(新番組)その男、副署長2 2014.02.14

(赤沢洋平)今さら何言うてんのや!?手遅れや…手遅れや!何すんのや!?おい…何しよる…?何しよんのかわかってんのか!?
(刺される音)
(うめき声)
(りんの音)
(池永清美)滝子…今日も1日はるかと佳子を頼むぞ。
ついでに俺もな。
(パトカーのサイレン)
(警官)ご苦労様です。
(梶原勇)ご苦労様です。
(藤原あきら)課長報告を。
(野沢健作)ホトケは不動産会社社長赤沢洋平64歳。
死因は脇腹を鋭利なナイフのようなもので刺されての失血死と思われますがまだ凶器は見つかっておりません。
(シャッター音)署長がお見えだ。
(一同)ご苦労様です!死亡推定時刻は昨夜の7時から10時くらいまでか?刺されたのはあそこ。
瀕死のままここまで這ってきて絶命したようね。
(平松純平)署長…こちらが第一発見者の滝本さんです。
被害者とのご関係は?
(滝本)赤沢社長の秘書をしていました。
(花村一彦)ガイシャのカバンがなくなってる模様です。
カバン…?このくらいの大きさの革製のカバンです。
社長はいつもその中に…。
(上田聡)見つけました!庭に…携帯が落ちてました!
(野沢)ガイシャの物かどうか確認してから報告しろ!その中に…?あ…いつも200万近い現金を入れて持ち歩いてました。
その金を狙っての物取りの犯行…。
大手柄なはずなのに…。
スマイルスマイル。
(市川奈津美)副署長。
はい。
警察犬訓練チャンピオン決定競技会の実施予定です。
はいご苦労さん。
ありがとうございます。
(池端実)副署長本年度の修学旅行生の防犯手引きの作成案です。
はい。
はいご苦労さん。
(池端)はいすみません。
(池永佳子)お兄ちゃん困ってんの。
待ってたぜ。
(近藤時男)トイレはきれいに…。
ちょっとあの…交通課へ行ってまいります。
書類に不備な点が。
3日前の不動産屋殺しの一件ひらも上田も携帯が庭に落ちてたぐらいの事しか俺にしゃべらねぇんだぜ。
そんなだから捜査に行き詰まっちまうんだっつうの!
(ため息)
(北島久美子)何とかしてください!怨恨と物取りどっちの線が濃厚なんだ?まずはそこから説明しろ。
そうじゃないの!ん?あれ。
…何だこりゃ?こつばこ!そんな事は見りゃわかるよ。
何だ?うちの署の誰かお葬式でも出したのか?あそうじゃないの!あれ…落とし物なの。
落とし物!?そうなんです。
昨日のお昼にタクシーの運転手が届けてきたんです。
え…?
(久美子)客が後ろの席に忘れてったって。
丸一日経つのに落とし主現れないらしい。
たまにあるらしいけど。
新幹線の中でも骨箱の忘れ物。
お寒い世の中だ…。
スマイルも消えちゃうよ…。
まったくだぜ…。
副署長!ん?ここに置いとくの…結構不気味なんですけど…。
だったら1日も早く持ち主を捜してあげなさい。
だから…やってお兄ちゃん。
ハァ!?俺ら不動産屋殺しの聞き込みがあるんで忙しいです。
何言ってんだ?事件に首突っ込まれるのは困るんですけどもこういう事なら助かります。
さぁ!いやいやひらさん「さぁ」じゃないよ…。
副署長…。
(一同)お願いします!お願いしますってお前…。
お願いねお兄ちゃん!おい…コラ…ちょっと待て!お願いね!俺だって忙しいっつうの!副署長の仕事を何だと思ってんだよ…!?というわけで30分ほど外出してまいります。
はい。
大変結構です。
部下の信望あっての副署長。
ただし20分でお戻りください。
いやいや20分は…。
20分!
(足音)
(野沢)待ってください!
(赤沢真美子)あなたみたいなザコに用はないの。
トップに会わせて。
どうかしましたか?ここで一番権力を持ってるのは誰?そりゃまぁ署長…じゃないですかね。
あなたが署長さん?責任者には部下の監督責任もあるはずよね?赤沢さん…。
赤沢…?
