一志相伝スペシャル “天空の城”を修復せよ!〜300年続く石工親子の挑戦〜 2014.03.29

職人親子の代々受け継ぐ技そして志を描く一志相伝
今日は石工親子の物語です
「石工」とは石材を加工したり細工を施す職人のこと
中でも今日紹介する親子が専門に扱うのは…
日本人の心を魅了する美しさそして何百年と城を支える頑丈さ
かつて戦国時代数々の城を築いた石工集団がいました
その名は「穴太衆」
実は彼らはその末裔なのです
300年間15代にわたりいまや全国で唯一穴太衆の技を受け継ぐ親子
そこに新たな依頼が舞い込みました!
そう天空の城・竹田城の石垣修復
しかし…
全身全霊で石垣と向き合う激闘の日々!
300年の歴史とともに積み上げられていく職人親子の思いとは!?
この町は比叡山延暦寺の門前町として栄え至る所に見られる石垣が歴史情緒漂う風情ある景観を作りあげています
そんな石垣の町に代々続く石工の親子がいます
14代目の父・粟田純司さん
15代目の息子・純徳さん
親子は石垣を専門とする石工
彼らは別の名でこう呼ばれています
「穴太衆」とは戦国時代大津・坂本を本拠地とし城の石垣造りに携わった石工集団
手がけた城は大阪城や姫路城など全国のおよそ8割にものぼるといわれます
かの織田信長が多くの穴太衆を安土城築城に使ったとされその名は全国に知れ渡りました
江戸時代に創業した粟田家の先祖もこの穴太衆
以来15代300年にわたりその技を受け継いできました
しかしかつて隆盛を誇った穴太衆もいまや全国でこの親子だけ
江戸時代以降城が造られなくなり穴太衆の数も激減したのです
14代目の父・純司さんに歴代当主を紹介してもらいました
これおやじなんですよ13代・12代・11代…
彼ら穴太衆が代々守ってきた石垣造りの技術とは…
強度を考えながら積んでるとそういうのが穴太の積み方です
彼らの行う穴太衆積みの特徴は自然の石をそのまま使うこと
コンクリートや接着剤は一切使いません
ではどうやって強度を出すのでしょうか?
作り方はまず石を選ぶところから
「石の座り」とは石を置いた時に下の石とどう接するかのこと
ミリ単位の配置が組み上がった時の強度を左右するといいます
さらには…
石と石の接点を先端ではなく少し奥で合わせる穴太衆ならではの技
その理由は…
例えば地震があった時に先端だけでついてるとズレ落ちやすいだからこういう感じのところでつけると…地震で動いてもこれだけ余裕があるわけ
絶妙な位置で接するよう石を見極め積み上げていくまさに職人技
ほかにも縦に積むのではなく漢字の「品」のように積み1つの石がより多くの石と接するようにしたり石を横長に置き積み重ねるなどさまざまな技を組み合わせまるで一枚板の壁のように積み上げていくのです
中には100キロ以上もの大きな石も
それをノミやバールを使い数ミリ単位で調整し積み上げます
穴太衆積みの特徴がここにも
それは石垣の内側に詰める大量の細かい石
石垣の内側に詰める「グリ石」と呼ばれる大量の細かい石
石垣にかかった大きな力をこの小さな石が細かく分散させクッションのような役目を果たします
さらに雨水を排水しやすくなり水圧で石垣が押し出されることも防ぐのです
最後に石垣の表面の隙間に細かな石を詰めていきますが実はこれ…
さすが戦国時代から続く技
地震対策から忍者対策まで万全です
そんな穴太衆積みの強度を裏付ける証拠があります
なんと高速道路を支える擁壁に使われているのです
採用にあたり穴太衆積みとコンクリートブロックの強度を比べた実験が行われました
その結果コンクリートは200tの荷重でひび割れが発生
一方穴太衆積みは緩やかに変形していくもののなんとコンクリートを上回る250tもの荷重に耐えたのです
建設当時の設計担当者は…
ほんとにそう思いましたね
現代の技術者をもうならせる穴太衆の技
300年その技を受け継ぐ14代目・15代目の親子に2014年春新たな挑戦の機会が訪れます
石工の粟田さん親子はそろって初詣へ
純徳さんの息子・匠徳くんも一緒です
3世代で年の初めに祈ることそれは…
おめでとうございます
そして父には願い事がもう1つ…
初詣のかいあってか今年最初の大きな石垣修復の依頼が…
現場は高知
南海の名城・高知城です
1603年初代土佐藩主・山内一豊が築いた城で日本で唯一当時の本丸が完全に残る城です
そしてこの城の石垣も穴太衆によって築かれたもの
今にも崩れそうなほど危険な状態だった重要文化財・追手門の石垣修復を任されたのです
高知城には今回息子が棟梁として向かいます
文化財の石垣修復の場合積んである石をいったん取り外し再び元の姿に積み直します
元の姿を変えないことが大原則
石が割れたり傷つくことは絶対に許されません
まず1つ1つ番号をつけた石の寸法を測り記録していきます
そして慎重に石の取り外し
穴太衆積みは石どうしが絶妙なバランスで支え合っています
