その事務所は私が専門業務と決めた許認可業務の県内でNo.1の事務所だった。
まだ非常に若い先生である。
私は「○○町で開業したばかりの行政書士ですが、先生と同じ許認可業務をやっていきたいと思いまして、少しお話を伺ってもよろしいでしょうか?」と言った。
若いのにも関わらず先生は色々教えてくれた。
まずその許認可業務について、先生は「役所の許可件数を見てもらえば分かりますけど、依頼は非常に少ないですよ。コンビニや店舗などは自分たちで許可を取ってしまいますからね」と言った。
私は「それでは先生に依頼する人達はほとんど個人の方ですか?」と聞いたところ、「まあ、個人の人でも自分で出来る人は自分で手続しますので、個人の人の中でも何もわからない人達がおもですね」という事だった。
実際電話で話をした後、役所のホームページを見たら、その許認可の許可を受けているのはほとんどがコンビニやチェーン店だった。
この許認可業務は数ある許認可の中でも難しいというか手間がかかると言われている。
実際先生も「役所の担当者が結構嫌らしい質問をしてくるのですよ。それに答えられるように関係法令や条文はよく読み込んでおかなくてはいけません」と言っていた。
ただ「やってみれば面白いのですけどね」とも言った。
その他この許認可業務以外の話もお聞きした。
依頼はホームページと紹介の両方からくるという事や、一度依頼したお客さんが別のお客さんを連れてきてくれるという事、○○町(私の自宅事務所がある町)に住んでいるのならこの業務が良いのではないか?という事まで教えてくれた。
その業務は先生も取扱業務の一つにしていた。
若きNo.1の先生との電話が終わった後も暇つぶしに(と言っては大変失礼だが)同じ支部の先輩や私と同じ新人の土地家屋調査士兼行政書士の友達の事務所にズカズカと電話をして、開業当初の話とか、行政書士としての専門業務を決めたかなどの話をした。
お二人とも仕事中だったのにもかかわらず、しっかりと教えてくれた。
私はこの3人の先生との電話での色々なやり取りから、自分が専門業務と決めた許認可―酒類販売業免許の申請業務を自分の専門業務にする事を断念した。
取扱業務の一つには変わりないが、もう一度振出しに戻って自分のメイン業務を先輩の話などを参考にして、多角的に考え直すことにした。
そして自分のメイン業務(専門業務)を絞るにはどうしても時間がかかることを悟った。
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