(真美子)あなたの部下に今日で3日も続けて呼び出されてるのよ。
私は暇じゃないの。
5本も締め切りを抱えて忙しいの!どうしてくれるのよ!?事件が事件ですからこちらも漏れがないように確認させていただいてるわけでして…。
嘘。
叔父を殺したのは私じゃないかって疑ってるくせに!でも事件のあった夜は私は仕事場でアシスタントと一緒に仕事をしてた!その事うちの子たちから聞いてるでしょ!?そうよねぇ!?え…えぇそれは確認済みです。
だったら事情聴取の必要なんてもうないじゃない!?これ以上ここにいろって言うなら人権侵害で訴えてやるから!お言葉ですが警察の捜査に協力するのは市民の義務でもあります。
ハッ…。
そこらのオバサンと一緒にしないで。
私は高額納税者なのよ?謝って。
謝りなさい。
ご迷惑…おかけしました。
わかればいいのよ。
今の…殺された不動産屋の姪にあたる漫画家ですよね?いや署長に噛み付くとはいい度胸です…何だお前は?で事件との関わりは…おい…!おい!何するんだよ!?署長が頭を下げるのは階級が上の方にだけです。
今のこれは…相当な屈辱です。
彼女がクサイと思ったのはどうしてだ?動機は何だ?副署長殿には関係がないはずですよ。
速やかにお仕事にお戻りください。
待てこの野郎…!副署長…!
(ため息)クソッ…!ザコが偉そうに…。
副署長。
部下をザコなどと言ってはいけません。
…はい。
事件に首を突っ込むのもいけません。
はい。
確か副署長はやる事があったのでは?そうでした。
行ってまいります。
くれぐれも20分ですよ。
ピースではありませんよ。
20分!
(ため息)我慢我慢…。
喪服を着た女性が西賀茂の火葬場から乗ったわけですね?
(木村夏彦)「八坂通りまで行ってくれ」と言ったのに北山辺りで…。
(女性)と…止めて!降ります!
(木村の声)何か驚いた感じで慌てて降りましたよ。
骨箱を残したままですか?変だな…。
(久美子)副署長!昨日火葬場でお骨を焼き上げた家族の名簿です。
全部で7家族。
よ〜しわかった。
15分で片付けてやる。
(久美子)助かります。
赤沢真美子…。

(電話)もしもし。
「私河原町署で…」副署長をしております池永と申します。
大変失礼なんですけれども昨日タクシーの車中にお骨をお忘れになりませんでしたでしょうか?あぁ忘れたわ。
あ…よかった〜!こちらで大切に保管しておりますので取りに来ていただけますか?忙しいの。
邪魔なら届けて。
(不通音)もしもし!?邪魔なら…?あのもう30分もこうやって待ってるんですけどね。
(香苗)あ…どうぞ。
いやあの先生今夜締め切りの作品が3つもあるもんで…。
いやでもこれ…。
お待たせしました。
1つ片付けたわ。
ベタ塗り超特急で終わらせて。
(香苗)はい。
どうも私河原町署の…。
副署長さんだっけ?はい。
わざわざありがとう。
香苗さん!
(香苗)はい!あの…1つ伺ってもよろしいでしょうか?どうしてお骨をお忘れになったりしたんですか?考え事してて…ついうっかり。
つい?香苗さん。
(香苗)はい。
これどっか適当な場所に置いといて。
え…?適当って…失礼ですけどあれお骨ですよ?しかもあなたの叔父さんの。
わかってるけど。
いえわかってませんね。
大体お骨を忘れるだけだって言語道断ですよ。
せめて初七日が終わるまではきちんとお花を供えて線香をたいてあげるのが筋ってもんじゃないんですか?悪いけど私が大事なのは同じ筋でもストーリー。
は?物語の筋!線香なんてあげてる暇ない。
そんな…!ちょっと8ページ目できた?
