東京大は31日、教授就任の祝儀として知人から現金100万円を受け取ったなどとして、50代の男性大学院教授を28日付で諭旨解雇処分にしたと発表した。知人は金を渡した翌年に東大の大学院を受験。男性教授が試験委員を務めたが、不合格だった。
東大は「問題を漏らしたり便宜を図ったりした事実は確認していないが、入試の公正性や厳格性に疑念を生じさせた」としている。知人のプライバシー保護を理由に、教授の所属や氏名のほか、知人との関係についても明らかにしていない。
東大によると、男性教授は2010年に教授となり、知人から100万円を受領。その後、知人が大学院の受験を希望していると聞いたが返金せず、11年の入試を受験するよう助言した。さらに入試で便宜を図ることを示唆する内容のメールも送っていたという。
だが出願時期になると態度を一転させ、大学院への入学が難しい旨を伝えた。知人は11年秋に大学院を受験。教授は口述試験の試験委員として質問し、採点にも関わった。不合格となった後の12年6月、知人が東大の相談窓口に届け出て、現金の授受が発覚した。
東大の教職員倫理規程は利害関係者から金銭の贈与を受けることを禁じている。東大の羽田正副学長は「教職員としてあるまじき行為で決して許されない。このような行為がないよう再発防止にあたる」としている。
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