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除霊楽器の件は、親父とお袋が担当になったらしく、忙しそうに世界を飛び回ってるそうだ。
そんなわけで、現在、うちの事務所は通常運営に戻れたといえる。
唯一、常時待機状態の英雄様たちと小竜姫様は「アリ」なのか不安だけど。
それにかこつけてか、魔法世界からや神魔からの客人も多くて、一部営業にならん事もある。
たとえば・・・・
「ひどいんですよ、この横島君は・・・!」
毎晩へべれけでグチに来るシスターシャークティーとか、
「忠夫さん、私の資格を奪ってくれるんですか?」
毎晩迫ってくる千鶴ちゃんとか・・・
「横島ー! なんとしてでもあの楽器霊具、エヴァちゃんに使わせなさーい!」
と隔日で攻めてくる元上司とか・・・
そんな方々を迎えては宴会にする「英雄」ナギ=スプリングフィールドさんよ、あんた、ちょっとは働け!
「えー? おれは嫁に言われて連絡駐在員をしてるだけだぜ?」
「駐在しかしてねえだろ、おい!」
「へへへ、わりと適役だと思ってるぜ?」
嫁公認の休暇だと思っているのがめんどくさい。
この際だから海外からの取材とか受けさせるか?
有料で。
あ、あかん、美神さんが何かを感じて目を光らせた。
ステイステイ、落ち着かんとあかんよ?
「いま、なにか、濡れ手に粟なアイデアを思いついたわね、そうね!?」
なんであんたはそんなに金に対する嗅覚が凄いんだよ、ほんとうに!!
瞬間、ばばーんと事務所のドアが開く。
「寄付金の予感を感じて、ワシ、参上!」
最近、金策に無茶苦茶前向きになった学園長まで登場。
「ふふふ、横島君。無茶じゃない金儲けを考えたじゃろ? そうじゃな?」
あんた性格変わりすぎじゃね?
「ばかもの! 資金の宛がなくなった学園都市など、三日で干上がるわ!! 資金援助とてただではない。あらゆる影響を無視するためには金が必要なんじゃよ!!」
がおーー! と吠える学園長の言葉に、美神さんが賞賛の拍手。
なにか通じ合うものを感じてか、うんうんと頷き合っていたりする。
まぁ、濡れ手に粟な仕事って時点で、全うじゃないんだけどなぁ。
「そういえば横島君。先月の寄付金は感謝感激なのじゃよ」
ぶんぶんと両手をつかんでフリフリな老人。
「いえいえ、実際のところ、迷惑かけまくりですから」
麻帆良侵攻だの除霊楽器だのの騒ぎは、いたずらに麻帆良の地位を乱高下させすぎたもの。
「あとは、定期的な太線があればのぉ」
「そのへんは、ほら・・・・」
俺の視線の先にいた、すでに飲みつぶれているシスター。
「ふむ、しかしのぉ、優秀な人材を売ってでもてに入れてプラスになるかどうかじゃなぁ・・・」
「なりませんけどね」
「じゃろうなぁ」
あそこは、なんというか、絶対に手のひらが返る組織だ。
太いつながりがあればあるほど返ったときの被害が大きい。
だから、はじめからつながりを持たないのが一番なんだけど、向こうから手を伸ばされると払いきれない組織力があるのも面倒だ。
ま、そんな姿勢がイスラム系宗教に好評なのがまた痛い。
敵の敵は味方的な感覚は勘弁してほしいものだ。
つうわけで、コノエもん、そっちから資金は受けんなや?
