『金曜ロードSHOW!』をご覧の皆さんこんばんは。
櫻井翔です。
宮あおいです。
今夜は『神様のカルテ』を放送します。
舞台は医師不足に直面する地方の病院。
私が演じました医師栗原一止が1人の末期がん患者と出会い寄り添うことで成長して行く物語です。
私は一止さんを優しく見守る妻榛名を演じました。
人を救うにはどうしたらいいか終末医療や地域医療の問題など命について考えるステキな時間にしてほしいです。
一止さんが深い愛情で命に向き合います。
その姿には誰もが心を打たれます。
(一止)手からどんどんこぼれ落ちて行く。
命がこぼれ落ちて行く…。
それでは皆さん…。
最後までごゆっくりお楽しみください。
(救急車のサイレン)
(救急隊員)橈骨の振れも弱いです。
(松川)佐川さんまだ痛みますか?
(栗原一止)当たりですST上昇下壁のMI。
(外村)すぐ循環器ドクターに連絡とって栗原先生につないで。
軽症者はいったん手を離して栗原先生のベッド優先。
ニトロペン舌下でアスピリン内服。
(外村)富山さんまずルートとって心カテの準備よろしく。
DOAと塩モヒの準備もお願いします。
(緊急コール)海野先生お願いします。
今から心臓の検査しますからね。
(海野)自宅で倒れた48歳男性胸痛後ダイセクションの疑いです。
ダイセクション…。
先生。
『信濃大』にお願いします。
(海野)うちじゃ受けられません『信濃医大』に搬送お願いします。
(扉が開く音)
(事務員)栗原先生電話です。
消化器内科の患者を1人受け入れてほしいそうで…。
(松川)循環器の西田先生です。
はい。
海野先生終わったらこっちを。
はいお電話代わりました栗原です。
(シャッター音)
(シャッター音)
(砂山)さすが引きの栗原また大当たりだって?俺が当直の日はお前の半分も来ねえのに。
(貫田)栗ちゃんが当直だと1.5倍は儲かるねぇ。
受け入れを拒否した患者もおりました。
(貫田)仕方ないねぇ三次の患者さん?ダイセクションです。
(砂山)ここじゃ何にもできねえよ。
24時間365日対応の救急医療。
しかし現実は365日毎朝当直医と研修医があちらこちらで転がっている。
(水無の声)400号室の田川さん痛みが強いみたいなんです。
ああ…モルヒネの効きが悪い。
(水無)増やしてあげてください。
それには及ばない。
痛みがやんでも呼吸まで止めてしまっては意味がない。
(水無)じゃあ…黙って見てろっていうことですか?
(水無)私はずっとそばにいるんです。
時々来てすぐ帰ってしまう先生とは違う。
田川さんのことを分かってない。
危ないなぁ…。
君の担当はあの患者だけではないはずだ。
1人の患者さんにこだわってると危険だ。
他の患者さんにも迷惑が掛かる。
(水無)どういう意味ですか?ひいきなんかしません。
先生みたいに事務的に患者さんと接するなんて私はできません!
(東西)・水無!・
(東西)先生に八つ当たりすんじゃないの。
主任あのでも…。
そばで背中をさすってあげることしかできない時もあんの。
無力な自分を認めないと続かないよこの仕事。
ほら行った。
そんな顔で病室入るんじゃないよ。
(ドアが閉まる音)
(東西)許してやって初めてなの末期がんの患者さんをみとるの。
東西。
ん?事務的に見えるか?新人の言うこと気にしてどうすんの。
昼飯は?行く?まだなら付き合うよ。
誘ってもらって光栄だが私は妻のある身だ。
そのての申し出は断ることになっている。
冗談で言ってないところがすごいよねあんたの場合。
そんなんだから変人だって言われんのよ。
早く夏目漱石の世界から出て来なさい。
どこのどいつだそれを言っているのは。
私が漱石を読もうが芥川を読もうがお前の知ったことではあるまいに。
知ったこっちゃないわよ本当に。
あ〜イライラする。
こっちはね同期として心配してあげただけ。
ホント手がつけらんない。
私は妻のある身だ手などつけんでよろしい。
変人。
《田川仁さん62歳すい臓がんの男性》《発見時には全身への転移が見られ抗がん剤の使用を諦めた》《2週間前に入院》《古ダヌキ先生の指示でモルヒネの投与を始めた》《2日前から激痛があり骨に転移したと思われる》《モルヒネの量を増やす》《…がこれ以上の急激な増加は呼吸を止め死に至る心配がある》《慎重に薬剤の調節をする》《午後5時20分ようやく調節した薬剤の効果が認められた》痛みはどうですか?
