(最終回)チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋 #12【西島秀俊ほか】 2014.02.28

(田口公平)速水先生!
(白鳥圭輔)速水。
(速水晃一)佐々木を呼ぶ声が聞こえて…。
声って誰の声だ?・
(回想)佐々木さん。
佐々木を殺したのはおれだ。
うっ…。
速水先生!速水!城東デパート跡地で倒れてるところを発見しました。
(遥)意識レベル30。
プルス不整があります。
(佐藤)わかった。
(弥生)速水先生体動かしますよ。
(一同)123。
(佐藤)バイタルチェック。
(救急隊員)ストレッチャー出します。
(佐藤)酸素5Lマスク。
末梢確保して。
(美和)ボタン外しますね。
(滝沢)モニター着けます。
(永山)酸素5リットル開始しました。
(長谷川)速水先生聴診します。
(弥生)血圧計巻きます。
(浅野)採血準備します。
(滝沢)モニター着きました。
(長谷川)ST上がってます。
12誘導準備。
(永山)はい。
心筋炎ですかね。
(佐藤)心筋梗塞の可能性がある。
すぐにカテ室準備して。
(弥生)はい。
ピピピ…ピピピ…
(心電図の音)
(長谷川)VFです。
(佐藤)DCスタンバイ。
挿管の準備。
(遥・美和)はい。
お願いします。
チャージ完了。
離れて。
(佐藤)エピネフリン投与。
(遥)はい。
チャージ完了。
離れて。
(佐藤)もう1回。
(永山)はい。
(永山)チャージ完了。
(佐藤)離れて。
(長谷川)サイナスに戻りました。
カテ室取れました。
よし行こう。
(長谷川)はい。
(佐藤)カテ。
(長谷川)はい。
(佐藤)バイタルは?
(美和)安定しています。
(佐藤)冠動脈造影開始。
(長谷川)はい。
造影開始。
(長谷川)左冠動脈異常ありません。
右冠動脈も異常なし。
(長谷川)冠動脈に病変はありませんね。
(遥)じゃあ心不全の原因は…。
速水。
心カテもう終わったんですか?冠動脈に問題はなかった。
心不全の原因は心筋梗塞じゃなかった。
それって…。
原因は血管じゃなくて筋肉。
心筋梗塞なら治療もできますが悪性リンパ腫による心不全ならカテーテルでは治療のしようがない。
ステロイドは?ステロイドで何とかならないか?悪性リンパ腫を治さなければ無理です。
じゃあIABPでもPCPSでも入れて。
そんな簡単な話じゃないんです!くっ!
(滝沢)速水先生のリンパ節生検の結果が出ました。
速水先生のリンパ腫はホジキン型でした。
(永山)これなら化学療法と放射線で治療できますね。
(浅野)あの…どうしたんですか?
(長谷川)速水先生はリンパ腫が脳だけでなく心臓にまで波及してるんだ。
心不全の進行は止められない。
速水先生の心臓はもって後数日だ。
はぁはぁはぁ…。
夢…見てた…。
はぁはぁ…研修医のころはぁはぁ…おれとお前で受け入れて死なせてしまった患者の…。
覚えてるか?忘れたよな…あんな昔のこと。
はぁはぁはぁ…。
速水先生?はぁはぁ…。
ちょっと来てもらえる?ここに来るのは初めてですか?
