報道専門局こそ必要だ
週刊東洋経済インタビュー

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報道専門局こそ必要だ
1996. 12. 28-1997. 1.4 週刊東洋経済

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阪神大震災、オウム事件の取材で「ビデオジャーナリスト」の存在を広めた報道界のベンチャーは、デジタル衛星時代にどう挑むか。
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ビデオカメラが小型化し、操作が簡単になったおかげで、一人で取材と撮影を兼ねるビデオジャーナリストという手法が可能になった。この手法を使ったニュース専門チャンネルを、デジタル衛星放送で開局する計画だ。まず、97~98年にどこかのチャンネルで数時間の番組を始める。

いま、放送開始を控えた衛星各局は、血まなこになって番組素材を探している最中だ。めぼしい素材は奪い合い。海外から素材を買ってきても、翻訳したら国内で作るのと費用は変わらなくなってしまう。ニュースも費用はかかるが、ビデオジャーナリズムなら解決できる。

チャンネルの維持費用は(複数年契約で)年間約5000万円と確かに安い。一世帯当たりの月額視聴料を200円で計算すると、100万世帯で二億円の収益になる。加入者はもう10万人。制作費一日当たり1000万円かけると単純計算で1ヵ月に3億円かかるが、国際ものや再放送を利用すれば2億円以下で十分収まるはず。要るのは優秀なジャーナリストだけ。

日本では15年前にケーブルテレビが始まってから、形の上では多チャンネル化しているが、ニュースチャンネルといえるものは皆無だった。なぜなら、外注の多いテレビ局の中で、報道の分野だけは聖域だからだ。例外は、オフィストゥーワンが制作協力しているニュースステーションだけで、各局とも社外の者がニュースに直接タッチする機会はない。だからテレビ界でフリーの記者は育っていないのだ。

その理由は、東京のキー局六社が市場を寡占し続けてきたからにほかならない。どんなに悪くても六位という程度では、競争原理が働いているとはいえない。

何より、地上波のテレビニュースはカネをかけ過ぎ。取材とは別に再現フィルムを見せたり、大事故が起きた日の夜には事故現場の豪華な模型を作ったり。カネをかけているから視聴率を取らなければならないという論理になっている。これでは、ニュースに名を借りたショーだ。

このように、地上波の各局がニュースに求める異常に高い映像クオリティは、果たして視聴者が求めているものだろうか。違う。毎晩11時以降のニュースの視聴率は、各局合わせても30%もないのが現実だ。ニュースに論説を加える形の番組を見る機会は、平日は夜10時以降しかないのに、この視聴率の低さだ。

ことあるごとに中継車を出し、衛星を使ってそこだけ延々と流すのは大資本の地上波だからできること。その間にも世の中は動いているので、他のニュースを見たい人はたくさんいる。地上波の各局は百貨店のようなもので、品揃えはあるが本当に欲しいものは少ない。専門店のように、特定の分野で質の高いチャンネルがあってもいい。

当社は大資本の援助を受けているわけではないが、自分が音頭を取れば、現状を打ち破る何らかの起爆剤になれると思っている。

1996. 12. 28-1997. 1.4 週刊東洋経済

March 15, 1997



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