(田川)ありがとう…先生
(田川)悪いね《田川さんの笑顔が目に焼きついた》ただいま。
ハァ…。
ハル?
(栗原榛名の声)「イチさんへお疲れ様です撮影に出かけます」。
撮影か…。
(榛名の声)「それと結婚記念日おめでとうございます。
また1年間よろしくお願いします」。
結婚記念日…。
《何たる失態…》リカちゃん。
こんな所で何やってんの?検査はいいの?また看護師さんに怒られるよ。
(リカ)模様。
模様?どれ?ここ見て。
ねぇちゃんと見て。
あ〜ホントだ。
(リカ)何に見える?
(小森)・リカちゃん!・
(小森)先生捕まえて!廊下は走らないように!
(着信音)はい。
《9月7日午後3時15分400号室の田川仁さんが亡くなられた》《すい臓からのがん細胞の転移が予想より早く骨へ転移した際には使い得る薬剤を全て試みた》《モルヒネの調節に成功し最後の3日間は安らいだ時間がつくれた》《しかしいまわの際で家族から申し出があった》《到着が遅れているご家族のために心マをする》2324252627282930!ハァハァ…《この状況下での延命治療は患者を植物状態にさせる危険を伴う》《家族が全員そろうまでの間約30分の心マを続け肋骨が全部折れた》《一体お前は何をしている》悲しむのは苦手だ。
・イチさん・・おかえりなさい・ああ…。
何か…悲しいことがありましたか?案ずるなこれが私の仕事だ。
突然ですがこれから神社まで行きましょう。
(神社の鈴を鳴らす音)
(かしわ手)長いお願いだ。
イチさんが背負い込んだ荷物を軽くしていただくようにお願いしました。
ありがとう。
帰りましょう。
あ…。
忘れてた。
おかえりハル。
ただいまイチさん。
(男爵)いるんだなぁ初めての結婚記念日を忘れる男が。
面目ない…。
(学士)我らの榛名姫を独りぼっちにするなんて万死に値しますね。
ありがとうございます。
でもちゃんと怒って来ましたから。
南アルプスに向かって「栗原一止のバカ〜!」って。
(男爵)叫びましたか。
はい。
「バカ〜バカ〜バカ〜…」ってコダマが何度も。
何度も?
(男爵)それはいい実に愉快だ。
面白くない。
私は遊んでいたわけではないんです。
(学士)加害者の論理なんて聞きたくないね。
(男爵)そう君は望んで働いてるわけだからね。
それは理由にはならない君はそのうち細君に逃げられる。
2人も一度社会に出てみるといいんだ。
そうすれば男爵も良い絵が学士殿も良い論文が書けるやもしれぬ。
(男爵)あいにく私はそれを望まないんだ。
左に同じく。
そもそもドクトルの言う社会とは何です?社会とは…普通に社会です。
(学士)社会とは人と人とのかかわり合いを指すんです。
ドクトルは病院の中のつながりが全てでありそれが正しいと思ってるでもそれは間違ってます。
僕は僕で昔から社会に出ています。
ドクトルは頭の中で僕の社会を見下してるわけだ。
そんなことではない私の言いたいところは…。
(学士)いいやそんなところです認めるべきだ心のしんで僕達よりも優れているつもりでいる。
学士さんお電話です。
(学士)は〜い…誰だろう?どうしました?何でもない。
口げんかで学士殿に勝る人間は私らの社会にはいないんだ。
(男爵)誰からです?よく分からないんですけど女性の方からでした。
(一止:男爵)おんな…?