(美和)ええ。
あのときは驚いたでしょ。
ナイフで刺された佐々木さんと一緒に速水まで運ばれてきちゃって。
(遥)死亡確認しました。
どうして速水先生まで?ってそう思ったんじゃない?ちょうどその辺に佐々木さんは倒れていた。
あなたが佐々木さんを刺した場所だ。
はあ?だからあなたには見えなかった。
大事な人の姿がね。
でもあの夜確かに速水はここにいた。
だよね?グッチー。
おはようございます花房師長。
速水はあそこに倒れてたんですよ。
だからあいつの目線からは花房師長あなたの足もとは見えたんだ。
速水言ってましたよ。
佐々木さんが殺された夜花房師長の声を聞いたって。
だよねグッチー。
はい。
でもあなたから速水は見えなかった。
だからあいつが倒れていることを知らずに逃げた。
でしょ?速水先生が…ここに?で?佐々木さんを殺したのはどうして?違います。
私じゃありません。
ふふっ…じゃ誰のせいにしようか。
あっもしかしてもう速水に罪を着せようと思ってんのかな?まっ確かにあいつの病状は重いし凶器から指紋は出ちゃってるしこのまま死んでくれたら超ラッキーなんて思ってんじゃ…。
パン!そんなこと思うわけないじゃないですか!はぁはぁ…。
私がそんなこと思うわけ…。
じゃあ教えていただけませんか。
師長はおとといの晩どうしてここへ?守りたかったから…。
速水先生を守りたかったからです。
はぁはぁ…。
速水先生IABPを着けさせてください。
リンパ節生検の結果は?ホジキン細胞を認めました。
悪性リンパ腫か…。
でも化学療法で治療できる可能性が。
IABPを着けたいってことははぁ…おれの心臓はそこまでヤバいってことだよな。
はぁはぁ…。
リンパ腫が…はぁはぁ…脳と心臓に入ったか。
はぁはぁ…IABPは単なる時間稼ぎにしかならない。
お願いします速水先生。
断る。
言ったよな佐藤ちゃん。
はぁ…。
おれは…無駄な延命治療は望まない。
ですが…。
はぁ…さっさとほかの患者の所に行け。
はぁはぁはぁはぁ…。
(美和)あの日…。
速水先生に電話がきて…。
・佐々木さん?わかった。
今夜城東デパート跡地で会おう。
それで速水を追いかけたってこと?私が来たときには佐々木さんはもう…刺されていました。
速水先生が刺して逃げたんだと。
どうしてそう思ったんですか?誰よりも速水先生の潔白を信じそうな師長が。
これがあの夜事件の現場に落ちてたの?はい。
このままじゃ速水先生が疑われると思って…拾って。
そしたら奥でひとの声が。
うわっ!おい大変だ!救急車呼べ。
救急車…。
それで逃げた。
ほんとに速水先生の薬で間違いないんですか?ここ2週間ほど飲んでいらっしゃいました。
これが抗生剤。
こっちが解熱剤。
この粉末は…。
どう?胃薬ですかね。
あぁ…。
まあそんなとこだろうね。
で最後のこれが心拍数を抑えるためのベータ・ブロッカーか。
ですね。
あれ?ベータ・ブロッカーって…。
あっ。
あっ!これが何かわかるか?おれの薬だ。
ほんとですか?よ〜く見ろ。
1つだけ別のが。
そうだ。
ベータ・ブロッカーが入ってる。
おれのレートコントロールに…はぁはぁ…何の薬使った?ベータ・ブロッカーですが。
喘息のある速水先生がベータ・ブロッカーを飲むはずありませんよね。
実はこれ佐々木さんが殺された場所に落ちていたんです。
殺人事件の現場に飲んでいる本人も間違えるほどよく似た薬が落ちていた。
だから花房師長は思ったんだよ。
佐々木さんを殺した速水先生が落としていったものだって。
だから先生を守るためにこれを拾って逃げたんです。
はぁはぁ…。
佐々木さんは薬を常用していたんでしょうか?はぁはぁ…いや。
ということはあの夜あの場所にはもう1人誰かがいたってことになる。
お前でも花房師長でも佐々木さんでもない誰かがな。
じゃあはぁ…犯人は一体?この薬をいつも持ち歩いている人間。
そいつが寺内さんと佐々木さんを殺した犯人だ。
はぁはぁ…。
まあ要するにお2人さんはかばわなくてもいい相手をかばうためにわざわざうそをついてたってことだよ。
(真琴)田口先生。
あっ…。
藤原さん。
いかがですか?看護指導は。
自分が教える立場になるなんてねぇ。
でも今の若い人たちって意外にしっかりしてるんですね。
あれ?ちょっとすいません。
どうしたんですか?3人そろって。
(遥)速水先生がIABPを拒否したの。
(長谷川)このままじゃ速水先生の心臓はもう…。
ほかに方法は?速水先生ならこんなときでも何か思いつくんだろうな。
結局おれあの人みたいになれねぇよ。
誰にも無理ですよ。
速水先生みたいになるなんて。
いつも堂々としてて患者さんを前にびびったり迷ったりすることなんて絶対にしなくて。
違いますよ。
(真琴)皆さんご存じないんですか?速水先生がどうしてジェネラル・ルージュと呼ばれるようになったのか。
それは15年前の城東デパート火災で血まみれになって活躍したからじゃ…。
ほんとはねもう1つ別の理由があるの。
あの日救急車がどんどん押し寄せて上の先生たちはいらっしゃらない。
私たち看護師はまだ若い速水先生の指示を待つしかなかった。

(看護師)速水先生