(香苗)はい。
もう1つだけ訊かせてください。
あなたには今叔父さん殺しの容疑がかかってますよね?それはどうしてなんですか?警察がバカだからよ。
そんな言い方ないでしょう。
忙しいの帰って。
私の漫画を読者が待ってるのよ。
わかりました帰ります。
でも自分は死んだ者を軽んじるような人間が描いた漫画なんか読みたくもありませんけどね。
あらそれは残念ねぇ。
でも出す漫画出す漫画みんな売り上げトップテン入りなのよ。
あなたには死者を弔おうっていう気持ちがないんですか!?わかったわかった!はい。
何ですか?これ。
お礼よ。
…タクシー代よ。
いい加減にしてください。
そうやって何でも金で解決ができるとでも思ってるんですか!?金なんてもんはね燃えてしまったら灰になって終わりなんですよ!でもああやって燃え残ったお骨にはその人の思いが…魂が込められてるんだよ!あんたにはそれがわかってないんですよ!私の原稿…。
1枚いくらすると思ってんの!?わかりました。
弁償します。
お金を払えばそれでいいでしょ!?失礼します!
(ため息)
(ドアの開閉音)『グッド・ナイト・ベイビー』
(上田)またそんな啖呵切ったんすか?勢いだよつい勢いで。
あ〜あの2万円ありゃなぁ…靴とDVDが買えたのによ…。
ったく!滝子義姉さんの事があるから余計頭にきたのよきっと。
あそっか…。
(鈴木豊)池ちゃん待ってよ。
赤沢真美子の生原稿って言ったらオークションで今1枚10万ぐらいになるんじゃないの?10万!?あの絵そんなにするの!?ヤベ…ヤベェ俺どうしよう…。
ヤベェな俺。
ビビんないで胸張ろう!年収ン億円が何さ!「くるくるフラッピーの幸せおまじない〜!」「フラ〜フラ〜フラッピー!」赤沢真美子の漫画の決めゼリフですよ可愛いでしょ。
うちの子どもなんか大ファンなんですよ。
「フラッピー!」ちょっと待てよ…?赤沢真美子はついうっかり忘れたなんて言ってたけどいくら何でもそれはねぇよな。
変だよ…変だわ。
まただ。
もしかして赤沢真美子に殺人の容疑がかかってるヤマとこの骨箱の一件ってどっかで繋がってんじゃねぇのか?池さんやめましょ。
推理したって捜査に関われないんだから副署長は。
だからこうやってお前らと酒を飲んで俺の意見を参考にしてもらおうと思ってるわけじゃねぇかよ。
そろそろ帰りましょうか。
(佳子・上田)そうしよう。
おいちょっと待てって!ごちそう様!コラー!ありがとうございましたー。
マスター!しみるねこの曲…。
『グッド・ナイト・ベイビー』
(香苗)先生は確かにあの夜はずっと仕事場に私たちといました。
でも7時半から30分だけ…。
私オンエアのチェックしてくるわ。
サボらないでやってよ。
(アシスタントたち)はい。
(香苗の声)毎週金曜日には7時半から『くるくるフラッピー』のテレビアニメをやっているんです。
それを見るために奥の部屋へ行かれた…。
そこから外に出られるんですか?はい。
裏口からガレージに出られます。
気分転換にそこから出かけられる事もちょくちょく。
赤沢さんが仕事場へ戻られたのは?
(真美子)またセリフ変えてるわ。
プロデューサーに文句言わなきゃ…!
(香苗の声)30分ちょっと…してでした。
ここが赤沢真美子の家。
ここから被害者の赤沢洋平氏の家まではそうね…車でおよそ10分程度かしら。
往復で20分。
ギリギリ犯行は可能ですね。
やっぱり身内の犯行だったのね。
結論を出すのはまだ早いでしょう。
平松上田机上の計算じゃダメだ。
足で確認しろ。
(平松・上田)はい。
(電話)はい刑事課…あはい。
署長…赤沢真美子です。
おっと…!気をつけてくださいね副署長。
副署長防犯ポスター持ってきて。
はい!…ポスター?赤沢真美子の漫画を見せて。
はい!このポスターが何か?彼女がクレームをつけてきたのよ。
このポスターのイラストと…。
ポリスくんです。
自分の作品のキャラクターこの『くるくるフラッピー』にそっくりだ。
盗用じゃないかと。
っていうかまんまじゃねえかよ。
これ確かうちの署員にデザイン募集して採用したんだったよな?描いたの誰だ!?はい!お前かよ!?いやちょっと参考にしただけ…。