(職員)おはようございます。
おはようございます。
(貫田)おはようございま〜す。
「研修のご案内」。
貫田先生妙なものが届いておるんですが…。
(貫田)ん?『信濃医大』の消化器内科から研修の案内が来ています。
(貫田)行って来れば?申し込んだ覚えはないのですが。
僕がお願いした。
先生にお願いした覚えはありませんが。
そうね。
私を『信濃医大』の医局で働かせたいんですか?ん〜…ただね見といでよ。
(学士)ドクトルは医局へ行ったのか。
はい。
(男爵)時々耳にしますが医局とは何ですか?医局とは医大の各科の教授を頂点とした組織です。
日本では大抵の医者は医局に所属しますがドクトルのように医局に所属してないドクターはアウトローだといわれてます。
(男爵)ふ〜ん…。
(大島)検査室には60人の技師がいて24時間体制で稼動しています。
外来で患者から採血された検体は自動搬送システムで検査室に運ばれこの血液検査システムで分析されます。
自動血球分析装置『XE−5000』が2台1時間当たり最大300検体の処理能力があります。
採血量の少ない新生児や小児の検体にも対応できます。
これは日本で最新鋭のシステムですね。
(大島)この先は救命救急センターです。
ここでは普段から識別救急を実施しています。
命の危険がある三次救急の患者は赤二次救急の患者は黄色軽症の患者は緑の部屋に振り分けて治療します。
救急外来のスタッフは何名で行うんです?医師と研修医含めると25名くらい。
看護師はその倍かな。
25…。
聞いてますよ本庄病院は医師と研修医の2人で夜間救急をされるんでしょう?それであの数を処置するんですから皆さん優秀なんでしょう。
(大島)また患者は仕事を抜けられない状態にあり長期入院はできません。
(外科医)早期発見したんです切り取りましょう。
(大島)その他の方法はいかがでしょうか?
(高山)オペの前にワントライしましょう。
(高山)内視鏡による粘膜下層剥離術で。
(外科医)内視鏡で切除するには病変が大き過ぎませんか?
(高山)患者さんの身体的負担をどう軽減するのかそれを考えるのも我々の大事な使命です。
(高山)・栗原先生?・あ…。
本庄病院から研修でまいりました栗原と申します。
聞いてますよ。
貫田先生は元気でやってますか?え?彼は…大学時代の悪友です。
貫田先生と…。
《古ダヌキ先生の学生時代…》《想像できない…》
(高山)外来の診察もやって行きますか?あ…はい。
(鈴を鳴らす音)
(かしわ手)
(安曇雪乃)近所の病院から手術は難しいって言われました。
それでこちらに伺うようにと。
(咳払い)今日はお連れの方は?いません家族おりませんから。
親戚の方はおられませんか?いません。
病気のことは何て聞いていますか?胆のう…がんです。
先生…手術していただけるんでしょうか?どうなんでしょうか?外科の先生とも相談してみます。
はい…。
腫瘍は肝門部に浸潤が見られます。
これは厄介な場所ですね。
(外科医)オペするにはリスクが高過ぎます。
内科的にはどう考えてますか?はい抗がん剤による治療を考えています。
まずはゲムシタビンとシスプラチンによる併用療法です。
(職員)お疲れさまでした。
《安曇雪乃64歳女性胆のうがん》《病変自体は大きくないが場所が悪い》《地域の病院で手術がかなわず患者本人は『信濃医大』での手術を希望している》乳頭部見つけました。
チューブください。
(高山)見せていただきましたよ。
AOSCが発症していたので胆管ドレナージを行いました。
どうして乳頭切開をしなかった?患者さんは高齢でDIC傾向があります。
切開による出血のリスクを考えました。
(高山)さすがは貫田先生仕込みだ技術も判断も申し分ない。
先生よかったら10月の内視鏡セミナーに参加してみませんか?小さな勉強会ですがドイツからウォルドリング教授がいらっしゃる予定になってますどうですか?聞いたぞ教授に気に入られたんだってな。
大学病院ってのは噂が早い。
誰が誰に気に入られたとかこのての噂は特に回りが早い。
来年はお前が消化器内科に入局するって噂だ。
もちろん俺も歓迎する来年はこっちで仲良くやろう。