「・・・申し入れがおおいんじゃよ」
「さすがに宗教大戦になったら、俺も事務所も逃げるぞ?」
「・・・太線なんじゃがなぁ・・・」
「受け入れるなら、平等に。それしかねえでしょ?」
横島霊能事務所という場所、最近は政治の表舞台になっている気がするな、うん。
所長、横島忠夫の影響力のせいか、自分のHPも会員制にしなくちゃいけなくなったし、やってるMMORPGのギルドにも政治色が濃い人間が増えてきたし。
はっきり言えば、本当のスパイ大作戦がネットの中で行われてるのが怖ぇ。
その事を横島さんに言ってみると、
「心底すまんかった」
と謝ってくれる。
ま、私自身も前の生活に戻れるとは思っていないので気にしちゃいないけど、さすがに中学生の危機意識じゃないな、とは思う。
「でもさ、千雨ちゃんも結構やりてだよね?」
「なんでさ?」
いろいろと取り戻して賢くなったアスナが私をのぞき込む。
「だって、六道のオカルトバイオ株で結構もうけたでしょ?」
「ぶっ、げふんげふんげふん」
な、何でそれを知ってる!?
「だって、私もその時に資金稼ぎして、奨学金を全部チャラにしたから」
・・・あー、すげーよ、アスナ。
おまえ、本当に抜け目なくなったな。
「あははは、まぁ、これも経験値によるところだしね」
軽く笑って見せているが、アスナの思い出された過去というのが凄い。
思い出すのもムカつくので反芻しないけど、聞いたときは倒れて血を吐くかと思った。
そりゃ、記憶を失ったアスナが高畑に惚れるわけもわかるわ、と思ったけど、それでも記憶を無理矢理消した高畑を結構軽蔑した。
バカベースの明るい性格は、その記憶消去のおかげなので、恨みはないよと笑うアスナだったけど、横島さんは一応いろいろと高畑と話はしたみたいだ。
どんな話だったかは分からないけど、本気で土下座をした高畑をみたので、それ以降は話題に出さないことにしている。
「んじゃ、まぁ、今度の年越し宴会は千雨ちゃん持ちで」
「なんでだ!!」
あはははは~と笑いながら去るアスナ。
そのまま雪広に引っかかって笑いながら会話。
・・・じゃなくて、雪広がアスナに抗議してる。
んー、あれか? ネギ先生の教育方針か?
なんつうのかな、ネギ先生。
来た当初は純粋無垢な子供って感じだったけど、最近は仮面品行方正って感じだよな。
良いこと正しいことをして、そのうらで「ふひひひひ」と笑ってる感じ。
そういう意味で同じ方向性なのが「ノドカ」。
こいつも黒々としたところを隠しつつ、品行方正に微笑んでる感じだよな。
「やだなぁ、そんなことないよぉ」
「って、人のモノローグを勝手にアーティファクトで読むんじゃねぇ!」
「これも訓練だよ、千雨ちゃん」
真っ黒な笑みで笑ってやがる。
本気でこえぇ。
ネギパーティーで一番はじめにつぶさにゃならんのは、やっぱお前だ。
この見解は英雄とも共通だからな。
割と本格的なファンクラブのある横島さんと伊達さんだけど、じつは二人ともその事実を信じていない。
何度か信じてもらえたかと思っているんだけど、再度聞いてみると忘れてる、というか嘘だと思ってるのが信じられない。
「あんなぁ、かずみちゃん。さすがに俺にだって嘘だってわかるぞ?」
「朝倉情報のガセを信じるほど落ちちゃいねぇ」
真っ正面からこれなんだからムカツくったらありゃしない。
そんなことを伊達ファンクラブにリークしたら、逆に怒られた。
「そんなことをして、カオリ様とぎくしゃくしたら雪之丞様が困るでしょ!」
思いの外、ファンクラブの連中は本気らしい。
で、横島さんのファンクラブは「そこ」がいいらしい。
自分に人気があるなんて、心底信じていないくせに人気がある人が妬ましい。
それどころか心底呪ってしまうほど羨んでるのにファンクラブの存在を信じられない。
そんなヒネクレ曲がっているところがいいとかマニアックすぎる。
GS関係の情報や、最近の世界情勢なんかについても把握していて、下手な情報機関並に話がそろってる。
