大地と水
季節の移ろい…
そして作り手が込めた愛情…
そうして生まれた数々の宝物は料理人のもとで魔法をかけられたように優美な姿へと変わります
1年にわたり追い求めた至福のとき…
その新たな地平は…
本日の物語は「日本の春」和食が世界無形文化遺産となり日本で生まれる食材が世界から注目される中「日本の春」から始まる至福のときの物語をお送りしますそして本日はすてきなナビゲーターの方にお越し頂いてますフードコラムニストの門上武司さんですよろしくお願いしますよろしくお願い致します門上さん「日本の春」をどんな方にどう表現して頂きましょうか?今ですね実は日本だけではなくて世界から注目を集めている2人の料理人の方にご登場頂きます
(角野)世界が注目を集める方?はいこのお2人はですね実は日本で採れる野菜というものを特に重要視されてその野菜をですね突き抜けた意識でもってですね料理に変えてしまうというすばらしい才能の持ち主なんです
(角野)気になりますねそんなお2人が「日本の春」をテーマにどう表現して頂けるのかこれは絶対に注目でありますそうですね今回はどんな至福のときが訪れるのか楽しみですすごく楽しみです
「日本の春」を表現する料理人…
1人目はレストラン・HAJIMEの米田肇シェフ
緻密な計算と革新性で一皿を彩ります
アジアのベストレストラントップ50に今年も選ばれた世界も認めるトップシェフの1人です
世界から注目されるきっかけになったのがこの「地球」と名付けられた一皿
100種類以上もの野菜で表現するのは大地と海の循環
思ってるのが宇宙人がもしごはんを食べに来た時に是非地球に来たんやったらHAJIMEに食べに来いというような料理をするためには人間が考えた全部のこれがすごいやろうっていうものが詰まってるようなお店を作りたいっていうのはずっと思ってることです
「日本の春」を表現する料理人
もう1人は山形県のアル・ケッチァーノ奥田政行シェフ
世界の料理人1000人に選ばれた日本人11人の中の1人です
奥田シェフの作る料理の特徴は調味料を使わないこと
そして野菜がメインとなること
野菜への熱の入れ方で変わる味の変化や持っている辛み・甘みを織り込み一皿を完成させます
地球の今の状態を…土の状態とかを野菜っていうのはすごく物語って食べると分かるんですよなので地球のメッセンジャーだと思ってるのでその時の地球の大地の味を実に宿すのでそれをなるべく色んな人とかに伝えれるような仕事をしようと思ってます
そんな奥田シェフの作る料理を求めてアル・ケッチァーノには連日大勢のお客さんが訪れます
全国から山形・庄内に足を運ぶのです
世界も認める日本のトップシェフ2人が顔を合わせました
気鋭の2人に門上さんが聞いてみたかったことがあります
お2人とも野菜の使い方っていう野菜との向き合うというか野菜をどういうふうに自分のお皿の中に表現するかっていうことがある種の1つの特徴かなと思うんですけども野菜ってどういうものですか?もともとこの地球上に最初に生まれたのは動物じゃなくて植物なんですよね…っていうことはやっぱり植物がこの地球を表現してるといってもいいんじゃないかなと私たちは間接的にしか地球を感じることができないんですよねそういう面では地球を表現してるものの1つだなっていうふうには思います同じように地球の生態系の一部に人間が入るって考えてるんですが意外に植物の狙いから考えてったりするんですけど動物から食べられたいと思ってるトマトとかイチゴは動物から食べられたいと思ってるので生のまま食べれる動物から食べられたくないと思っている辛い大根とかそういうものは火を通すとかそれを食べることによって人間が地球の生態系の1つに入るっていうのがあって僕は植物の気持ちになるために1回土の中に一日入ってたので…
(一同笑い)実体験しないとと思ってそうすると自分の呼吸の音とか地下水の音とか全部震動で伝わってくるんですよその時で植物は根っこを広げてく…こんな人はなかなかいませんよねおもしろいと思いますねすごいおもしろいと思います
大阪・江戸堀にレストラン・HAJIMEがオープンしたのは5年前
絵画を描くように盛りつけられた一皿に世界が注目しました
そこに込められた思いとは?