それコーヒーの味するんですか?飲んでみるか?高山教授は内視鏡の世界的権威だが臨床も手を抜かない院内の誰もが一目置く存在だ。
そしてめったなことでは人を褒めない。
その教授がお前を褒めた。
すごいことなんだぞこれは。
学士さんのお母さん何かあったんでしょうか。
彼もここを出る日が近いのかもしれません。
(看護師)次の患者さんです。
はい。
・こんにちは・いいですか?あっはい…どうぞ。
あと半年って言われちゃった。
何を?余命。
もう治療法がないからあと半年だから好きなことして過ごしなさいって。
あそこでそう言われたんですか?好きなことって…。
何したら…いいんだか…。
迷惑ですよね。
こちらでも診ていただけないわよね。
次の外来いつにしましょう?はい!ありがとうございます。
《バカ野郎…》《特別な症例でない以上治る見込みのない患者をみとるのは大学病院の仕事ではない》《安曇さんの場合手術はできないと診た時点で道が決まっていた》《私がそれに気付かなかったために…》
(足音)栗原先生すいませんでした!田川さんのことで私失礼なことを言ってしまって…。
すみませんでした。
亡くなる前の1週間病院に泊まり込んで緩和ケアをされていたって東西主任から聞きました。
(水無)私恥ずかしいです。
私なんて勤務の時だけ働いて終わったらすぐ帰ってるくせに。
当たり前だ。
看護師まで寝ずに働くようになったらそんな病院怖くてやってられん。
よく分かりました。
結局皆さんの足を引っ張ってただけなんですね。
君が田川さんのそばにいる時緊張がとれてよく眠れたようだ。
私にはできない役割だよ。
要するに君は大したものだった。
田川さんにとって結局とか結果的にとかそんな言葉重要じゃないよ。
お食事中申し訳ありませんありがとうございました。
・大切な本じゃないんですか?・
(学士)姫か…。
いい本なんですけどねもう僕に用はありませんから。
この本もらってもいいですか?イチさんが好きなんです。
ドクトルか…。
僕らの中で夢をかなえたのはドクトルだけでした。
(学士)医学生の頃僕らは「泣き虫ドクトル」ってあだ名をつけてよくからかいました。
僕らには知られまいと門の前でよく泣いてたな。
そんな時はね酒を飲まして聞き出すんです。
実習で看護師さんに怒られて泣いてた。
臨床実習で死亡確認に居合わせた家族を見て泣いてた。
難病の患者さんと話をして泣いてた。
笑ったのが朝学校に行く時泣いてるんです。
理由を聞くと今日は動物実験があってどうしても殺せないって言うんですよ。
(学士)そんなドクトルが泣き虫を返上して立派な医者になった。
泣いてますよ今も。
ただ涙を流さなくなっただけです。
うちの畑で採れた野菜です先生に。
(看護師)ありがとうそこのカゴに入れといてくださいねは〜い。
大きく息を吸いましょう。
え?《本庄病院は町から離れた診療所に医師を派遣している》《私の場合は週に一度山深い地域の診療所を診て回る》吸って。
は?大きく息を吸ってください。
お疲れさまです。
どうも。
(看護師)・栗原先生ですか?・あっ先生本庄病院からお電話です。
もしもし。
(東西)あっ安曇さんが下血して救急搬送されて来た。
バイタルは?血圧は90の40脈拍108意識レベルはクリア。
血算と生化学をとって輸血の準備必ず50分で戻る。
それまでは砂山ドクターの指示を仰げ。
(砂山の声)前のCTと比べてみたが同じ患者のものとは思えない腫瘍が増大してる。
大腸の壁に浸潤してそこから出血したんだ。
半年どころかもう1か月ともたないぞ。
どうする?考えます。
考えたところで治療法はないぞ。
治療法を考えるんじゃありません。
本人に…どう話すかを考えるんです。
顔色悪いわよ。
先生どうして血が出ちゃったの?私なら大丈夫何でも話してください。
胆のうがんが予想以上に大きくなって大腸の壁を突き破っています。
昨日の出血はそのためです。
そう。
どうしたらいい?現時点では経過を見ざるを得ません。
ここに…置いてくれるの?それでも私ここに置いてもらえるの?もちろんです。
おばあちゃんが黒いアメを2つ食べました。
さぁ残りはいくつですか?
(リカ)5個。
やった!じゃこれは?
