牛丼戦争再び!大手3社、横並び崩れ並盛最大30円差
スポニチアネックス 4月2日(水)7時1分配信
消費税の税率が1日、5%から8%に上がり、幅広い商品・サービスの価格も一斉に値上げされた。“デフレの象徴”とされてきた牛丼はこれまで大手3社が並盛280円の横並びで競争。しかしこの日を境に、今後の各社の戦略により「すき家」が270円、「松屋」が290円、「吉野家」が300円に価格を改定。最大30円差が生じた“国民食”に97年4月以来、17年ぶりの増税を迎えた消費者の反応は…。
【写真】消費税が8%に上がり、これまでは必要なかった1円玉のお釣りを渡すマクドナルドの店員
「すき家」はこの日午前9時から全国約2000店舗で新価格での販売を開始。「本体価格250円(税込み270円)」を強調した牛丼並盛の垂れ幕やポスターに差し替えられた。
「すき家」港南二丁目店(東京都港区)は、正午前からスーツ姿の会社員らで満席。ピーク時で空席待ちの15人ほどの列ができた。牛丼並盛とサラダのセットを注文した男性(53)は「これまで380円だったセットが、378円になってうれしくなった。非正規雇用の身なので、2円でも安くなるのはうれしい」とニンマリ。全国86万人の新入社員の一人となったばかりの男性(22)は近隣の吉野家をのぞいてから訪れたといい「初任給はこれからなので、ちょっと助かった」と勢いよく丼をかきこんだ。
一方、すき家から遅れること1時間、午前10時から全国約1200店で一斉に従来から20円値上げした300円で販売を始めた吉野家。JR有楽町駅前(東京都千代田区)の有楽町店では、定時直前に店長が飲食中の客に改定前価格での会計を呼びかけ。直前に入店し、30円“安く”食べられた東京都足立区在住の無職の表江利男さん(72)は「時間は知らなかった。運がよかったね」と顔をほころばせた。
吉野家がライバル社より高い牛丼の提供に踏み切った背景の一つに好調な業績が挙げられる。同社メニューとしてはこれまでにない割高の「牛すき鍋膳」「牛チゲ鍋膳」(ともに並盛590円)がヒット。これが追い風になり、2月まで既存店売上高が5カ月連続で前年比プラスを達成した。
その余裕からか、牛丼を値上げしたこの日も、使用牛肉をより熟成させ、タマネギ増量など品質向上をうたい、「消費者はおいしいものには満足して、お金を払っていただける」と“高値設定”にも自信をのぞかせた。
対するすき家は、2月の既存店売上高が30カ月ぶりにプラスに転じた。値上げの嵐が吹き荒れる中、“逆張り”で反撃に打って出た形。チェーンを展開する「ゼンショー」は「お値打ち価格で牛丼を提供するため。客足を伸ばすことで、利益を確保したい」と語った。
街頭では確かに価格面を重視する声も聞かれた。すき家、松屋も利用するという千葉県柏市に住む会社員の飯島洋光さん(49)は吉野家の牛丼に舌鼓をうつ一方で「30円差はそれぞれの企業努力の問題もある。消費者としては少しでも安いものを、という考えはある」と訴えた。
≪「松屋」3%UPも一部は据え置き≫「松屋」は午後3時から290円での販売を開始。増税された3%分を本体価格269円に転嫁した。人気の「カルビ焼肉定食」(630円)など一部のメニューは据え置き価格に。販売前には食券を購入する券売機の切り替え作業を各店舗の店員が手動で行った。
最終更新:4月2日(水)11時1分
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