地球上にずっと動いてる循環っていうものを表現できるんじゃないかっていうところからお皿を作ろうというのが一番最初のコンセプトです
緑にふんわりと載る泡…
貝のだしを泡立てたものです
循環の終わりであり始まり…
ではどのような工程で「地球」は完成するのでしょうか?
1つ1つ野菜を細かく切り0.1gの誤差もなく食材のパーツが作られていきます
同じ食材は同じ分量で切り分けられ丁寧に並べられます
それぞれが循環のプロセスを表現する構成要素です
この時米田シェフは一切手を出しません
オーケストラで言ったら真ん中で指揮棒振ってる感じですねみんなおのおのにレベルアップをして最高にいい音楽を作るというのと同じようなことです
野菜に火を通す温度も0.1度単位で管理
モヤシ数本をゆでる時もそれは徹底します
50度前後のところにうちのお店では標準を持っていっていてそうすることによって持ち味が引き出される
そして米田シェフにとってこのガストロバックという減圧加熱調理器も料理を作るうえで大切な道具の1つ
調理器具というより実験装置のよう…
これは山上で調理してるような状態なんですよね山上で調理すると要は圧力がかからない状態なんで外側に開こうとするんですよね開こうとすると細胞膜があく状態になるんですよね次空気を普通の状態に戻すと周りにあるオリーブオイルがその中に浸透するんですよね食感がまずシャキッとするのんと元に持ってるものよりも油が入ることによって塩を多く受けて元の持ってる情報をさらに引っ張り出せるってことでこういう調理法も取り入れてます
100以上の野菜すべての仕込みが終わるといよいよ盛りつけへ…
イマジネーションで描かれた絵画のようですが野菜はあくまでも精密に配置していきます
私は料理の見た目っていうのはすごく大切だと思ってるんですね0.何mm違っただけで全然イメージも変わると思うんですよねほんとに細かいところまで計算をしてやりたいと思っているのでそういうふうにしています
最後に貝から取った泡のドレッシングを盛りつければ完成です
米田シェフの作り描いた「地球」わたくし角野が頂きました
すっごい…大っきいですねそうですね
(角野)こちらが「地球」
(米田)「地球」っていう料理ですね
(角野)きれい…このお皿の青を入れたらない色はないってくらい色とりどりのお野菜が入っててここ崩して…また崩すといい香りが上がってきますねうーん貝の香りがフワッてしますよほんとにどれもかたさとやわらかさがちょうどいいあんばいですねそれぞれがこのお野菜こんなにおいしかったんだって再発見するような…
米田シェフが料理を作り出すうえで絶対不可欠なノート
そこには計算された食材の配置・調理法のイメージが細かく記録
完成の一皿まですべてを紙の上で構築します
「料理は建築と同じ設計図がなくては建てられない」とシェフは言います
厚さ3mmのフォアグラ
これも綿密に計算されて割り出されました
上に載せる塩粒の数も決まっています
塩のバランスは味のバランス
ピンセットを使ってその配置の微妙な調整をします
フォアグラに白ワインビネガーを煮詰めた甘い香りのソースとあめをかければ完成
題して「破壊と同化」
フォアグラの下にはカボチャのピューレとナッツ
土台はクッキー生地
きっちり測った秘密はひと口サイズでした
そしてデザートには…
うわー…かわいいデザートまでアート
「愛」と名付けられたデザート
これはまだつぼみなんです
球体の容器にイチゴのアイスクリームを入れここでなんと液体窒素を使います
マイナス196度の中でおよそ1分
容器を冷やし続けると…
中が空洞になった球体のアイスクリームが完成
カチカチに凍っています
その中に生のイチゴやクッキーなどが入りさらに花を咲かせるような演出がありました
赤いイチゴソースを球体の中に注ぐと…
(角野)すごい中からソースがあふれてきました温かいソースなんですねうわ〜うーん…トロッとしたイチゴとクッキーのサクサクが最高ですね次はどんな味なんだろうって思いながら進めていく感じがたまらないですね楽しい
緻密な計算と革新的な技法は小さな宇宙を一皿の上に表現していきます
