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第六話

トップページ > 神代ふみあき書庫 > 赤松・椎名系作品 > よこしまサクラな大戦 > 第六話




 


訓練をつみ、霊能を戦闘を進化させた花組。
その真価は、意外なほど早くに求められたのだった!!


********************************************


06 いきなりのネタ割れw

 


 実戦は突然だった。

 

 


 上野に発生した怪蒸気集団に帝都市民が脅えている。

 

 そんな中、彼女たちが現れた。

 

 高周波音をなびかせて、大地を滑るように走り抜ける六体の動甲冑。
 六色のそれが駆け抜けると、怪蒸気は爆音をたててはじけ飛んだ。


 あまりに爽快な様に、あまりの快進撃に、帝都市民は逃げるのを忘れて歓声を上げた。


 唸るが如くに長刀を操る機体、這うが如くに刀を操る機体、流れるように脚手で敵を討つ機体、そして神技が如きに銃弾をたたき込む機体、後方から火筒をたたき込む機体、そして電光石火の移動速度で翻弄しつつ敵を攪乱する機体。


 すべての機体が踊るように舞うように敵を叩き伏せてゆく。
 それは夢幻のような光景でありながら現実を伴う事実だった。
 硝煙の香りすら幻想に感じるほどの活躍に、市民たちは酔いしれていた。


「あれは、なんだ?」「あれは誰だ?」


 一連の舞踏のような戦闘が終わった瞬間、それらはポーズを取る。


「「「「「帝国華撃団、参上!!」」」」」


 まるで舞台劇のようなその姿に、市民たちはいっそう盛り上がる。
 拍手が声援が渦巻く上の野山であったが、瞬間的な雷鳴が走り、一カ所に落ちた
 

 

 

 

「ふははははは! よい動きだな、帝国華撃団とやら!」

 

 

 


 胸を張るその男に向けて、緑の機体が猛烈な勢いでミサイルを放った。
 放たれた男は、必死によけて抗議をの声を上げる。


「・・・き、きさまら! 名乗りぐらい上げさせろ!!」


 すみれとカンナにによる追撃も加わり、生身のまま汗だくでよける男。
 横島を追うことでなれているせいか、生身の人間相手でも容赦ない二人だった。


「紅蘭、合図とともに追撃」「了解や」
「マリア、エンフォードで狙撃」「わかりました」
「サクラ、奥義連射」「・・・えっと、生身の人間ですよ?」「やらなきゃお仕置き」「さーいえっさー!」


 無線での指示にうなずく三人は合図を待った。


「すみれ、カンナ、はなれろ!!」
「「了解!」」


 ばっと散った二人のタイミングに合わせて、遠距離攻撃の雨嵐が男に降り注いだ。


「アッーーーーーーーー!!!!」


 攻撃が終わったあたりでみてみると、爆煙の中心には尻をつきだして真っ黒になっている男が一人。


「よっしゃ、わいがトドメや。秘技、三年ごろし!!」


 両手で作られた、呪術的形状の「それ」が
ふれるかふれないかという瞬間に男は飛び上がった。


「っ! させはせん、させはせんよ!!」
「くそ、この腐れ色男め、死にさらせ!」


 輝く光の剣を掲げた青年が、黒こげの男に切りかかるが、まるで剣劇のように打ち合うことになった。


「くそ、この非常識男! 戦うものの誇りは無いのかぁ!」
「やかましいぃ! 明らかに怪しい黒幕ッポイバカが出てきたんだから、集中砲火にきまっとるやろが!」


 実際はきわめてすばらしい武術の頂ともいえる技量の応酬なのだが、二人の発言の情けなさがそれを感じさせなかった。


「せめて、私の戦闘準備が終わるまでまてんのかぁ!?」
「あほかっ、相手の準備ができていないところで集中砲火なんつうのは基礎やろが!」


 さすがに卑怯かなーと思う市民や一部帝国華撃団であったが、緑と黒は頷いていた。


「せやなー、相手の準備を待つ必要はないやろ?」
「当然ですね、うん」


 そんなわけで、二人は周囲警戒しつつ、援護のタイミングを計っていた。


「くそぉ、出よ、神威!!」


 ずびっと腕を上げた瞬間、男からちょっと離れた位置に黒と緑の攻撃が集中した。


「く、あぁぁぁ!! なんで乗り込むまで待たん!? 卑怯だろぉ!?」


 市民も実はそう思っていた。
 が、桃・紫・赤はダッシュで近づき、健在化を始めた自称「闇神威」をボコボコにし始める。


「このこのこの、蒸気式の旧型がぁ!」
「おほほほほほ、間接発電式なんて怖くも何ともありませんわぁ!」
「おしおきいやーーーーー!」


 名乗りも上げられず、愛機もボコボコにされた男は、半ば泣きながら撤退していった。
 そのへたれた姿に市民は一応の喝采を送ったのだった。 

 

 

 帝国華撃団、その初戦。
 あまりの容赦のなさとその強さで、帝都市民たちの関心を集めることになった。


「でも、ちょっと卑怯かも?」


 卑怯上等、常勝無敗、帝国華撃団参上!
 実は、かなり美神的な話であった。

 

 

 

 

 

 

 上野の山の怪蒸気は、帝国市民にとっても頭の痛い話であったが、帝国華撃団によって打ち倒されたという事で、一種の祭りの状態になった。
 岡屋台や夜店が建ち並ぶ中、一人の男が現れた。


「さーさー、よってらっしゃいみてらっしゃい、お暇な方は冷やかしでもいいよぉ?」


 ぱんぱんと手を叩いた男の前には、今帝都で一・二を争う話題の一つである「大帝国劇場」の女優たちで有名になった「ブロマイド」が並んでいた。
 ただし、それは戦いの時の「帝国華撃団」のものだった。


