NZのお札は何でプラスチックなんだろう?

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ニュージーランドに初めて来たとき、すごく驚いたことがありました。

それはお金、お札の方がプラスチックみたいだったことです。
最初、旅行で来たときは「プラスチックみたいだなー」程度だったんですけど、ワーホリで再び戻ってきたときに誰かに「ニュージーランドは10年くらいプラスチックのお札を使ってるんだよ」と教わって「へーーー!」と思いました。

ところで何でニュージーランドのお札はプラスチックなんでしょう。

今日はそんなプラスチック紙幣にまつわる話です。

プラスチック紙幣が使われている国

ニュージーランドは1999年からプラスチック紙幣を導入しています。
この紙幣を世界で一番最初に導入したのはニュージーランドではなく、お隣の国オーストラリアでした。ニュージーランドが導入するさらに7年前の1992年からプラスチック紙幣を導入し始めて、1996年に全面改定を行いました。

ちなみに流通紙幣としてでなければプラスチック紙幣が世の中に姿を初めて見せたのは、今から26年前1988年に記念紙幣としてオーストラリアで発行されたのが最初です。プラスチック紙幣の開発自体がオーストラリアの銀行で行われたそうです。

現在では8つの国と地域ニュージーランド、オーストラリア、バミューダ諸島、ブルネイ、カナダ、パプアニューギニア、ルーマニア、ベトナムですべての紙幣がプラスチック紙幣になり、他数十の国で一部の紙幣がプラスチック紙幣に移行しています。

そもそもプラスチック紙幣って何?

上ではずっとプラスチックと書いてますが正確にはポリマー紙幣と呼ぶそうです。
まぁ、でもポリマーって何?という感じもするので、このままプラスチック紙幣という言葉を使っていきます。


This photo was taken by Ars Electronica
ゴミ袋のプラスチックとか下敷きのプラスチックとか同じ素材のようです。

そのプラスチックを紙の代わりに使う国と地域が上でも書いたとおり増えてていると言われています。

なんでプラスチックにしたんだろう?

過去に紙幣は、言葉の通り「紙」を使ったり、「布」や「皮」なども使われていました。でも結局さまざまな理由で紙に落ち着いてきました。

ところが今では、いくつかの理由でプラスチックで作るのが一番良いのでは?と言われています。

どんな理由かというと

偽造を防げる
カラーコピー機の急激な進化で誰でも簡単にお札っぽい物を作れてしまう世の中になりました。でもプラスチックに印刷するのは相当大変です。さらに透かしなどを考えると偽造することがかなり難しくなります。

製造しやすく、リサイクルもしやすい
紙よりも丈夫なプラスチックは製造過程で破けにくく、さらに紙よりも大量生産に向いているそうです。
しかもプラスチックは古くなったお札を次のお札にリサイクルすることができます。

紙のお金の致命的弱点「水」に強い
紙のお札はとにかく水に弱いです。洗濯したら、もうグシャグシャ。
ところがプラスチックのお金は濡れても全然平気。ということはお札がダメになりにくいってことです。


This photo was taken by zipped06

寿命が長い
紙と比べたときプラスチックのお金は寿命が2倍以上です。

とにかくエコなお金

まったく新しいお金を導入すると言うことは、現金を数える機械とか自動販売機などを全部新しくしなければいけないので、社会的に一見ものすごくたくさんのお金を出費しなければいけないように感じます。

ところが、長い目で見たときどっちが安くなるのかと言ったら、プラスチック紙幣の導入なんです。
製造ロスが少なく、そももその製造費も安く、リサイクルができて、耐久年数が2倍であれば、数年後には最初に機械を導入する金額よりコストを抑えられるそうです。

個人的にはこう思う

いろんな国のお札を見たり触ったりして、日本のお札は世界でも有数の品質が良いお金で好きなんですけど、お札は何十年かに一度変える周期があるので、そのタイミングでプラスチック紙幣に替えるのはありだと思います。

でも、もう1歩進んで考えたとき、個人的にはすべて電子マネーで良いんじゃない?という気もします。

ニュージーランドはプラスチック紙幣も使っていますが、買い物をした支払いを銀行の口座から直接引き落としてくれるデビットカードのシステム(EFTPOS)がほぼ100パーセントのお店で使えます。

実際、人にも寄ると思うんですけど現金で支払いをすることって1年に数回しかないんじゃないでしょうか。
あとは路上駐車するときの支払いは未だにコインを使ったりしますけど、それ以外はEFTPOSでほとんど問題ありません。

現金なんてお財布にいつも10ドルも入ってないかも?という感じです。

そもそも「物質としてのお金」というものを頼るのを止めて電子的なものに完全に移行した場合、資源とか工場の人件費とか、ATMとか全部いらなくなってしまいます。
そうすると、それで食べていた人たちの仕事とか、物質としてお金がなくなる問題点、たとえばセキュリティーとかもいろいろあるのかもしれません。

でも、きっと将来はどこかのタイミングで、「もの」としてのお金はなくなるんでしょうね。

そういう意味でニュージーランドはEFTPOSの普及率を考えたら世界に先駆けて「紙幣のない国」になったりしたら、面白いかもしれないなーなんて思ったりします。

皆さんは紙幣をなくすことについてどう思いますか?

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