小さな旅「深き雪にぬくもりあり〜長野県 栄村〜」 2014.03.01

(テーマ音楽)
しんしんと降る雪
暮らしは深い雪の中です
長野県の最も北にある栄村。
深い影のような千曲川は蛇行を繰り返し新潟へと流れていきます
(踏切警報音)
長野市と村をつなぐ鉄道JR飯山線です
真っ白い。
この雪の景色ってさそう変化はないんだけど飽きないな。
ず〜っと見てても。
何ででしょう?
村の中心森宮野原駅です
あ〜っ!東京から4時間だよ。
長野から1時間半も。
やって来たという感じだ。
あの塔読める?「日本最高積雪」。
7m85cm。
昭和20年2月12日。
JRの駅構内に積もった雪としては国内最高を記録しました
栄村は日本有数の豪雪地です。
日本海からの湿った空気が山々に当たり大量の雪を降らせます
今年は1月の末で2m積もりました
何度も雪かきに追われていました
すみませんこんにちは。
ご苦労さまです。
すごい降りですね。
また降ってきて。
今年おいくつですか?79。
ず〜っと栄村?そうです。
じゃあもう80回近く雪は見てるんだ。
そうです。
雪を生かした暮らしの知恵があるといいます
何が出るの?
「でごつぐら」と呼ばれる天然の冷蔵庫です
「でご」はこの地方では大根。
秋に収穫した野菜を藁の籠に入れ雪の下で保存しておきます
あ〜らららら…。
何ともなってない。
新鮮なんだ。
湿度と温度が一定に保たれるため春先まで取れたての状態で保存できます
野菜はいつも多めに取り出し近所にお裾分けに回ります
かあちゃんニンジン持ってきたすけ食べて。
ニンジン持ってきたから食べて。
ああすみません。
こっちのばあちゃんがいっぱいあるのを私がもらったりお互いに。
このおばあちゃんコンニャクを煮るのが上手でさ自分でコンニャクを煮たの持ってきてもらったりリンゴがいっぱいあるからっていっぱいもらったり助け合いをしてます。
互いに支え合う冬の暮らしです
雪の中やって来たのは「雪害救助員」と呼ばれる村の男たちです。
お年寄りの家を回り雪下ろしをします
こんにちは。
屋根の雪掘りに来たで。
すみません遅くなって。
お願いします。
よろしくお願いします。
今日は天気悪くて申し訳ない。
大丈夫だ。
すみませんお願いします。
はいどうも。
皆村に住む大工さんや農家の人たち
冬の時期だけ臨時職員として村に雇われています
雪害救助員は総勢17人。
3人ほどのチームに分かれお年寄りの家を豪雪から守っています
雪が多くなるこの時期は休みの日曜日も出動します
大助かりですよ。
今年みたいに12月から降ったでしょう。
もう4回目だから。
助かってますよ。
去年から雪害救助員に加わった…
米を作る専業農家。
冬の間はこの仕事で収入を得ています
救助員の多くは50歳以上。
斉藤さんは最年少の31歳です
高校を卒業したあと働き口を求めて村を離れていた斉藤さん。
4年前自然の豊かさと人の温かさが忘れられずふるさとに帰ってきました
何かこう不思議なんですよねこの栄村という所が。
こっちもすんなり入っていけるし向こうも受け入れてくれるし。
狭い小さな村だというので「あそこの地区の息子だよ」と言えばすぐそれで分かっちゃうんですよね。
それで一気に親近感がわいてきて溶け込んでいくのかなというふうには思いますけどね。
雪下ろしで回るお年寄りの家は161軒。
一日に3軒が限度です
栄村はあの3月11日の翌日震度6強の地震に見舞われ202戸が全半壊しました
仮設住宅には今でも2世帯が暮らしています

救助員総出の雪下ろし。
支え合い少しずつ前に向かう暮らしです
開通以来83年走り続けてきた飯山線
この駅を守り続ける人がいます
ありがとう。
すみません。
いってらっしゃい。
旧国鉄の時代から委託され30年横倉駅の駅長を務めてきました
駅で迎える列車は1日16本です
ありがとう。
はいありがとうございました。
列車は大雪で遅れる事もあります
ありがとうございます。
すみません。
(上倉)ブラックで大丈夫か?ブラックでいいの?何か滑りそうだったのか。
今日ちょっと車が来るのが遅かったので。
今の時期滑りそうなんて言っちゃ悪いよな。
(一同)ハハハハ!
建て替えられたばかりの駅。
前の駅舎はあの日の地震で大きな被害を受けました
上倉さんが季節ごとに花を植え乗客たちの憩いの場となっていた花壇もなくなりました。
上倉さんも家を失いました
およそ50日後列車が復旧すると避難先から横倉駅に通い続けました
これがあったから励みにもなったのかな。
やっぱり何もしないで仮設住宅へいるという事じゃなくてまたここへ来れば皆さんと会えるというような事もあったからねそれも一つの励みだったかもしれないですね今考えるとね。
時折上倉さんを訪ねて駅にやって来る人がいます
おじさん。
おめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
ここに来ては長い時間を過ごします
南雲さんは20年前東京から栄村に嫁いできました
雪深い見知らぬ土地で行き場のなかった南雲さん。
列車が好きだった幼い子供を連れて駅に毎日通いました
何気ない会話の中に上倉さんは近所づきあいの習慣山菜の採り方などを教えました