バカ!あ…やっぱ似てますかね…?すいません!そんな気はなかったんです!このタイミングでクレームをつけてきたって事はこっちの手の内を探る気なの?それとも…逮捕できるものならしてみろって事?という事はつまり刑事課は赤沢真美子犯行説で固まりつつあるって事ですか?その質問には答えられません。
ともかく!捜査に支障があっては困ります。
あなたは彼女の家に行って謝罪してきて。
対応は慎重に。
行くのは構いませんけど何で疑ってるのかぐらい教えてくださいよ!説明の必要はなし。
はい?あなたはただ頭を下げてくればいいの。
誠に申し訳ありませんでした。
(真美子)デザインを盗むのは罪になるはずよ。
はい。
裁判に訴えれば賠償金数千万ってとこかしら。
数千万…?とてもうちの署にはそんな予算ありません!何とぞ穏便に済ませていただけませんでしょうか。
(笑い)副署長さんの困った顔もイケるわ。
はっ…?いちゃもんつけた理由はねもう一度副署長さんと会って話してみたかったから。
はい…?どうぞ上がって。
あ…お邪魔します。
意味わかんねぇな…。
だってあなた今時珍しいアナログ人間じゃない?真っ当な事を真っ当に主張して許せない事は正面きって許せないと言う。
今の世の中事なかれ主義がほとんどだから絶滅危惧種と言ってもいいわ!それって褒めてますか?それともバカにしてます?フフ…もちろん褒め言葉よ。
どうぞ。
失礼します。
私の漫画に出てくるフラッピーも弱い者の味方をする正義感のかたまりなの。
だからおしゃべりの相手をしてもらって参考にしようと思って。
お相手はいくらでもさせてもらいますけどその前に…お骨にお線香をあげてもらえませんか?あれじゃホトケさん可哀想ですよ。
またそれ?あのねぇその叔父は私のたった1人の身内だったけど私とは不仲だったの。
どうしてですか?自分の事業の宣伝に無断で私の漫画のキャラクターを使おうとしてたのよ。
私それで文句言いに行ったら…。
(男)1週間…あと1週間…!高校行ってる娘がいるやろが。
働かしぃな。
利子ぐらいになるで。
そればっかりは…!
(真美子の声)叔父は不動産業の他に裏で高利でお金を貸していてその取り立てがあまりあくどいから私つい…。
叔父さん…もうそういうのやめようよ。
でないと私叔父さん刺すからね。
その一言を警察があの秘書から聞いて私が疑われてるわけ。
で私は線香をあげる気にもならない。
あなたも頑固だけど私も頑固。
頑固者同士気が合うと思ったんだけど。
ムリみたいね。
そうみたいですね。
わかりましたそれじゃ最後に1つだけ訊かせてください。
あ〜お説教か質問ね!どっちも面倒でうんざり!どうしてタクシーの中に骨箱を忘れたりしたんですか?タクシーの運転手の話だと何かに驚いたように見えたって言ってるんですけど…。
そうよ!自分でも驚いちゃうほどいいアイデアが浮かんだの。
それで慌ててタクシーを降りちゃった。
どう?これで満足?はいご苦労さん。
コラ!勝手にはがしちゃダメだろ。
(古田威)だってフラッピー好きなんだもん!あのなぁこれはフラッピーじゃなくてポリスくん。
(威)違う!フラッピーだ!だよな。
どう見てもフラッピーだなこりゃ。
おい奈津美!この子にポスター1枚やってくれ。
やったぁ!へへへ…。
今日はどうもありがとうございました。
鼻があるんだよポリスくんには。
(古田紀美子)威!帰るのよ!フラッピーのポスターもらうんだ!…行くの!あっ…ちょっと!事件の関係者か?副署長には…。
関係ねぇとは言わせねぇぞ。
お前さんのために下げたくねぇ頭下げたんだからな。
死んだ赤沢のせいで旦那に首をくくられた遺族です。
威…!何…?いやもっともちゃんとしたアリバイがあって事件とは無関係だって事がわかりましたがね。
失礼します!
(池永はるか)何味にする?え〜そうだな。
チーズでしょう…あとチョコとか。
チョコ?佳子ちゃんだけ食べてよ。
えぇ〜?あそうだ。
拓海君も呼ぼうよ。
あそうだね。
うん。
あれ…まだ帰ってないみたい。
ああ…。
(はるか・佳子)ただいま!あっ何だ拓海来てたんだ。
おう。
たこ焼きの材料買ってきた。
作ろう。
(嗚咽)泣いてんの…?誰か亡くなったの?
