社の専務の一家4人が殺害された事件では、当時、会社の従業員で強盗殺人などの罪で死刑が確定した袴田巌元被告(78)が無実を訴え、弁護団が再審=裁判のやり直しを求めてきました。
この中では犯行の際に元被告が着ていたと判決で認定された「5点の衣類」が本人のものだったかどうかが最大の争点となりました。
27日の決定で静岡地方裁判所の村山浩昭裁判長は「DNA鑑定の結果から5点の衣類は犯人が着ていたものではなく、捜査機関によって後日ねつ造された疑いがある」と指摘して再審を認めました。
また、裁判長は「極めて長期間、死刑の恐怖のもとで身柄を拘束され続けてきた。これ以上勾留を続けることは正義に反する」と指摘して、袴田元被告の死刑の執行と勾留を停止し、釈放を認める決定も出しました。
死刑囚の再審を認める決定は9年前・平成17年の、いわゆる「名張毒ぶどう酒事件」以来、6件目です。
これまでの5件のうち、名張事件は後に決定が取り消されましたが、ほかの4件はその後、いずれも再審が開始され、無罪となっています。

袴田元被告の姉「粘りに粘った結果」

再審の開始が決まった直後、袴田元被告の姉の秀子さんは「無実を信じて粘りに粘った結果だと思う。とにかくうれしいのひと言しかありません。きょうのこの日とこれまで支援してくださった方々に感謝いたします」と話しました。

袴田被告の弁護団長「熱い思いかなう」

袴田元被告の弁護団の西嶋勝彦弁護団長は裁判所の前で「再審開始となりました。袴田さんの熱い思いがついにかないました」と短く報告しました。
そして、再審の開始と死刑の執行の停止と釈放を命じた裁判所の決定を読み上げると、支援者たちは大きな歓声を挙げ、拍手をしていました。

予想外の決定

静岡地方裁判所が再審の開始を認める決定を出したことについて、静岡地方検察庁の西谷隆次席検事は「予想外の決定であり、本庁の主張が認められなかったのは誠に遺憾である。上級庁とも協議のうえ、速やかに対応したい」と話しています。
また、静岡県警察本部はNHKの取材に対して「再審の決定についてはコメントを差し控えたい。内容を精査して今後の対応を考えたい」としています。

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