ここで気を付けたい点があります。
樹状細胞ワクチン療法において、WT1ペプチベータやWT1ペプチドなどを用いてCTL(キラーT細胞)が誘導できたとしても、それだけでは安心できません。
そこで、CTLの攻撃目標の分子が腫瘍に出ているかどうかを調べる“免疫組織化学染色検査”を実施する必要があります。大学病院などの臨床試験では、治療の適応を決めるために必ず行われる検査ですが、民間医療機関では必ずしも徹底されているとは言えない状況です。
瀬田クリニックグループでは、攻撃目標である分子(WT1、MUC1など)の発現状況を調べる免疫組織化学染色検査を実施し、患者さんにより効果的な治療が提供できるよう、治療前に適応を判断しています。
ペプチドあるいはペプチベータを使用する際は、がん細胞にCTLの攻撃目標が発現しているか、きちんと確認してから治療を実施することが重要です。
なお、今回、本治療の提供開始にあたっては独国ミルテニーバイオテクGmbH社からWT1ペプチベータの提供を受け、欧州・豪州・韓国・米国および日本で樹状細胞ワクチン療法の技術的特許(※)を有する株式会社メディネット(神奈川県横浜市)の技術基盤のもとで解析研究を行いました。その結果、WT1ペプチベータを用いた樹状細胞ワクチン療法が安全に実施可能であり、抗腫瘍効果を発揮するCTLを誘導することが確認されています。
(※)樹状細胞の能力を飛躍的に向上させる、ゾレドロン酸共感作技術(詳細はこちら)
MACS, PepTivatorはMiltenyi Biotec GmbHの登録商標です。