(藤原拓海)これ。
持ってたら貸してくれって言われて。
(はるか)『くるくるフラッピー』?もしかして感動してる〜?そんな子供向きの漫画で。
バカ野郎。
正義にな大人も子供もねえんだよ。
よーし作るぞ!今夜のたこ焼きは涙味でしょっぱいぞ〜。
覚悟しろ!
(佳子・はるか)うわぁ…。
(はるか)汚い…。
もうあのキャラがまずしょっぱいんだよなぁ。
はぁ…食欲失せた。
32…7時30分。
よし行くぞ!
(平松)2つ目の信号右だ。
(上田)わかってますよ!
(上田)7時42分。

(上田)ここで刺した。
(平松)うああー!
(うめき声)
(上田)芝居下手だな。
全然迫力ねえや。
ごめん…。
もう1回やろう。
遊んでるんじゃないんですよ俺たち。
行きますよ!もう1回やろうよ。
ちょっと…。
(上田)赤沢真美子の家から赤沢洋平の家まで30分以内で往復できました。
つまり彼女には十分犯行は可能という事ね。
(野沢)署長!
(ため息)重要な目撃情報が出ました。
(真美子)ありがとね。
(男の子)先生頑張ってね!
(真美子)はい。
次回も楽しみにしててね。
ありがとうございました。
(真美子)はーい。
こんにちは。
こんにちは!サインお願いします!
(真美子)はい。
はいありがとう。
先生ありがとう!はい。
意外ですわ。
子供にはとっても優しくていらっしゃる。
署長さん…。
嫌みを言いにいらしたの?いえ…うちのポスターの件大変失礼いたしました。
お詫びに先生の新作30冊買わせていただきました。
あぁ…ありがとうございます。
でもそれだけのためにいらしたとは思えないけど。
ええ…。
あなたのものと思われる車が事件当夜赤沢氏の家の近所に駐車しているのを見た人物が現れましてね。
また署に来てもらう事になりそうね。
(男の子)先生!サインください。
…はい。
僕フラッピー大好きです。
いつまでも続けてください。
あっお帰りなさい。
(一同)お帰りなさい。
みんな今日はもう帰っていいわ。
えっ!?いやでも締め切りが…!いいから帰って!…はい!
(香苗)急いで…。
(アシスタントたち)お疲れ様でした。
(香苗)お疲れ様でした。
(ため息)
(ドアの閉まる音)
(チャイム)はい。
「河原町署の池永ですが」副署長さん…?
(真美子)何ですか?長居はしません。
一言だけお詫びが言いたくて来ました。
え…?『くるくるフラッピー』全巻読みました。
感動しました。
いつかの憎まれ口撤回させてください。
あなたは純な魂の持ち主です。
申し訳ありませんでした。
私には純な魂なんてないわ。
は…?副署長さんってまるで子供ね。
どうしても疑問が残ってるんですよ。
あんなにいい漫画を描くあなたが何でお骨をぞんざいに扱うのかその理由が納得できないんです。
(真美子)はぁ…またそれか。
しぶといな。
百歩譲っていいアイデアが出たから骨箱をタクシーの車中に忘れたとしましょう。
でもすぐに気づいたはずです。
なのにあなたはタクシー会社にも警察にも届け出を出しませんでした。
その上警察にいらっしゃってるのに骨箱の事には一切触れようともしませんでした。
どうしてなんですか?人って誰でも殺人犯になる可能性あるんじゃないかな。
え…?殺さないでいられるのはたぶん…ラッキーな事なのよ。
赤沢さん!
(携帯電話)
(携帯電話)はい。
(近藤)「副署長どこにいらっしゃるのですか!?」
(ため息)
(梶原)署長!藤ノ木公園のホームレスがこのカバンを拾って持ってました。
中身は不動産取引の書類です。
(花村)赤沢洋平氏のサインも書かれています。
でそのホームレスがカバンを拾ったのは何時頃なの?