「上野の山を守りきった「帝国華撃団」のブロマイド、怪蒸気よけに買ってかないかーい!」


 思わず殺到する市民たち。
 鮮明な「ブロマイド」に感心しつつ、ちらほらと買い求め始める者たちもいた。


「お、小僧もほしいか? お父ちゃんにかってもらい? たばこを一箱やめれば買える程度やからな〜」


 おもわずドッと受ける市民たち。
 そんな柔らかな雰囲気を破るように、一人の男が現れた。


「男、この「ブロマイド」とやらを全てよこせ」


 その男は、銀髪でソフトマッチョな感じだった。


「すみませんねぇ、お客さん。多くの一にお分けしたいんすよ〜、買い占めは勘弁してくださいませんかねぇ?」
「金は出す、三倍でも四倍でもいい。全部よこせ」


 ギンッと殺気を高める銀髪に、店主は苦笑い。


「だから、ダメだっていってるだろ? 芦田」


 瞬間、拳を振り抜いた男だったが、その拳は空を切り、店主はいつの間にか荷物の全てをまとめて居なくなっていた。


「き、きさま、なぜその名を!!」


 混乱する市民の中心で叫ぶ男。
 それをかなり離れたところで観察する店主、横島忠夫と月組隊員。


「横島大隊長、間違いありませんか?」
「間違いねーなー。ありゃ、魔族の写し身だ」
「真名は?」
「アシュタロス。魔界の大公爵だ」
「・・・!!」


 息をのむ隊員だったが、横島は余裕だった。
 何しろ写し身。本人と敵対したことがある身としては、何万分の一程度の力しかない写し身なんか毛ほども感じていなかった。


「・・・今、司令に情報を送りました」
「んじゃ、適当にあしらって撤退だな」
「大隊長、我々は?」
「市民の誘導と結界の形成。よろしく」

 

 

 

 


 手にした書類を米田は落としてしまった。
 内容に驚いたのもあるが、真名を看破した際に引き出された情報が、あまりにも重すぎたからだ。
 敵の目的を考えれば、先の大戦、自分たちが行った降魔の封印など可愛いものだとすらおもえた。


「しかし、アシュタロス、かよ」


 六大魔王が一人、未来と過去を見通すもの、その名の力を上げればきりがない。
 そんな魔族が何で、何を目的に帝都争乱などに加わっているかはわからないが、明らかに異常事態だった。
 現状、帝国華撃団で圧倒できる程度しか力がないが、本来の力が注がれた場合、力の差は19桁ほど違うとも書いてある。
 写し身を叩いて本体の力を引き出してしまう愚を考えれば、適当にあしらって拮抗していると思わせるのが肝要との方針報告は納得せざる得なかった。


「娘っこたちには聞かせられねぇなぁ・・・」


 加えてもう一人の報告も目が離せない。
 少なくとも切り札にすらなりうる情報だが、それに頼るのは自殺行為だった。
 もう、帝国劇場ごと引きこもっていたいとすら感じる米田であった。
 とはいえ、そうは言っていられない。
 帝都の、ひいては帝国の霊的防衛こそが使命なのだから。


「くっそぉ、イヤになるほど有能じゃねぇか、横島よぉ」


 米田は苦々しくコップの中身をあおった。
 いつもならば出る満足感は一切感じなかった。

 

 

 

 

 初戦快勝。
 ただし隊員たちにとって納得のいかない点を感じないでもないことがあった。
 それが卑怯打ちともとれる部分。
 花組の小隊長であるマリア=タチバナは、横島が指示した作戦の有用性を説明したが、感情的に納得がいかないらしい。
 基本、一対一でガチ殴りあいを愛する霧島カンナはフテクサレているが、実はアイリスも不満に感じていた。
 序盤はいいのだが、最後のところが「弱い者いじめ」みたいだったのが気に入らないと言う。


「そう、それだ! あんなに弱い奴相手にタコ殴りつうのが気に入らねえんだよ!」
「マリア隊長、私も少し・・・」


 あー、なんと説明しよう・・・。
 そう思ったところで紅蘭が口を開いた。


「あんなぁ、みんな。よく聞いてほしいんやけど・・・」


 敵のあの男、ぜんぜん弱くないで、と。


「どういうこと、コウラン」
「あんな、サクラはん。うちらの全力攻撃を集中的に受けて、ピンピンして逃げ回って、さらには霊子甲冑なしでウチラと戦える。どこに弱い要素があるんや?」
「「「「あ・・・・・」」」」


 彼女たちはそういう存在をよく知っていた。
 加えて言うならば、その存在が如何に恐ろしいまでに強いかを。


「つまりや、横島兄さんを叩きつぶすつもりで戦わんと、倒せん可能性が高いっちゅうことや」
「「「「おおおおおお」」」」


 なにげに撲殺系抹殺が決まってしまった瞬間だった。

 

 

 

 

 一方そのころ。


 数枚のブロマイドを眺め、ため息をもらす男が一人。


「うつくしぃ・・・・この造形、この設計、この発想、このバランス・・・」


 芦田と呼ばれた男は、恍惚と眺めているだけであった。

 

 

************************************************
えー、イキナリのネタ割れですw


で、ついでにネタ割れの追加。
・上野の山のブロマイド売り:月組の作戦行動。敵方が情報収集に来るであろう事を計算に入れた行動。意外な人物がつれたw
・横島大隊長:月組・風組・花組の戦闘部門を統括する役割を与えられている。加えて風組・花組が前線中隊。中隊長は秘密。
・芦田:神代作品におけるアシュタロスの漢字名w
・芦田2:この作品における光武の基礎設計者>魔改造された光武に惚れたw


こんなかんじですw


2012/04/06 OTR移転版+小修正

 

文字数は4,131文字