香港国際空港で、搭乗口から離れる香港ドラゴン航空(Dragonair)の旅客機(2010年4月13日撮影、資料写真)。(c)AFP/MIKE CLARKE
【4月1日 AFP】中国・上海(Shanghai)発香港(Hong Kong)行きの香港ドラゴン航空(Dragonair)機が3月30日夜、大規模な暴風雨のため深セン(Shenzhen)の空港に着陸し、250人余りの乗客が機内で夜を明かした。同航空の親会社、キャセイパシフィック航空(Cathay Pacific)が31日、明らかにした。
乗客252人を乗せて30日午後6時30分(日本時間午後7時30分)に上海を飛び立った香港ドラゴン航空KA875便は、香港が大雨やひょうが降る大荒れの天候で着陸不可能となったため、行き先を変更し香港に近い深センに着陸した。
だが、AFPの取材に応じたキャセイパシフィック航空の広報担当によると、気象状況が回復した後も、機体の電気系統の異常のため離陸できなかった上に、乗客らは7時間も機内にとどまることを強いられたという。
同広報担当は、深センには香港ドラゴン航空が就航していなかったために、地上での操縦や手続きに手間取り、乗客の降機に通常よりも時間がかかったと説明し、「深くお詫びする」と謝罪した。
香港の英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)によると、乗客たちは飲料も食べ物もほとんどないまま機内に留め置かれた。中には乗員をどなりつける人や、機外に出ようとして乗員に制止される人もいたという。
深センで乗客を降ろす「特別許可」が下りたのは31日朝、上海を離陸してから11時間後のことだった。
30日の香港では、暴風雨警報としては最高レベルの「黒」が発令され、住民には屋内にとどまり全ての旅行は取りやめるよう勧告が出された。地滑りや洪水も多数報告されている。香港空港当局によれば、大雨が降り始めてから500便以上が遅延となった。(c)AFP