(梶原)午後8時半頃だったと証言しています。
なんて事なの…。
赤沢真美子はシロだわ。
(野沢)そうなりますねぇ…。
え?何でシロなんですか?アホかお前ら!いいか赤沢真美子は午後7時半から8時までの間この赤沢洋平に会っていた可能性はある。
しかしそのあと彼女は仕事場から1歩も外に出てないんだよ。
副署長…!その上赤沢の自宅からこの藤ノ木公園まで車で片道30分往復1時間はかかるんだよ。
という事は彼女はこの藤ノ木公園まで行ってカバンを捨てる時間的な余裕なんかなかったって事だ。
つまり赤沢真美子はシロとこういう事だよ。
ですね?署長。
説明は結構。
出てって!いえ自分にはそれでも赤沢真美子がクサイと言える理由が1つだけあります。
…何よ?骨箱ですよ。
どうして彼女がタクシーに骨箱を忘れたのかその理由がまだ明らかになってません。
殺人事件が自分の周囲で起こって取り乱していた。
そのせいでしょ?違いますねぇ。
このヤマに関係のあるもっと深〜い理由があるはずです。
大体あなたがここに来て捜査の状況を聞いている事自体おかしいでしょ!はいはいあんたはハンコを押してるだけの置物なんだ。
でしゃばらないでもらいたい!おい偉そうにお前誰に向かって口利いてんだコラ。
(上田)池さんやめましょう。
池さん…池さん!お前だ…お前…。
お前は何だ…!?コラ。
てめえだ何だ…!貴様…!
(野沢)出てってくれ!離せ!イテテテ…。
わか…わかったから離せ!クソ〜あの野郎!池さん!我慢我慢。
(ため息)あぁ…?変だよ。
我慢我慢。
ホシは赤沢氏のカバンは公園に捨てたのに携帯は庭に捨ててんだぜ。
何で同じ場所に捨てなかったんだよ?我慢!変だろう?変だわ…。
変だ…。
何か驚いた感じで慌てて降りたんですよ。
(真美子)と…止めて!降ります!
(真美子の声)人って誰でも殺人犯になる可能性あるんじゃないかな。
殺さないでいられるのは…ラッキーな事なのよ。
すいません…。
と…止めて!降ります!まさか…。
見えたぞ。
俺の我慢もここまでだ。
トイレはきれいに使いましょう〜っと。
あっ!?そういう事か…。
副署長…!ああーっ!やめろ!!何してるんですか!?何割ろうとしてるんです?罪の意識からですか?やっとわかりましたよ。
事件のあった夜のあなたの行動が…。
何の話?赤沢氏の携帯とカバンは別々の場所に捨ててありました。
それで気づいたんです。
あの夜あの家には赤沢氏以外に2人の人間がいたんじゃないかって。
1人は赤沢氏を刺した人間。
もう1人はそれを目撃した人間です。
あの夜赤沢氏の家に行きましたね?そこであなたは見た。

(真美子)叔父さーん?
(赤沢のうめき声)男に刺された…!救急車…。
でもあなたは助けを呼ばなかった。
(赤沢)真美子…お前…!苦しむ赤沢氏を見捨ててあなたこの仕事場に戻ってきた。
その結果赤沢氏は死んだ。
そうですよね?どこからそんなストーリーを考えついたかわからないなぁ。
骨箱です。
この骨箱が教えてくれたんです。
あなたがこれを忘れたのはタクシーの中でとんでもない事が起きたからだったんです。
あなたは見てしまったんだ。
バックミラーに映った赤沢氏殺しの犯人を…。
と…止めて!降ります!だからタクシー会社に取りにも行かなかったし詳しい事情を訊かれるのを恐れて警察でも骨箱の事は話さなかったんです。
違いますか?お兄ちゃん!タクシー会社で聞いてきた。
木村って運転手事件の翌日に100万近くあった借金をきれいに返したそうよ。
そうかご苦労さん。
そのお金はどっから出たんでしょうね?知らないわ。
私には関係ない。
いい加減にしろ!!どうしてだ!?どうしてたった1人の叔父さんを見殺しになんかしたんだ!?ここに哀れなストーリーが1つあります。
その子は8歳でした。
優しい両親に囲まれすくすく育っていました。
でもある日父親が事業に失敗した。
追い詰められて追い詰められて…父親は弟に必死で援助を頼んだ。
でも断られて…。
お父さん!真美子来るなー!!その子は叔父への憎しみは封印してきれいな物語の中へ…現実にはないピュアで正義感にあふれた夢のストーリーの中へ逃避した。
コツコツとその世界だけをよりどころにして描き続けた。
そしたらいつの間にかその夢を信じてくれる子供たちが現れた。
その子たちと夢を共有する事で生きがいになっていった。
なのに…叔父はまた同じ事をやったのよ。
叔父のせいであの子の父親は…。
(紀美子の泣き声)
(紀美子)主人は死にました。
この子の前で首をくくったんです!
