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08 花は舞い降りた
基本、光武は霊力を供給されて、それで発電している。
発電された電力で内部機器や機構部分の稼働をさせているワケだ。
で、以前は霊力→熱蒸気→発電という流れで駆動していたが、現在は霊力で直接発電をしている関係で供給力が増加している。
勿論、攻撃や防御に霊力を使っているが、基本機体動力は電力だ。
となると、動作基礎を霊力から直接受けるより、駆動部分だけでも完全に電力駆動に切り替えて、非常用や増力用に霊力駆動を追加したほうが良い、というのがドクトルカオスの提案だった。
現行の光武の改修なので、光武改となるはずだったが、改修してみれば別の機体と言えるほどの変更になってしまった。
ズングリとした形状がスリムに、機体の四肢の稼動半径がより人間に近くなった。
開発者や神崎重工研究者は非常に驚いていたが、横島は「マリアを着てるようなもんだな」と苦笑いだった。
そう、機体デザインの自由性が向上したためか、搭乗者の趣味が満遍なく発揮されることになったのだ。
まぁ、本人達をかなり美化、というかメカニカルデザイン化した外装した感じになったのだが。
とはいえ、一番喜んだのはカンナだろう。
彼女は自分の身体の影響で、かなり光武内で狭い思いをしていたから。
次に喜んだのはコウラン。
霊力よりも開発者としての比重が高いため、霊力の安定性が低かったた。光武の駆動部分が機械式比重へ偏ってくれたおかげで機体操作が楽になったと嬉しそうに語る。
逆説的に霊力が有り余るアイリスは、駆動どころか機体制御の隅々まで霊力感応が組み込まれ、霊力浮揚式機体、霊力感応式砲台、霊力浮揚式補助武装などなど、カオスの趣味丸出しのオプションがガンガン追加されていった。
「お、カオスフライヤーか」「おお、懐かしかろう?」
砲台は霊波砲だが、浮揚システムはカオスの発明品の流用だった。
「師匠(せんせい)、必殺技が出しやすいです、これ!」
「ま、無駄に動力への霊力供給がないしな」
「・・・それは威力の増大ということですか?」
「今までどおりの威力も出せるけど、これまで以上の力も出せると思うぜ、マリア隊長」
「もしかすると、その制御のための訓練が・・・」
そう呟いたサクラを、さも嬉しそうに微笑んでみる横島。
その瞬間から花組全体の血の汗が流れる事が決定したのだった。
アイリスですら血反吐で海をつくれまーすという特訓で沈み込んでいた頃、それは発生した。
怪蒸気による芝電波塔占拠であった。
作戦室に集合した花組と横島であったが、出動はまだ指令されていなかった。
実のところ、怪蒸気を発見したのが陸軍教導部隊であったため、自分たちのプライドを満足させるために未だ奮戦を続けており、対降魔部隊への指揮権が移っていなかったのだ。
本来であれば賢人機関による横やりで、早々に指揮権が委譲されるはずであったが、前回の上野での戦闘が余りにも一方的であったため、通常兵器でも勝てる気がしてしまったのも一因だろうと言う。
「横島兄さんのせいやな」
紅蘭の台詞に、皆がうなずく。
「なんでやねん!!」
「あー、忠夫。俺も同意見だ」
とはいえ手をこまねいているのも何なので、出動しとかないか、と横島が提案すると苦笑いの米田。
「翔鯨丸を出動させるにゃ、指揮権がねえとなぁ」
「いやいや、光武改なら追加装備で飛べるし」
そう、カオスフライヤーの設計を思い出したカオスによって、霊力タンクと同時装備によって関東一円ぐらいだったら飛翔して到着できる様になっているのだ。
「・・・ありゃ、まだ、テストしてねえだろ?」
「ぶっつけ本番」
その台詞に非難の視線を送る花組だったが、横島はにっこり微笑む。
「修行倍と本番、どっちか選ぶ?」
「「「「「ぶっつけほんばんで!」」」」」
ずいぶんといい感じにされている花組であった。
それは悪夢の光景だった。
銃がきかない。
陸軍開発局で開発された鉄甲弾が弾かれるのだ。
砲弾がきかない。
数々の戦車を残骸に変えた破壊砲がきかないのだ。
霊剣がきかない。
対降魔部隊などに頼ることなく霊異に対抗してこれた霊剣が一切きかないのだ。
対抗魔部隊で使用されている、急造品などではない、本当に伝承されてきた至宝なのに!
「た、隊長!! 増援を、増援を!」
「ばかもの!!関東近県で我ら以上の精鋭などおらん!!」
怒鳴りかえしているが、私にだって理解はできている。
彼らが求めている増援の存在を。
陸軍対降魔部隊 帝国華撃団
怪異を、悪意を断ち切る専門家。
確かに彼らはすごかろう。
確かに彼らは強かろう。
しかし、我らがそれに劣るはずがない。
我らこそ、最精鋭なのだから!!
「銃は集中しろ! 特殊弾をありったけ一カ所にたたき込め!」
「「「「「了解!!」」」」」
一体の怪蒸気に集中放火したが、一切効果がみられなかった。
くそ、やつらは化け物か!!
−奴らの堅さは、オカルトにおける結界だ。点ではなく面で攻撃しろ。
無線機から流れた指示に、兵たちがいち早く対応した。
面攻撃であれば一定の練度があればできるから。
瞬間、信じられないことが起きた。
そう、あれほどの強度を誇っていた怪蒸気が一体倒されたのだ。
「・・・な!」
無論、敵を全滅できるわけではない。
しかし、通常兵器が効かないわけではない証明にはなったのだ。
「ご忠告感謝する。こちら陸軍第一教導団、西郷」
ーこちらも実践資料が得られたのでありがたい。
「所属を教えていただけませんか?」
ー陸軍対降魔部隊 帝国華撃団所属 横島
その名前を聞いて、背筋を伸ばした。
そう、部下が求めた増援。
言葉だけで我々を助けたのだ。
もう、引くしかないだろう。
「ご忠告を感謝する、横島殿」
ーいやいや、司令からの指示でね。優秀な教導団を失うに惜しいとのことだったよ
米田中将から、と。
「ご厚意感謝する。当部隊の損耗が2割を越えた。指揮権の引継を依頼したい。」
・・・その好意に答えねばならないだろう。
『了解した、帝国華撃団花組、降下!!』
現れた「それ」は、怪蒸気よりも美しく、力強く、そして頼もしかった!!
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久しぶりのカオス登場ですが、マリアはあまり前に出てきません。
隊長マリアに気兼ねしているというのが真実です、
ちょっと可愛いですよね、彼女。
2012/04/06 OTR移転版+小修正
文字数は2,610文字