STAP細胞:「論文は不完全」理研幹部の一問一答(1)
毎日新聞 2014年04月01日 20時13分(最終更新 04月01日 20時51分)
STAP細胞に関する論文不正疑惑で、小保方晴子・研究ユニットリーダーら著者の多くが所属する理化学研究所が1日午後開いた記者会見での主な一問一答は次の通り。(回答者の氏名が分からない場合は「A」と表記しています)
■理化学研究所幹部の会見出席者■
野依良治理事長▽川合真紀理事(研究担当)▽米倉実理事(コンプライアンス担当)▽竹市雅俊・発生・再生科学総合研究センター長▽石井俊輔・研究論文の疑義に関する調査委員会委員長
野依 理研の研究者が発表したネイチャー論文2件で、調査報告が今日された。論文の作成過程で著者の1人に研究不正があった。複数の共著者に、データの確認が不十分で重大な責任の指摘があった。誠に遺憾に思う。科学の信頼を損ねることに改めておわびを申し上げる。研究者は高い倫理観を持って観察し、論文の結果から導き出されることに全面的に責任を負わないといけない。結果を慎重に評価することは基本的な態度。今回の調査結果を著者に伝えた。規定により論文の取り下げの勧告を行う。
米倉 不正があったと報告があった。研究不正があった者については、不服申し立てを4月9日までに受ける。また、処分については、別途の規定で懲戒委員会で厳正に行う。その他の理研の著者については、データの正当性を確認することなく論文に至っており、立場や経験から責任が重いと調査結果を受けた。結果を重く受け止め、厳正に対処する。
Q 小保方氏のコメントは「悪意のない間違いなのに承服できない」としているが、どのような感想?
川合 直接、小保方氏ら3氏に報告書を手渡しして説明した。短い時間だったが、自発的に頂いたコメントを配布している。小保方氏は少し動揺していたし、読んだ直後の感想だろうと思う。
Q 小保方氏は(STAP細胞が)存在するというスタンスか?
川合 本人は信じて研究を行っていたということだと思う
Q 石井委員長は?
石井 調査委員会はそこまでは判断していない。
Q 委員会の結論で決定的な証拠となるはずの画像で捏造(ねつぞう)があったと。大前提が崩れたと思うか?
竹市 論文としては不完全なものになった。論文の撤回を勧めた。STAP細胞があるかないかは、何の結論も出ていない。しかし、そこのところ、ゼロから検証した方が良いということから、検証実験を始める。