(リカ)あっ6じゃなくて5か。
うん。
安曇先生。
教えるのお上手ですね。
とんでもない私なんて全然。
(くしゃみ)あっはいはいリカちゃん。
教え方は…。
(はなをかむ音)フフフ…夫のほうがず〜っと上。
ご主人も学校の先生でしたか。
あの人が教えると算数嫌いの子も目キラキラさせて黒板を見てるの。
私なんかかなわないの。
(一止の声)ハルは私が死んだらどうする?いや…患者さんの1人がもう亡くなったはずのご主人の話を楽しそうにするんだ。
ハルも私が死んだらあんなふうに話してくれるか?お断りです。
私よりも先に亡くなったらイチさんの悪口言いまくります。
それが嫌なら私より1分1秒でも長生きしてください。
ねっイチさん。
(東西)・先生!・お出掛けですか?うん少し出て来る。
ねぇ安曇さん413号室が嫌なのかな?病室から出ていつも廊下の隅っこで座ってるんだけど。
肌の合わない患者がいるのか…。
今度先生から聞いてみてもらえませんか?分かった。
夕方には戻る。
(かしわ手)栗原先生前に高山教授がおっしゃっていた内視鏡セミナーのスケジュールが出ました。
10月20日必ず空けてください。
上司に相談してみます。
おばあちゃん…。
大丈夫よ…。
(舘)安曇さんどうしました?ごめんなさいこれ…。
(舘)ハッ…。
(百瀬)安曇さん横になりましょうか。
(ナースコール)どうされました?すぐに来て安曇さん下血してる誰か先生を呼んで。
(百瀬)血圧落ちてます…先生?リカちゃん連れ出して。
はい。
リカちゃんお外行こうか。
(舘)山野先生指示をお願いどうする?
(舘)しっかりして先生!どうした?栗原は?
(舘)今日はいません貫田先生は救急外来です。
輸血の準備点滴替えろ!
(舘)はい。
(砂山)ちょっと頭下がりますね足上がります。
(水無)足上がりますよ寒くないですか?寒いです。
じゃタオルケットかけましょう。
(砂山)大丈夫ですよ。
(水無)安曇さん大丈夫ですよ落ち着いてくださいね。
どうしました?
(貫田)あぁおかえり。
栗ちゃんに報告その1。
通院患者の横田さんLCの。
吐血して搬送されて来ちゃった。
食道静脈瘤止血しておいた。
汚れちゃったよ。
すいません。
それからね報告その2。
413号室の安曇さん。
また下血した。
外科の砂山先生がカバーしてくれた。
偶然内科病棟にいたそうだ。
助かりました〜。
夢見たわ。
夫はね分校の先生をしてたの。
生徒は多い時で10人。
どちらのですか?穂高有明。
校庭に大きな桜の木があってね。
雪が降る前に近所の人と雪囲いしてた。
あの人雪吊りの名人だから近所の人に当てにされてね。
もうすぐ忙しくなる。
そうか…。
(東西)先生安曇さん400号室に移動したほうがいいんじゃないかな。
いつまた急変するか…。
だからこの窓なんだ東西。
え?病棟から見えるのはこの窓しかなかった。
安曇さんのふるさと。
《ナースステーションに隣接した重症患者専用の個室それが400号室である》みんなの顔が見えるのね。
あれ…?何を…してる…。
・おかえりなさい!・ハル今日から撮影じゃ…。
一日延期しましたはいイチさんも…はい。
何してるんですか?何をしてるんですか?これ…は…。
(男爵)門出の桜だどうだ傑作だろう。
門出?僕は…負けて逃げ帰るんです。
道半ばで田舎に引き揚げるんです。
親父が死んだんです。
いいかげん帰って来てくれって。
母の畑を手伝うんです。
いつも偉そうなことばかり言って…。
皆さんに謝らなければならない。
僕本当は…大学生なんかじゃありません。
学士なんて言われて偉そうに見えたかもしれないけど受験にも落ち続けて何年も受験勉強すらしてない。
ニーチェの本は好きだけど論文の書き方も分からない。
父親が死ぬまで働いたそれでつくった仕送りでのうのうと生きて来たんです。
軽蔑してください僕のことは忘れてください。
こんなに汚しちゃって…。
バカじゃないですか。
どうするんですか。
この床もこの壁もみんな台無しじゃないか。
みんな知っていましたよ。
学生じゃないって。
出て行った住人達もみんな…。
(男爵)私はおかあさんから毎年盆暮れにお中元とお歳暮を頂いていました。
そこには必ず愚息をお願いしますと書いてあった。
それを私は独り占めしていました。
だからあなたに何か贈りたかったけど…。
絵なんてしばらく描いてないし描けなかった。
