高橋尚之
2014年4月1日00時10分
国は1日午前0時、東京電力福島第一原発から20キロ圏内にある福島県田村市都路地区の避難指示を解除した。原発事故から3年余りで、国による避難指示が初めて解除された。
東日本大震災翌日の2011年3月12日、国は20キロ圏内に避難指示を出し、4月には20キロ圏外で放射線量の高い地域も対象にした。避難指示区域は11市町村に広がり、今も約8万人が避難を強いられている。
都路地区では昨年6月に国の除染が終わり、国に申請すれば長期の宿泊もできるようになっていた。1日の解除後は元の自宅に自由に住める。ただ、対象となるのは約360人。避難指示区域全体の0・4%にすぎない。また、住民が避難先での生活に慣れたことなどから、解除後にすぐ帰還する人は多くないとみられ、復興が進むかは見通せない。
国は7月下旬に川内村の一部地域(276人が対象)の解除を目指す。葛尾村、楢葉町、飯舘村、南相馬市、川俣町でも早期解除を検討している。一方で、原発が立地する大熊町や双葉町などは線量が高い地域が多く、解除のめどは立っていない。(高橋尚之)
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