STAP細胞:「論文は不完全」理研幹部の一問一答(2)
毎日新聞 2014年04月01日 20時35分(最終更新 04月01日 22時20分)
※理研幹部一問一答(1)の続き
※「論文は不完全」理研幹部の一問一答(1)から続く。(回答者の氏名が分からない場合は「A」と表記)
■理化学研究所幹部の会見出席者■ 野依良治理事長▽川合真紀理事(研究担当)▽米倉実理事(コンプライアンス担当)▽竹市雅俊・発生・再生科学総合研究センター長▽石井俊輔・研究論文の疑義に関する調査委員会委員長
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Q 動機が分からないのに、再発防止というのは説得力に欠けるのでは?
川合 行われた行為は分析されている。このようなことが起こらないようにするにはどうすればいいか検討する必要がある。情報交換を頻繁に行うところではそういうミステークは起こりにくい。リスクを減らすための方策を、できるだけやろうと。
野依 若い研究者にとって本能的なものがある。運動選手がオリンピックに出て認めてもらいたいのと少し違うが、競争ある中で、世界に認めてもらいたいのは研究者の本能と思う。
Q 委員会とは別に、理研としてどうまずかったというところがない。
米倉 調査委員会、サイエンスの議論、再発防止策をクリアにわけてきた。調査委員会の結果を踏まえた再発防止策を問うことになる。
Q 今回のことが起きたから対策なのか。そもそもやるべきことをやってこなかったということか。
川合 ガイドラインは理研に既にある。用意してあったのに、どれくらい役立ったのかは検証がいる。ここに項目として書かせてもらっている。
Q STAP細胞の真偽は、3月14日と比べれば?
竹市 何も進展はない。この間、検証実験のプランを立てていた。実験はまだしていない。
Q 意図的な不正があったと、その動機を直接小保方さんには。
川合 直接は聞いていない。
Q 単純に見て、意図的なら名声を高めたかったのでは。
A 私も長いこと研究をしているが、新しい発見は非常に喜ばしい。ただ、新しい発見か確認することが研究者の責務。意図的に、そんなことで論文は通らないので、私には理解できない。
Q 理研として聞くか。
A 機会があれば個人的に聞きたい。
Q 小保方氏の研究室の色が変えられていた。どんな経緯で変えられた?
米倉 2013年の9月、10月にセットアップしている中で、動物のゾーンを分ける色分けは完了していた。
Q 許可は?
竹市 PIが着任するため部屋を改装する。小保方さんが希望したと想像する。