榛名姫からアイデアをもらってこうやったけど私がやったのは花びら作りだけだ。
でもこうしてよかった。
こうできてよかった。
あなたのためにここを台無しにできてよかった。
夢の時間は終わりました。
子供の時間を卒業して社会に出るよドクトル。
僕らの中で夢の先に立てたのは君だけだ。
頑張ってください。
違う…。
確かに医者になった。
けど…。
何を頑張ればいい?毎日働いても手からどんどんこぼれ落ちて行く。
すくっても考えないようにしても命がこぼれ落ちて行く…。
こんなはずじゃなかったのに…。
毎日迷ってるよ。
これでいいのか自分のなりたかった医者とはこうだったのかと。
でも…やり続けて分かったことがあるよ学士殿。
学問を行う者に必要なものは気概であって学歴ではない。
熱意であって建前ではない。
学問を究めようと思うなら農作業の合間にだってできるはずだろ。
どんな有名な人の書いた文章なんかより私は君の書いた論文が読みたい。
誰に恥じることなんかないよ。
僕達の過ごした8年はムダじゃないんだ。
(学士)ニーチェは言った。
(学士)「苦しみをともにするのではなく喜びをともにすることが友人をつくる」。
(はなをすする音)一生忘れません。
万歳をします。
万歳!万歳!
(3人)万歳!万歳!万歳!万歳!万歳!万歳!万歳!万歳!万歳!万歳!万歳!万歳!おかえりなさいあなた。
疲れたでしょう。
ご苦労さま。
買って来てくれた?カステラ…約束でしょ?カステラ?♪〜カステラ1番電話は2番♪〜3時のおやつは文明堂フフ…。
どうしたの?模様。
模様?フフフ…ホントだ。
すいません。
(看護師)は〜い。
すいません安曇さんにお会いしたいのですが。
(看護師)面会の方ですか?栗原一止に頼まれまして。
(看護師)栗原先生の…。
(東西)安曇さん。
栗原先生の奥さんがお見舞いに来てくれましたよ。
はじめまして栗原榛名と申します。
これをお届けに来ました。
カステラ?おいしい。
(看護師)おいしいって!ありがとうございます。
いいえ。
(東西)えっもっと食べるの?安曇さん。
(看護師達)ハハハ…。
もっと食べたい。
あぁきれい。
あっ…。
ここ。
穂高の山側です。
いつ…いつ撮ったの?去年の春です。
大きな木。
ここに校庭があってこっちに校舎があって…。
この大きな桜の木まだあったのね。
先生に見せてあげたい。
私達の…あの人のふるさと。
先生。
ん?明後日何の日か知ってる?明後日?誕生日なの。
誕生日…。
何度も言うが私は妻のある身で…。
私のじゃなくて10月20日は安曇さんの誕生日よ。
安曇さんの…。
もう一度だけ山を見せてあげられない?天気が良ければ屋上からきれいな穂高が見える。
ヘモグロビンが6を切っている。
少し考えさせてくれ。
おやすみなさい。
先生。
引き出し開けてください。
約束ね先生。
あの人が天国から迎えに来たらあんまり待たせたくない。
栗原高山教授のセミナー断ったって本当だな?明日は別の用事が入ってる。
(砂山)何考えてんだよお前。
教授はああいう人だからいいとして他の先生達はカンカンだぞ。
(砂山)安曇さんか?分かってない。
お前は高山教授に指名された。
最先端の医療は多くの命を救う。
お前は目の前の患者を置いて行くのが嫌なだけなんだ!何がしたい?何をやろうとしてる?今からでもいい出席するって連絡しろ。
いいかげん分かれよ!この一歩が医者としての未来をどれだけ左右するか。
人をあんまりガッカリさせんなよ。
(ドアが閉まる音)なぁハル。
はい?どうして写真を撮るんだ?どうしてでしょう。
イチさんと違って私の仕事はなくても誰も困らないんですけどね。
お腹も満たせないし寒さもしのげない。
でも…ほんの一瞬でも誰かの心を救えたらって…。
そう信じて撮っているのかもしれません。
そこはイチさんと似てますね。
似ているか?でしょう?それで?今夜のイチさんは何を迷っているんですか?大丈夫ですよイチさんは。
大丈夫です。
その帽子よくお似合いです。
これあの人からのプレゼント。
35年も前なの。
これをお墓まで持って行きたいの。
先生私に死んだらかぶせてね。
(水無)リカちゃん行こっかねっせ〜のよいしょ!よいしょよいしょ真っすぐ真っすぐイチニイチニ曲がりま〜す。
(貫田)いいよ栗ちゃんあと診とくから行っといで。
先生。
どっちに行ったらよいですか?
