【社会】袴田事件の再審開始に静岡地検が即時抗告1966年に起きた袴田事件の第2次再審請求で、静岡地検は31日、死刑判決が確定していた袴田巌さん(78)の再審開始を認めた静岡地裁(村山浩昭裁判長)の決定を不服として東京高裁に即時抗告した。再審をめぐる審理は東京高裁に移る。 弁護団によると、地検は決定の決め手となった犯行時の着衣「5点の衣類」に付いた血痕のDNA鑑定について「弁護側鑑定は一般的に承認されていない独自の抽出方法で、血液由来のDNAだという根拠もない」と主張。試料も劣化し、正しい判定ができていないとして、再現実験を含めた再鑑定の必要があると申し立てた。捜査機関による証拠の捏造(ねつぞう)は「論理の飛躍がある」と訴えた。 地検は会見せず、西谷隆次席検事が「決定はDNA鑑定に関する証拠の評価などに問題がある。各種の証拠について合理的な根拠もないのに、警察によって捏造された疑いがあるとしており、承服できない」と文書でコメントした。 27日の地裁決定は、5点の衣類に付いた血痕のDNA鑑定で、衣類は袴田さんのものでも犯行着衣でもない可能性が高く、捜査機関が捏造した疑いがあると判断。刑と拘置の執行停止も認め、袴田さんは即日釈放された。 地検は拘置停止決定を不服として東京高裁に抗告したが、28日に棄却された。再審開始決定への即時抗告により、袴田さんが拘束されることはない。 (中日新聞) PR情報
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