そのため石の取り外しも穴太衆の技をよく理解していなければ難しいのです
さらにできるだけ石を傷つけないようたった1本のワイヤーで吊り上げます
石の重心を正確に見極めなければなりませんが…
お見事!
順調に高知城の修復が進んでいるようです
一方大津に残っている14代目の父に15代目の息子のことを聞いてみると思いがけない言葉が…
実は
ゆえに親子といえどそこは職人どうし
かつてはプライドがぶつかりあったことも…
しかし高齢の父
現在は現場の第一線を退き穴太衆の仕事を紹介する講演などが活動の中心
どうもお疲れでした
父の本音は…
そういう気持ちはあるんですけど気持ちだけあっても体がついていかないそっから先吊るわ
連日高知城では息子が獅子奮迅の活躍を見せていました
そしてその日の仕事終わり地元の名物を食べに行くことに
(店員)カツオのたたきです
15代目に父のことを聞いてみると…
ここにも職人として譲れないプライドがあります
さらに食事が進むと父のある話に…
12年前父を襲った胃がん
一命は取りとめたものの胃のほとんどを摘出する大手術でした
それはやっぱりちょっとどうしようというのはありました
お互い譲れない職人どうしのプライド
その根底にあるのは親子の信頼しあう気持ち
2月半ばそんな2人の職人のもとにさらなる仕事が…
それは天空の城・竹田城の石垣修復
親子が共に日本一の山城と憧れる穴太衆の最高傑作です
いまや観光地として大人気の竹田城
今回修復するのは天守台のすぐ下の部分で幅およそ10m高さ2mの範囲
石が崩れ落ちる危険があり一刻も早い修復が求められます
しかしこの時息子は高知城の修復中
なるべく高知も早いこと終わったら行けんことはないやろうけど…
そこで今回父が棟梁として竹田城に
14代目の父最後の挑戦しかし…
ああ体力落ちたもんやなぁ
竹田城には思いがけない苦難が待っていました
今年は例年にない大雪に見舞われました
竹田城も雪に覆われ予定の時期が過ぎても作業に入れません
焦る気持ちを抑えるため父はある場所へ
彦根城です
大一番を前にかつて穴太衆が積みあげた石垣を見て先人だちと語り合います
3月上旬雪も収まりようやく竹田城の仕事に入る日がやってきました
出発の朝押入れから父が取り出したもの
それは代々ここぞという時に羽織る穴太衆の法被
私の気持ちに入ってくるんですよね
(鈴)よろしくお願い致します…
大津からおよそ3時間
竹田城近くの駐車場に父が到着
ここから城までは山道を歩くしかありません
ふぅ…ああえらぁ…
休憩を挟みながらそれでも1歩ずつ1歩ずつ登り続けます
そして竹田城の山頂に到着
修復現場で弟子たちが待っていました
やっと上がってきたわあっちから上がってきはったんですか?
早速現場を確認
その目は棟梁の目に…
重たい石を外そうにもここは竹田城
そう山の上です
クレーンなどの重機は使えません
しかし父には秘策がありました
「二又」とは…かつて穴太衆が重い石を吊り上げる時使った道具
上から滑車を吊るし重い石も吊り上げることができます
最大の特徴は土台が2本の丸太だけでできていること
竹田城のように狭く平地がない場所でも使えるのですが安定させるためにはワイヤーが必要
現場の状況に合わせ瞬時にワイヤーを張り見事にバランスを取ります
300年の歴史を背負う男だからこその技
14代目最後の大仕事
力のかぎり石垣と向き合います
そして3月28日石垣の修復もいよいよ大詰め
はい降ろして
(14代目)最後の石よいしょ!
代々受け継いできた穴太衆・伝統の技
14代目の父はその技を使い石垣をよみがえらせることで次の世代へつなげようとしていました
その技と志は何百年先までこの石垣が語り続けます
今年の竹田城は桜の花と父の石垣が見どころです
2014/03/29(土) 16:55〜17:25
ABCテレビ1
一志相伝スペシャル “天空の城”を修復せよ!〜300年続く石工親子の挑戦〜[字]

職人親子の代々受け継ぐ技と志を描く番組の拡大版。今回は15代続く石工職人親子の物語。天空の城で名高い竹田城の石垣修復に挑む親子、そこには思いがけない苦難が…。

詳細情報
◇おしらせ
「一志相伝」は月曜日から移行し、毎週木曜20時54分放送になります。次回は4月10日(木)放送。
◇番組内容
戦国時代に数々の城を築いた「穴太衆」という石工集団がいた。今回はその末裔で300年15代に渡り今や全国で唯一穴太衆の技を受け継ぐ職人親子が主役。親子は石工の中でも石垣を専門とし、数々の城の石垣を修復してきた。そして今回、あの竹田城の石垣修復の依頼が舞い込んできたのだが…。
◇出演者
三代澤康司(ABCアナウンサー)
◇制作
ABC
ABCリブラ

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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