米国の自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)は3月31日、車のパワーステアリング部分に不具合があったとして、北米を中心に販売した約150万8400台をリコール(回収・無償修理)すると発表した。2月以降、GMが公表したリコール台数は合わせて650万台を超えた。

 新しいリコールの対象は、「シボレー・コバルト」「シボレー・HHR」「サターン・アイオン」など。パワーステアリングが急に動かなくなるおそれなどがあるという。

 GMの大規模リコール問題では、車のエンジンを始動させる点火スイッチの欠陥を10年以上放置していた疑いが2月に浮上し、米国の議会や捜査当局による追及の動きが本格化している。GMのメアリー・バーラ最高経営責任者は4月1~2日に米議会上下院の公聴会で証言する予定で、組織的に点火スイッチの問題を隠していたかどうかが焦点になりそうだ。

 GMは点火スイッチの欠陥で起きた事故の死者数を当初は12人としていたが、30日までに「新たに1人確認し、13人」と公表した。(ニューヨーク=畑中徹)