(立ち去る足音)ハァ〜…。
(水無)安曇さん。
ん?
(リカ)暖かいね。
(水無)うん。
ありがとう…。
寒くありませんか?こんなによくして…。
今の時間を少しでも楽しく過ごしてください。
私達のほうこそ安曇さんに励まされてますから。
(シャッター音)
(店主)いらっしゃい。
(店員)いらっしゃいませ。
(貫田)おう栗ちゃんこっち!こんばんは。
こんばんは。
(高山)栗原先生は誤解してるな。
大学はね高い技術で研究を重ねて新しい治療法を探し出す。
我々の使命はね今後医療が進むべき道をつくって行くことなんだよ。
栗ちゃんは随分と見込まれたねぇ。
4月から医大に来てほしいんだって。
栗原先生にはもっと広い世界を見てほしい。
僕は君を買ってる。
ただすごく不安だ。
将来医師を続けるだけの強さを持ってない。
たくさん症例を見て技術を磨きなさい。
その間に準備するんだ。
(貫田の声)ハハハ…。
ハハハ…ハハハ…。
栗ちゃんはこれからの人だ。
僕はうれしいよ。
本庄病院は私がいなくても大丈夫なんですか?平気だよ!貫田先生はどうして医局を辞めたんですか?こっちのほうが楽しいし研究は向いてなかったんだね。
楽しい?死にかけてる人間を何とかして助ける。
グリーン脇のねバンカーから…直接カップインさせた時よりドキドキするよハハハ…。
ヘヘヘ…。
聞かなきゃよかった。
悩め悩め悩め!悩まない若者は生意気だ!ハハハ…。
私はつくづく私が分からなくなりました。
自分が何をしたいのかどうしたらいいのか分からなくなりました。
(男爵)そんなこと分かってるヤツのほうが少ない。
(男爵)昔ある仏師が無造作にノミを使って見事な仁王を彫り出していた。
それを見物人が褒めたところ仏師は言ったそうだ。
「私は仁王を彫り込んでるのではない木に埋まった仁王を彫り出しているだけです」ってね。
(男爵)本当はドクトルの中にもう答えはあるのではないのか?
(雷鳴)
(子供の泣き声)
(外村)すぐ終わるすぐ終わる大丈夫大丈夫。
(泣き声)ちょっと頑張ろうねすぐ終わるからね。
(母親)ちょっと痛がってるじゃないの何やってんのよ!まだ何もしてません。
(着信音)もうちょっと頑張ってすぐ終わるからね。
(着信音)
(ベル)
(呼び出し音)
(東西)安曇さん!分かりますか?安曇さん!
(東西)輸血パック持って来て。
(舘)はい。
(東西)大丈夫ですからねもうすぐ先生来ますから。
安曇さん聞こえますか?安曇さん。
(東西)安曇さん安曇さん。
(心電計のアラーム)30分前のバイタルは?出血性ショック…。
点滴全開!
(水無)はい!先生…血圧下がってます。
(東西)輸血は確認しに行ってます。
(東西)ドーパミン準備できてます。
約束ね先生
(東西)人工呼吸器は…挿管しますか?
(東西)先生。
もういい。
やめよう。
(東西)はい。
旦那さんが呼んでる。
やっと旦那さんに会えるんだ。
見守ろう。
約束ですもんね。
安曇さん。
(心電計のアラーム)午後11時15分。
死亡確認。
お疲れさまでした。
安曇さん。
(着信音)はい。
(外村)先生国道118号でスリップ事故救急車2台。
1人はショック状態ですもう1人は腹部外傷の疑い。
20分後よ。
オンコールの本間先生に連絡。
念のため院内にいる先生がいたらつかまえてほしい。
(救急隊員の声)野崎秀徳さん33歳男性スリップ事故による腹部外傷の疑い。
(松川)バイタルは?