人が行き交い心が通い合う駅です

午前3時
子供たちが雪道を練り歩いてきました。
小正月のお祭り道陸神です
15歳までの子供たちが地区の全ての家を回り厄を払います
「おんべ」と呼ばれるクルミの木。
神の依代と言われています
(子供たち)よ〜っ…出せ!
床をおんべでつつき「出せ出せ」と災いを家の外に追い出します
新婚夫婦の家にやって来ました
(子供たち)出せ!よ〜っ!
この土地になじんでもらおうという願いを込めて新妻がつつかれます
よいしょよいしょ。
夫には…
よ〜いしょっ!ありがとうございました。
おめでとうございました。
新たな家族を歓迎し村人たちの幸せを祈る。
にぎやかな声が明け方まで響きます

千曲川の穏やかな朝です
雪害救助員の斉藤充紀さん。
出勤前の家族との時間です
同じ長野出身の裕美さんとはおととしに結婚
去年長女のかん奈ちゃんが産まれました
あんまり仕事の話しないんですけど高い所に登ったりという事も後から聞いたりするんですよ。
「実は今日は…」みたいな。
心配ですけどまあ頑張ってくれてるので「頑張って」としか言えないですけど。
やっぱ自分がやらなきゃ誰もやる人がいないんでそこは責任感を持ってやりたいなとは思うんですけど。

(斉藤)おはようございます。
重子さん屋根の雪掘り来たんでまた外出ねえように気を付けて下さい。
はい。
この日は1人暮らしの月岡重子さんのお宅です
寒いやねご苦労さんです。
いえ。
お願いします。
はい。
お茶にしてくんなかね。
斉藤さんもみんなお茶にしてくんなかね。
遅くなってすみません。
ありがとう。
助かるべね。
ほんとにこの人たちから来てもらわなけりゃとってもここには住んでいられないね。
一人やなんかじゃね。
おじゃまします。
(月岡)お茶が遅くなってすみません。
冷えた体に熱いお茶
はいいただきます。
郷土料理のあんぼです
お〜うまそうだな。
炒めた野沢菜などを米粉でくるんで焼いたもの。
それぞれの家庭で受け継がれてきたふるさとの味です
かあちゃんうめえ!ばあちゃん生きてた頃よく作ってたけんね。
朝飯の代わりにね食べる。
かあちゃん斉藤さんなこっちの方の班に来てもらっていいあんばいだったよな。
(月岡)ほんと助かるね。
かあちゃんが100歳以上になるまで大丈夫。
(月岡)100歳になるまで大丈夫だ。
ハハハハハ!お世話さまでした。
(月岡)ご苦労さまでした。
ありがとうございました。
あ〜きれいになった。
よかったよかった。
また次の家へ
雪が積もるほどに互いを気遣う思いが深まります

(テーマ音楽)
(テーマ音楽)2014/03/01(土) 05:15〜05:40
NHK総合1・神戸
小さな旅「深き雪にぬくもりあり〜長野県 栄村〜」[字][再]

長野県栄村。昭和20年のJR駅構内での日本最高積雪量の記録標柱が残る豪雪地。飯山線の駅を守る駅長。高齢者の家を回る雪害救助員。支え合い暮らす人々に出会う旅。

詳細情報
番組内容
長野県の最北端、栄村。冬、日本海から吹きつける風が山々にぶつかり、大量の雪が降る。飯山線・森宮野原駅には7m85cmという、昭和20年に記録したJR駅構内での日本最高積雪量を示す標柱が残る。雪の中、人々は、互いに助け合って暮らす。高齢者の家を回る雪害救助員。人々の足となる飯山線・横倉駅を守る駅長。絆を深める祭り、道陸神(どうろくじん)。長く厳しい冬を耐えながら、相手を思いやる心が根付く村を訪ねる。
出演者
【語り】国井雅比古

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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