(赤沢)そんなの関係ない。
借金は借金。
払うたらええんや。
お金はないんです…!奥さん。
甘ったれた事言うたらあかんで。
離してください!やめろー!ママを離せ!何が離せじゃコラ!威…!
(2人の泣き声)
(真美子の声)私はあの親子を見過ごせなかったの。
だから借金を肩代わりしようとあの日叔父のところに行ったの。
そしたら…。
(真美子の声)叔父は最低の人間よ。
だから見殺しにしたのよ。
私のやった事は正義よ!それは正義じゃありません。
そんなのは偽物の正義です。
いいえ!私のやった事は刑法上何の罪にもならないはずよ。
確かにそうかもしれません。
でもねあなたが真相を証言しない限り叔父さんを殺害した犯人はいつまでも逃げ続けるんですよ。
殺人犯を野放しにしておく事が正義ですか?私は悪くない!それにあの子の心がどれだけ傷ついたと思うの?叔父なんて殺されて当然なのよ!あなたは証言するべきだ。
証言なんかしたら私の漫画家生命は終わりじゃない。
死にかけた人間を見殺しにした漫画家なんて子供たちが認めてくれるわけない!その通りです。
あなたは法律じゃなく社会から制裁を受ける事になります。
何もかも捨てろって言うの?お金や名声はどうでもいいわ。
でも子供たちの期待だけは裏切れないのよ!気づいてください!あなたはあなたのした事であなた自身をボロボロに傷つけてるんですよ。
ここに来る前にアシスタントの香苗さんに会ってきました。
彼女言ってましたよ。
あの事件の日以来先生は笑ってるフラッピーを書いていないって。
あなた普段毒づいてばっかりいるけど本当は繊細で正直な人なんです。
だから心がそのまんま絵に出てしまう。
後ろめたい気持ちが作品に出てしまうんです。
やめて!!このままじゃいつか絵を描けなくなる日が来ますよ。
私を脅す気?わかってください。
俺だってファンなんです!笑わないフラッピーなんて悲しすぎますよ!俺は信じてます。
あなたならきっとこの困難を乗り越えてまたみんなが笑顔になれるような素敵な作品を描いてくれるのを。
待ってます。
フラッピーに笑顔が戻ってくる日を。
あなたが子供の時のように無邪気に笑える日が来るのを。
現実の世界で心から笑顔になれる日が来るのを…。
フラッピーもそれを望んでると思いますよ。
それが…本物の正義…って事?そうです。
誰も知らないあなただけの勲章です。
ちょっと待ってて。
書き直すから。
「つづく」を最終回のエンドマークに。
フフ…。

(ノック)はい。
失礼します。
署長…。
何でしょう?私は…叔父を殺した犯人を見ました。
どういう事…?すべてお話しします。
赤沢洋平殺しが解決したわ。
そうですか。
赤沢真美子の漫画は連載打ち切り。
テレビ放映も取りやめだそうよ。
当然よね。
彼女はファンだった多くの子供たちの夢を壊したんだから。
でも彼女は彼女なりにその夢守ろうとしたんじゃないですかね。
彼女の弁護をするつもり?それともあなた彼女とどこかで接触してたの?そんなわけないでしょう!毎日山のような書類と取っ組み合ってる俺にそんな時間的な余裕はこれっぽっちもございません。
あそうだ。
このしょうが焼き食ってみませんか?めちゃめちゃうまくできたんですよ。
肉類は食べない主義です。
それからあなたのような人を「食えない男」って言うの。
覚えといて。
一度食ってみろっつうの。
うまいぜ〜。
2014/02/14(金) 15:55〜16:50
ABCテレビ1
[新]その男、副署長2[再][字]

「忘れられた骨箱…殺人との奇妙な接点!?」

詳細情報
◇番組内容
船越英一郎主演▽本格派“副署長”ミステリー第2弾。捜査を禁じられた所轄署の副署長・池永清美。彼が制服を脱ぎ捨てたとき、難事件は解決する!
◇出演者
船越英一郎、田中美里、本田博太郎、萬田久子 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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