本日、日本にある1003山のうち、48の山が1m高く、そして39の山が1m低くなりました。これは、国土地理院が最新の計測データに基づき改定したため。一応断りますが、エイプリルフールのネタではありません。

GNSS測量をはじめとする新たな測量技術の発展・普及に伴い、全国の三角点の標高成果が新しい値に改定されました。ちなみにGNSSとは、Global Navigation Satellite System(全地球航法衛星システム)の略。よく知られているGNSSとしては、アメリカの構築したGPSがあります。  

今回標高が改定された峰々の中でとくに話題となっているのは、山梨県と静岡県の間にある間ノ岳(あいのだけ)。というのも、この峰は改定によって3190mとなり、標高順では従来日本4位から、長野県と岐阜県間にある奥穂高岳と並ぶ3位にランクアップしたためです。



日本の標高でも上位に位置する峰の順位がちょっとセンセーショナルな形で変動したことで、観光面などにも影響が出そうな話題です。ちなみに上図は、先日発表された「地理院地図3D」で見た間ノ岳近辺のデータです。お手元のブラウザで見たい読者は、該当地域へのリンクをどうぞ。

低くなった39峰の中では、神奈川県と静岡県にまたがる金時山(これは山頂名で、山名としては箱根山になります)が1212mとなり、千葉にある低山、大山(おおやま)も193mになっています。

詳細は国土地理院が公開した、今回の変更で高くなった48山の一覧(PDF)低くなった39山の一覧(PDF)をご確認ください。また、日本の主な山岳標高というページからは、2009年からの標高変更履歴を辿れるPDFへのリンクもあります。

ちなみに山の標高改定と聞いて、映画『ウェールズの山』で描かれた、高さが微妙に足りず山から丘に格下げされかかったフュノン・ガルウを地元民が総出で7m盛って306mの山にした逸話を連想する読者もおられると思いますが、国土地理院では意外なことに丘と山を区別する基準の定義はしていないそうです。