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第五十九話

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 さまざまな反響の中で、やはり改善というものは存在する。

 

 たとえば、弓さん。

 彼女の霊衣がグッドマン女史とお揃いになった。

 意外にウルスラの制服が似合っているんだけど、水晶観音用の大型数珠が浮いてるんだけど。

 これはチームカラー的なものだと主張しているが、百合百合しいと評判だ。

 で、もう一人、気合が入るから特攻服、の一文字さん。

 彼女の霊衣も変わった。

 

 こう、物々しく。

 

 いや、特攻服で除霊という行為自体、異例だが、麻帆良においてはたいした違和感がなかった。

 が、一応常識人を自称するマスクドヒゲグラが注意したところ、黒のスーツでびっちりきめてきた。

 

「あー、一文字君?」

「気合いっす!」

「・・・わかった」

 

 というわけで、レディースからマフィアの構成員にジョブチェンジした一文字さんだったが、割と好評。

 

 女性陣からは「凛々しい」。

 男性陣からは「格好いい」。

 

 これにあわせてヒゲグラのマフィアイメージも、ずいぶんと下がり、町の強面探偵、という感じに落ち着きそうな方向だった。

 刀子もパンツスーツもいいかもしれない、と思うほどにハマっているようで、霊刀化した木刀の霊格も相まって評判がいい。

 

 モグリGSによる麻帆良進入の大半を、彼女の参加するチームが押さえている事実を考えれば、学園内での評判の上昇も知れるというものだった。

 で、魔法がぶっちゃけられた昨今、麻帆良への侵入者は不法侵入者として警察組織が引く受けることが出きるようになった。

 というか、実績としてオカルトGメンがしゃしゃり出てきた。

 これに喜んだのはルチ将軍、ではなく、学園長。

 MMのバックがあった頃ならばまだしも、今現在ではGSへの出費が厳しいのだ。

 さらに言えば、オカルトGメンサイドも野戦訓練としては申し分のない環境のため、両者の提携が満面の笑みで進められたわけだ。

 

 では、こうなると横島事務所の収入が減るかというとそうでもない。

 地道な鎮魂作業が埼玉県オカルト課に評価され、年次契約が交わされることになったり、麻帆良の圏外からも評判を聞きつけた依頼があるので、逆に忙しくなりつつあるとも言える。

 

 というか、実際は廉価版除霊楽器のパテントがもの凄いことになっているので、必死こいて稼ぐ必要がないだけでもあるのだが。

 

 そんな余裕ある活動の中、やはり霊能に関する訓練はするし、弟子入り希望者も後を絶たない。

 

 およそ武術関係は「ダンスチームYY」に流れているのだが、魔法・霊能関係は難しいとしか言いようがない。

 何しろ、すぐとなりにあった非常識、手に届く範囲にある非日常なのだ。

 学生の立場であれば手を伸ばしたいのは間違いない。

 まぁ、霊能に関しては簡単に断れる。

 現実、生きるか死ぬかの狭間の修行になるのだから。

 が、魔法はというと、こう、面倒。

 基本、卑怯結構メリケン粉を地でゆく横島事務所なだけに、裏道裏技に事欠かないのだ。

 ゆえに、才能があろうと無かろうと、一定のレベルまでの力を持たせることが出きるのだ。

 しかし、魔法魔法といってもリリカルなものではなく、どちらかと言えば「魔砲」と名付けた方が向いているような技術体系だ。

 おいそれと、ホイホイ渡せるものではない。

 いわば、三歳児にお誕生日だということでトカレフを渡すようなものだ。

 

 どういう事になるかは分かり切っている。

 

 そんなわけで、心理審査も含めた適正判断というものをコッソリすることにした。

 もちろん主役は魔鈴さん。

 なにしろ、駄目神の権能持ち。

 

 彼女の店が空く時間に集中協力してもらったものの、80%までが不適格判定になったのは仕方ないだろう。

 

 銃を持つべくして持ち、ソレを正しく扱える人間なんて本当に少ないのだ。

 そういう意味では、かの英雄の息子ネギ=スプリングフィールドも不適格分類されている。

 トリガーハッピーは危険なのだ。

 

 逆に意外にもナギは適格者であった。

 誰しも驚いたが、

 

