ピピピピピがブログを書きますよ。

運動もせず、ヘタレ顔でキーボードに手を置くピピピピピがブログを書く。野人の如き豪快さが欲しいね。

たった一つの些細な事に殺される

多くの人間は、「君って神経質だね」と罵られた経験があるだろう。一口に神経質といっても段階がある。例えばウサギ。ぴょんぴょん跳ね回っていると、すってんと転んでしまい、せっかく美しい等間隔で足跡をつけて来たのに、間抜けな型取りをしてしまう。「もう駄目ぴょん」と、暗黒のるつぼに入り込み、それこそ凍えてしまったかのようにぴたりと動きを止める。波打つ恥の感情に、神経をめためたにされてしまう。これが重度の神経質である。

初っぱなからウサギを跳ねさせたから、訳が分からなくなった方もいるかもしれないが、こういう憐れなウサギと似たような性質の人間も多いって事を伝えたかったのだ。いつもの道筋からちょびっとずれるだけで、精神世界が無秩序になり乱暴狼藉。自分の外に住む人間などお構いなしに泣き喚く、赤ちゃんアクションを行ってしまう。神経質とは、スラム街での寝泊まりと同じく危険性に溢れているのだ。

人生は予測不可能が渋滞を作る摩訶不思議交差点である

人生の中に含まれる様々な事柄。空の流れ、海の動き、動物の暮らしなどあらゆる事はチャラい女子大生のようなものだ。次々新たな動きを打ち出しては、様々な表情を見せつけてくる。人生のあらゆる事は、一定の自分を維持する事は絶対にしない。整形中毒、メガネマニアと同じく、常に変化を続けている。この変化は、過去に放送された変身作品(ジュウレンジャー仮面ライダーカードキャプターさくらなど)における変身シーンの回数を足した数など比較にならないほど多い。

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変化が僕らを苦しめる

予想だにしない動きのせいで、「もしかしたら駄目になっちゃうでしょ」などと悲観的な思考に明け暮れてしまう。神経質とは変化恐怖症とイコールでもあり、自らを固めて動けなくしてしまうセメントだ。行きすぎると、「シャープペンの芯がなくなったのに交換出来ない。何故なら、交換の最中に誰かが押してくるかもしれないからだ。よって、俺は使えるシャープペンがないので勉強は出来ない」と、やさぐれてしまう。こうなれば日常の人間らしい生き方が失われてしまい、弱体化に向けてまっしぐらだ。それこそウサギのようにぴょんぴょん万事休すへと跳ねて行く事になる。

どうしてたった一つに負けてしまうのか

神経質とは恐ろしいもので、対象が小人のように小さかったとしても、大きな悩みを抱いてしまう。頭が割れんばかりの痛みで正常に作動しなくなる。どうしてこうも過分なプレゼントを受け取らなきゃいけないのかと、にっちもさっちも行かない怒りが沸き上がるけれど、それは無用の長物で、更に頭の痛みを加速させるだけなのだ。書いていて思い出した。血潮が万歳三唱するほどに恋をした十八歳の頃の事を。

あれは、太陽も風も薄い存在感しかなく、稀にいないいないばあを仕掛けてくるような夏の日。僕の眉毛は薄かった。「この育毛剤効果ねぇな。詐欺しやがって。クレームの電話入れるわ」と、お怒り中のハゲと同程度の薄さ。何故なら、うだつのあがらない高校生活から、 いけいけドンドンな大学生活を送ろうと決めた僕は、カミソリを用いて自分で剃ったからだ。剃れば剃るほど左右のバランスが崩れてしまい、調整しようとするごとに薄くなり、いつしか眉は死んだ。そして僕は家から出られなくなった。チャットで出会った大好きなあの子との約束があると言うのに出られない。「眉毛のない奴だと思われたらどうしよう……」と、眉毛関係の悩みでいっぱいになったからだ。眉毛……眉毛というたった一つの事柄が僕の首を絞めて、行動を奪ったのだ。たった一つに負けてしまう……。眉毛が生えるまで三週間ぐらいは掛かりそうだと踏んだ僕は、恋していた女に嘘をついた。「犬がじいちゃんに連れて行かれた。取り返すために長万部に行かなきゃならないんだ。ごめん」と。それきり女の子とは連絡が取れなくなった。眉毛が僕の恋を潰した。たった一つの事に負けた夏の日——

僕の昔話から分かるのは、やはり人間は弱いと言う事だ。たった一つの小さな事柄にこれでもかと言うぐらい、タコ殴りにされる。些細な事であっても真剣勝負をかけなければKOされてしまう。

神経質な生き物としてどう暮らすべきか

僕はなるべく神経質から遠く離れた生き方をしようと思っているのだが、気付くと強制帰還されている。最近も、メール便が届くのが遅くて、「もしかしたら宅配箱から子供が盗んで行ったのかもしれない」と考え出すと止まらなくなり、アマゾンで夜でも使える暗視対応監視カメラを購入しようと思った。けれど、「もしかしたら子供が石を投げて壊すかもしれない」と、考え始めてしまい、残り少ないお金を出すのは辞めてしまった。「ここは危険だから引っ越そう」と思って賃貸物件を探していると、ドンドンドンと扉がノックされた。開けると宅急便の人。「ポストに入らなかったので」との事。あー、なぜ僕はこんなにもたった一つの事に時間も頭も心も費やしてしまうのだろうか。不思議でしょうがない。

神経質に対して神経質な戦いを挑む神経質な日々は終わりそうにない

 

大笑い! 精神医学

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