聞けば、某コメリカやEU各国から情報提供依頼が来るらしいんだけど「会員以外に公開しない」方針であることを説明すると、バリバリの女ボンドが会員登録に来るというのだから本気の度合いがしれる。
卒業後の進路でCICやらDIAやらMI6がドラフトに来るというのが本当らしいと囁かれている。
というか、最近、両方のクラブ事務所に外国人が大過ぎなんだけど・・・。
「アサークラさん、いいじょうほうないですかぁー!?」
「あー、キャニー。あんたバッジ外してよ。さすがに情報部の少尉って人には話せないわよ」
「ふっふっふ~、この階級章がわかるのは、こっちがわですネ~」
ちくせう。
めんどくさいことになってきたなぁ、この学校も。
本業復帰と言うことで、霊的相談と巡回、そして夜間パトロールが再開されたです。
事務所員も少なくないし、一文字さんや弓さんも参加しているので学園内は問題ないのですが、私の派遣先が変更になったです。
「ここですか・・・」
見上げる建物は「GS協会本部」。
聞くところによると、会長職になった唐巣神父の要望で派遣変更になったらしいです。
このところコンビ状態だったチャチャゼロさんも一緒に来ましたが、剣呑な気配もなく暇そうです。
で、通された会議室には、なぜか義父様と義母様、そして白人の男性数人と会長。
「オイオイ、タダオヲダマシタノカ?」
「これは計略ですか?」
正直、AFの発動と緊急符発動の準備までしたところで唐巣神父があわてました。
「ま、ま、ま、まってくれ! 派遣は間違いなく研修だし、だましてない!」
「では、そちらの白人男性が日本国内で所持を許可されていない武器をお持ちな理由はなんですか?」
びくりと体をふるわせた白人男性は、両手をあげました。
苦笑いで忠夫さんのご両親が武装解除してゆきます。
「だから言っただろ? あの子たちは本当の戦争を生き抜けたんだ。そんなのお見通しだって」
「さ、私たちの勝ちよ。いろいろと呑んでもらうから」
どうやら、あの白人たちは私たちをなめていて、その際に賭をしたようです。
「ごめんんさいね、ユエちゃん。でも、あなた方が私の予想通りで助かったわ」
にっこりほほえむ義母様。
・・・結構、お腹が出てきましたね?
「ふふふ、久しぶりで、結構嬉しいのよ?」
というわけで、チャチャゼロさん、義母様の隣に立ってください。
「オウ、マカセロ」
というわけで、写メ。
この写真で事務所は大盛り上がり、と返信があったのです。
いやー、いい仕事をしました。
「あー、綾瀬君、そろそろ研修をお願いしたいんだが?」
あ、すっかり忘れていました。
よろしいでしょう、オカルトGメンで猛威をふるった綾瀬研修の開始です。
ところで、その白人の方々を「ソレ」ばいいですか?
「ウケケケケケケケ」
チャチャゼロさんも絶好調ですね。
横島のところの子が、仕事の依頼にきた。
何でも、横島事務所によからぬことを考えて近づいてきている人間の体毛だそうで、これを媒介に一族を呪ってほしい、とか。
「さすがに難しいワケ」
「では、これを使ってはどうでしょう?」
差し出されたのは、「アレ」だった。
「・・・これなら、確かにできるワケ」
というか、お釣りがくる。
「なにも無用の荒波をたてようとしているわけではありませんです。これは一罰百戒なのです」
まぁ、理解できるけどね。
で、どのレベル?
「まるまる三ヶ月、立つことも出来ないほどの風邪になりつつも、死なない、そんな呪いでお願いするです」
こわっ、本気で怖いわよ、この子。
一族全員で三ヶ月寝たきりの風邪って、絶対ニュースになって世界を巡るわ。
で、それが呪いで、その原因がしれれば必ず問い合わせがある。
で、その答えが世界を巡る頃には、手を出そう的が起きる奴らがゼロになるって話しね。
本当に正しい呪いの使い方だわ。
まったく。
なんでこういう優秀な子ばかりいるワケ?
この子も研修に来させたいぐらいなワケ。
というわけで、書き溜め分の「よこしまほら」放出は以上ですw
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