STAP論文:外部専門家で実験の実態などの調査継続
毎日新聞 2014年04月01日 22時10分(最終更新 04月01日 22時35分)
理化学研究所の調査委員会が、STAP細胞論文の捏造(ねつぞう)、改ざんを認定したことを受け、理研の野依良治理事長らが1日、東京都内で記者会見を開き、「科学社会の信頼性を損なう事態を引き起こしたことに対し、改めておわびします」と陳謝した。野依氏は「場合によっては私を含む役員は、しかるべき段階で厳正に対処しなければいけない」とも述べ、執行部の引責も示唆した。
調査結果に対して小保方晴子・研究ユニットリーダーらから弁明を聞く手続きを経て、理研は「厳正な処分」と論文の取り下げ勧告を検討するとしている。
STAP細胞の真偽については、調査委が「論文の不正の有無を調べることが我々の目的」として調査対象としなかったため、理研本部が主導して約1年かけて再現実験を行うという。実験には1000万円以上かけ、責任者は論文共著者の丹羽仁史・プロジェクトリーダーが担う。理研側は「外部の研究者による検証にも協力する」と強調し、報道陣からの「公平性に欠けるのでは」との批判をかわした。
さらに、小保方氏の研究室に保管されていた、STAP細胞から変化させて作った「STAP幹細胞」の詳細な解析も検討する。
また、理研は外部の専門家による委員会を設置し、実験の実態と論文が発表されるまでの経緯を改めて調査する。不正の抑止策や、研究成果の広報発表のあり方についても改善策を検討するという。
下村博文文部科学相は同日、理研を「特定国立研究開発法人」に指定する閣議決定を先送りする方針を示した。【八田浩輔】