「魔法? 殴り合いの方が楽しいだろ?」

「だよな!?」

 

 とまぁ、雪之丞と共にバトルモンガーっぷりを発揮したわけだが。

 

 とはいえ、真摯に頼む人間には弱い魔法先生などが顧問になって、初心者用の杖で朝練をするという「魔法部」何てものも出来たのは開放政策の一環だろう。

 ここでは横島事務所的な反則は行われておらず、真剣に本当に時間をかけた訓練になるので、羞恥心との戦いとなるのは請け合いであった。

 

 当然の事ながら、初心者はあの呪文を永遠に詠唱することになるのだから。

 

 そんな中、以前話に上った「封印校舎」が解放された。

 これは、麻帆良自身が魔法学校として設計されていた当時に建設されたもので、当時の古いものながら魔法教材などが死蔵されていたところであった。

 魔法生徒にとっては古くさい道具でも、初心者たちにとっては宝の山で、解放された封印校舎は「魔法校舎」として認識されることになったのだった。

 

 そんなわけで、魔法先生・魔法生徒が後塵の指導に当たることで空いた穴をオカルトGメンが埋め、そして横島事務所も出動するというかたちで、現在の麻帆良防衛戦は支えられていた。

 

 というか、ここまで公になっているのに、これでも不法侵入しようという手勢が減らないのも麻帆良らしいと言えるのかもしれない。

 実に残念。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 圏外除霊の主力の入れ替わりが始まった。

 

 今まで直接学園内研修だったコノカや刹那、クーフェイや楓が麻帆良圏外での除霊を直接行うようになったのだ。

 まぁ、外交というか駐在官の方々が暇をこいていたので、付いていってくれと頼んだら結構気軽に引き受けてくれたというのもある。

 

 このちゃんせっちゃんには小竜姫様。

 バカンフー、駄忍者には脳筋英雄、と実にバランスの取れた配役だけに、目的も知れる。

 

 このちゃんせっちゃんは華麗に除霊。

 脳筋チームは破滅に更地。

 

 目麗しい少女チームによる除霊は、周辺住民に人気。

 派手な破壊と豪快な粉微塵での解体不要の活動は、地元土建屋に好評だった。

 

「・・・扱いが酷い気がするネ」

「・・・せめて乙女扱いして欲しいでござる」

 

 勿論人員配置に気を使った結果であった。

 チーム横島か、チーム伊達か、そういうカテゴリーなだけである。

 

 まぁ、何のかんのといっても、どちらのチームも最終的には力押し。

 これは間違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 逆に、ユエが学園常駐になった。

 これは除霊楽器の関係もあるが、研修に来るオカルトGメンを隙あらば「剃って」良いことになっているからだ。

 この恐怖は、男性局員にしかわからないと西条。

 

 少なくとも、派遣された人員の1/3は部分的に剃られており、残りの2/3は戦場帰りのような気配を漂わせて帰って行っているそうだ。

 この錬度の高さを見て、警視庁でも研修を検討しているという話もあるが、希望者が皆無であることは明記しておく。

 逆に女性警官の参加希望者が少々見受けられるのは、何を目的としているかなど言わずもがな、だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 秋旅行で感じた「魔法部は体育会系になるに違いない」の発想は間違いないものであった。

 始めに体力ありき、の根性指導はどの魔法先生でも同じで、ネギが担当の際でも同じであった。

 

「というわけで、校庭十週でーす」

「「「「「ええええええ!?」」」」」

「腕立て20回デーす」

「「「「「ええええええ!?」」」」」

「うさぎ跳びデーす!!」

「「「「「ええええええ!?」」」」」

「重いコンダラでーす!!」

「「「「「それはネタだから!!」」」」」

 

 いろいろと悪い影響を受けている模様。

 

 とはいえ、術の効率的な伝達には定評があり、光をともす最初の魔法の発現は、ネギ担当のときが多かった。

 ゆえに、闘魂熱血路線も意味があるだろうと歯を食いしばっていたらしいのだが、エヴァ曰く、「何の意味もないぞ」の一言で暴動がおきたのは洒落で住む範囲だろう。

 何しろ、「あー、死ぬかと思った」と一分後に復帰できたのだから。

 

 着実に、ある方向に進んでいる息子と見て、満足そうに頷く父の姿があったとかなかったとか。

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