日本の政治、経済、哲学からアイドルまで佐藤 優、孫崎 亨、國分功一郎、荻上チキ、中森明夫……さまざまな分野のインテリジェンス猛者たちが総登場!
Brain Survival Guides
良書にはテレビ・新聞が伝えないインテリジェンスが溢れている。それを手にいれるべく、『GQ』編集部で今こそ読むべき15冊をリストアップ。担当編集者の推薦コメントにあるインテリジェンスも見逃せない!?
『ビジネス・インテリジェンス』
外交官・北岡 元
東洋経済新報社〈¥1,890〉
インテリジェンスこそビジネスのチャンス!
インテリジェンス(諜報活動)の手法をビジネスの実戦に活用するにはどうしたらいいのか? 本書にはその問いに答え、実践に繋げるためのノウハウが詰まっている。「国家安全保障の世界で培われたインテリジェンスをビジネスに適用するビジネス・インテリジェンス(BI)は、米国では1980年代から普及しています。他方、日本ではまだその本質が十分に理解されているとはいえないようです。本書では、長年外交官として活躍している著者がインテリジェンス・サイクルのつくり方、早期警戒から、シナリオ分析の手法までを解説しています。IBM、ウォルマート、VISA、ヤフーなど豊富な事例から“仮説競合分析”や“シナリオ分析”などの具体的な手法が学べる、初の実践的なビジネス書といえると思います」(書籍編集部・藤安美奈子さん)
『日本のインテリジェンス機関』
日本文化大学学長・大森義夫
文春新書〈¥714〉
内閣情報調査室の重要任務のひとつは新聞の切り抜きだった!?
日本が生き残るためには、オシント(公開情報の分析)ではなく独自の情報機関が必要と筆者は言う。「源氏蜂起を促した熊野の新宮十郎行家。ロシア革命を後方支援した明石元二郎。『誰のために』4部作(中公文庫 名作ですぞ)の石光真清。─これらすべては諜報戦の手だれ。この系譜につながる大森氏は、内閣情報調査室の元室長です。CIAのカウンターパートナー、日本の国家情報の総元締めでは、日々いかに対外情報を集めているのか? はい、新聞の切り抜きも立派なオシントですね。CIAも情報の95%以上はオシントから。これって、日米の国家機密? ちなみに著者は、日本独自の情報機関の創設を説いていますが、特定秘密保護法の制定など、ひと言も唱えていません。冷静にしてクレバー。インテリジェンス(情報)のもうひとつの意味は知性です」(文藝春秋・和賀正樹さん)
『炭水化物が人類を滅ぼす』
形成外科医・夏井 睦
光文社新書〈¥924〉
炭水化物の新常識に目からウロコ!
糖質制限ダイエットの効果の先について言及しているが、ただのダイエット本ではない。「ダイエットをきっかけに、いままで知らなかった生物、生態系の循環、さらには地球のなりたちについてまで知ることができるのが、一番面白い点かと思います。このまま人類が増えると、炭水化物の消費が増える、結果として水不足になり土壌の質も落ちる……。そんな地球規模でみた近未来の話にも広がりドキドキするはず。カロリーという概念がいかにいい加減にできているかなど、ダイエットの常識を覆す新事実も満載です」(新書編集部・草薙麻友子さん)