(救急隊員)血圧90の60プルス120不整なし呼吸は腹式呼吸で浅く…。
それではこちらで手続きをお願いします。
まだちょっと残ってるけどひと休みしてくれば?あ〜いや…私は大丈夫研修医を先に。
いいから先生ほら行って。
(東西)これ安曇さんの引き出しの中に。
(雪乃の声)「拝啓栗原一止大先生さま。
先生がこれを読んでいらっしゃるということは私はもう夫の元に旅立った後なのでしょうね。
大学病院の先生から『治療のしようがなく余命半年』そう断言された時は絶望しました。
心が悲鳴をあげました。
何日も思いを巡らせることもできず誰にも打ち明けられないまま自分の境遇を呪いました」。
(雪乃の声)「気が付くと病院で頂いた封筒を開けている自分がいました」。
(雪乃の声)「その時カルテにびっしりと書き込まれた文字に気付きました。
これを書いてくださった先生にもう一度お会いしたい。
そう思ってあなたを捜して捜してここにたどり着きました」。
(雪乃の声)「病むということはとても孤独なことです。
夫に先立たれてようやく寂しさに慣れたと思ったらこんな病気をして大学の先生には見捨てられ誰にも知られないまま死を迎えるなんて…。
だけどこの病院で私は孤独から救われました。
寄り添ってくださる先生に出会ったからです。
最後の最後にこんな幸せな時間が待っていたなんて。
ホント人生は分からないものですね。
先生達は私の人生の最期を温かく照らし出してくださったのです」。
(雪乃の声)「先生が書いてくださったあの文字はほとんど意味の分からない言葉ばかりでしたがでも私にとってそれは神様のカルテでした」。
(泣き声)
(雪乃の声)「どうか先生私にくださった温かい時間をこれからも多くの人達につくってあげてください。
たとえ病気は治らなくても生きていることが楽しいと思えると…。
天国よりめいっぱいの感謝を込めて。
安曇」。
(泣き声)
(泣き声)4月からもここで働かせてもらいます。
私はやはり…。
医局へは行きません。
何だあいつの予想通りだな。
栗ちゃんは俺に似てるんだって。
あの後高山が言ってたよ。
こりゃ栗原先生にフラれたなって。
言っとくけど後悔するよ。
え?俺は後悔している。
研究を続けてれば俺がああなってたと思うと残念で仕方がない。
在野の道は苦しい。
この激務が一生続くと必ず気がめいる。
(貫田)バカだなぁ栗ちゃんは。
ハハハ…。
はい。
くじけそうになったら助けてください。
お願いします。
カメラは?ありません。
今日は神社にお礼参りに伺わなければいけませんので。
お礼参り…。
何のお礼をするんだ?大変だ…。
帰ろう!ダメだこんな寒空に…。
大丈夫です。
急いで帰ろう。
そんなに慌てなくても大丈夫です。
これは私が持つ。
もう少し隣にいてください。
座って。
ずっとあの神社に願掛けしてたのか?はい。
しかしあそこは子宝の神様ではないが…。
いいんです神様は神様ですから。
そういうものか…。
はい。
ちゃんと神様に届いたでしょう?『神様のカルテ』最後までご覧いただきありがとうございました。
ありがとうございました。
今日の「さくコレ」はここ。
すごくきれいで私も涙が出てしまいました。
そしていよいよ来週『神様のカルテ2』が公開します。
今回は愛にあふれた夫婦の物語です。
本庄病院に親友でありライバルの医師辰也が赴任して来ます。
勤務時間が終わるとすぐに帰り時間外の呼び出しにも応じない辰也。
一止との価値観の違いについに衝突してしまいます。
(一止)そういう態度は主治医のそれではない。
(辰也)そうやってお前がいつも病院にいるってことはその間ずっと家族のそばにはいられないってことだ。
栗原夫婦って何なんだ?患者を守るのか家族を守るのか一止は医師として人間として思い悩みます。
3組のステキな夫婦がつなぐ命と希望の物語です。
ぜひ劇場でご覧ください。
28日は『ルパン三世ルパンVS複製人間』
記念すべき劇場第1作にしてルパンの原点
これを見ずしてルパンは語れない
2014/03/14(金) 21:00〜22:54
読売テレビ1
金曜ロードSHOW! 「神様のカルテ」[解][字][デ]
新作の公開に合わせて櫻井翔と宮