ブナガヤ実在の証言集
皆様は沖縄の妖精「ブナガヤ」をご存じであろうか。一般的に「キジムナー」と呼ばれるこの妖精は大宜味村ではブナガヤと呼ばれ多数の目撃証言があるらしい。
証言によればブナガヤは赤い髪を垂らした子どもくらいの大きさで、好物は魚の目玉や蟹。相撲が得意で、山・川・木の上に生息するといわれている。
このブナガヤ、戦後は目撃証言がほとんど無く「近代化で絶滅したのでは」「そもそも空想上の生き物ではないのか」と言われてきたのだが、今回我々は某所より「ブナガヤは実在する」という有力な情報を手に入れた。
はやる気持ちを抑える一同
我々は有力証言を元に、県内某所に足を運んだ。時間は19時。日が暮れるか、暮れないかの「アコークロー」の時間で妖怪や魔物などに最も遭遇しやすい時間だという。
山に分け入る一同
証言を元に山に分け入る一同。夜の沖縄の山は危険と隣り合わせである。少し気を抜いただけでハブやヒメハブなどの生物の餌食となってしまう。
一同の間に緊張が走る。
ブナガヤの火を探す
あたりに夜のとばりが下りてきた。
証言によればブナガヤは火の玉のような状態で移動、ブナガヤ自体も発光しているという。我々はブナガヤの目撃情報が特に多かったガジュマルの木のまわりを中心にブナガヤの明かりを探すことにした。
途方に暮れる
しかし、決死の捜索にも関わらず、なかなかその痕跡を見つけることができない。
ブナガヤは既に絶滅してしまったのか…?
隊員達に焦りの色が浮かぶ。
山口隊員の姿が見えない
ブナガヤの捜索が始まって二時間。いつの間にか我々の近くでブナガヤ捜索をしていた山口隊員の姿が見えない。
夜の森で道を失うことは二度と戻れないことに等しい。我々は姿を消した山口隊員を探すことにした。
力尽きる山口隊員
なんということだろうか…!
我々が見つけたのは既に息も絶え絶えになった変わり果てた姿の山口隊員だった。
彼に一体何が起こったというのだ…!
最後の言葉は「相撲」
力なく伏した山口隊員に駆け寄る我々。
山口隊員が最後の力を振り絞って我々に伝えた言葉は
「す…相撲」。
まさか!山口隊員は単身ブナガヤに相撲を挑んだのではないだろうか。ブナガヤに相撲を挑まれると勝っても勝っても相撲を挑まれ、朝になるまで相撲を取り続けさせられるという。
山口隊員はその犠牲になったとでもいうのだろうか?
魚の目玉を用意
悲しんでばかりもいられない。
山口隊員が相撲で命を落としたというのであれば、ブナガヤは確かに存在するのだ!
我々はぬくもりを失った山口隊員に別れを告げ、ついに罠を使ってのブナガヤ捕獲を行うことを決定した。
この罠でブナガヤを捕獲する
ブナガヤの好物は魚の目。我々が用意したこの「汁物用タマン」にきっと食らいつくはずである。
その瞬間、紐を引くことによりブナガヤを閉じ込める…原始的だが効果的な罠である。
万全の体制で時を待つ
茂みの中に身を潜め、息を殺してその時を待つ。ここまで来たら失敗は許されない。
非業の死を遂げた山口隊員のためにも…!
どれくらい待っただろうか。既に時間の感覚が無くなり、不思議な静寂のみがあたりを包む…。
…… 唐突にその時は訪れた。
破壊された罠と立ち去る生物
激しい音とともに罠が反応した。
紐を引くも、落ちてきた段ボールをものともせず駆け去って行く足音。
奴だ…。間違いない!
逃がさない…!
このまま取り逃がしてはならない…!
ここで力尽きようとも、我々の全ての力を使ってブナガヤを捕獲せねばならない。
ついに…!
恐るべき速度で逃げる生物に夢中で体当たりをする我々。
ついに…
ついに我々はブナガヤを捕獲することに成功したのだ。
ついに人類初、捕獲に成功したブナガヤ。その姿をご覧頂きたい。
「ぶなっしーなっしー。」
もう一度見て見よう
「ガジュマル汁ブシャー;:;:,*+」
お分かり頂けただろうか…?
捕獲成功
こうして見事捕獲に成功したブナガヤ。しかし、我々に一抹の不安がよぎる。
「この生き物ををどこかで見たことがある気がする…。」
この気持ちはなんだ。デジャブなのか。まさかここまで来てこの生物はブナガヤでは無いというのだろか。
カニかま
そこで我々は「カニかま」を用意。
蟹はブナガヤの好物であり、これを喜んで食べればこの生物をブナガヤと同定してしまって問題無いのではないか。
ぶなっしーイリュージョン
カニかまを差し出すと喜んで食べるブナガヤ。
少し口の位置に意表を突かれたが、間違いない…!本物のブナガヤである!
ついに我々は空想の生物では無いかと呼ばれたブナガヤとの接触に成功したのである。
ブナガヤと語らう
カニかまに気を良くしたのか、我々にかなり打ち解けたブナガヤ。
ブナガヤが語る所によれば、名前は「ぶなっしー」。兄弟は全部で274人おり、4男であるということだ。
ブナガヤと相撲を取る
好きなものは魚の目玉と蟹。そして相撲を取るのが趣味であるという。
語尾にはなぜか「なっしー」を多用していたが、ブナガヤの特製なのだろうか。
ブナガヤと写メ
短い時間だが、まるでブナガヤとは積年の友の様な関係を築くことができたようだ。
今ならいける…!
名残惜しいが我々は当初の「ブナガヤの捕獲」を行う事を決意した。
捕獲作戦遂行
すっかり人間に気を許して、小刻みな上下運動を繰り返すブナガヤ。
今なら捕獲することができるかもしれない。
捕獲
我々は一瞬の隙を突き、ブナガヤを捕獲した。
この貴重な個体は沖縄の生物誌にとって新たな1ページとなるとともに、これからの沖縄研究の礎になるであろう。
ヒャッハー!
その時である。
いきなり手応えが無くなったかと思うと、次の瞬間ブナガヤは世にも恐ろしい高さで跳躍したのである。
逃亡
我々をあざ笑うかのごとく、「ヒャッハー!」と鳴き声を残し、常識では考えられない速度で森に疾走していった。
そして夜の森へ
我々は失念していたのだ…「ブナガヤは心の清い人間にしか扱えない」ということを。
ブナガヤを捕獲する、という雑念を敏感に感じ取ったブナガヤは夜の森へと消えていった…。
こうして我々のブナガヤ捕獲作戦は失敗に終わった…。
しかし皆様、心に留めて頂きたい。