その味は深く心がとりこにされます
もう1人のトップシェフ・奥田シェフが生まれ育った山形県の庄内平野
2000年3月その地に奥田シェフがアル・ケッチァーノをオープンさせました
何かほかと違うものを…と目に留まったのが地元の野菜在来種
昔から地元で作られてきた野菜を探し求め料理に取り入れてきました
そうしていくうちに生産者とも深い絆で結ばれるようになったのです
仲間であり友達であり同志でありっていう…なくてはならないですし家族と同じように考えてます意外に心意気のところでおいしさというのが出てくるので「奥田シェフのためだったらおいしいの作っていこう」とかそういうふうにしてくださる生産者の方が多いんです
3年前の震災…
奥田シェフは店を休んで被災地で炊き出し
産地の復興をそこからスタートさせました
また消えかけていた在来種を復活させる活動を後藤さんと共に始めました
平田地区で江戸時代から作られてきた
かろうじて保存されていた種を奥田シェフが探して回り消滅の危機から今では全国に名の通ったブランドに
作物に対する熱意がすごいんです今までさまざまな人来たけどもやっぱり奥田さんの右に出る人はいないっていうふうに思いますしわれわれも奥田さんの気持ちがあるから一生懸命いいものを作ろうっていうそうすれば平田赤ねぎの将来も明るいんじゃないかっていうふうに思ってて奥田さんは全国に歩いて赤ねぎのことを宣伝してくれて私たちは助かってます
在来種・平田赤ねぎの魅力はその色
そして生で刻んだ時のきりっとした辛み
火を通した時のねっとりとした甘み
赤ねぎが採れるぐらいに庄内浜ハタハタがいっぱい揚がりますのでハタハタと酸っぱい赤ねぎを合わせた料理ですメインは赤ねぎです赤ねぎを食べるためのハタハタがドレッシング代わりです
それは奥田シェフならではの料理哲学
素材の味を活かすには3つの食材の味でまとめて5:4:1のバランスに口の中をするっていうのが素材の味が活きる法則ですなので赤ねぎの味が5ハタハタの味が4…で1の酸味っていうそういうふうなバランスを取ります
ねぎの先端をつけたお湯でハタハタの臭みを消しハタハタが住んでいた海域の海水で作られた塩を投入
必ずこういう海のものは真水で洗わないんですね真水で洗うとそっから一気に味が生臭くなっちゃうんですなのでこういうふうにペーパーで取っていくっていうことをやります
ハタハタを湯がいたスープにシェリービネガーを入れ酸味をつけます
そこに平田赤ねぎをサッとくぐらせれば完成
生での辛さが特徴の平田赤ねぎは熱を通すことにより通常のねぎの1.5倍もの甘みが出ます
調味料をほとんど使わない奥田シェフの料理
わぁ〜!ねぎがどっさり載ってますね
赤が鮮やかに映える一皿
そこに込められたお味は…
いただきまーすうーん…ほんとにシャキシャキですねおねぎがほんとに甘いですね全然熱を入れる前に辛みがあるおねぎとは思えない甘みがありますおいしい〜!
続いてお皿に盛られた白い帯のようなもの
これもまた奥田シェフならではの料理です
うん?もしかしてじゃがいもですか?
(奥田)そうなんです
丸ごとむいたじゃがいもを生ハムの入ったコンソメスープで表面だけ熱を入れます
その訳は…
こういうじゃがいもとかさつまいもとかでんぷんを多く持ってるものは70度で50分加熱するとでんぷんが糖に変わるんですそれを68℃…2℃手前の温度で火を入れるんです68℃×50分加熱したのを冷まして3日間繰り返すんですそうすると生ハムの香りの入ったコンソメの味がじゃがいもに入ってでんぷんが麦芽糖に変わってない温度帯なので大根みたいにかつらむきできちゃうんです
試行錯誤の末たどり着いたじゃがいも料理
時間と温度という調味料が新しい味わいを生み出しました
かんでくとじゃがいもの中のでんぷんが唾液の力で甘くなるのでじゃがいもだって分かりますすごく野菜自体を計算されてるお料理ですね
野菜を知り尽くす奥田シェフだからこその調理法が編み出されていきます
最初にこのねぎの繊維を壊さないようにしながら色づけないようにして炒めていくっていうやり方ですこれたまねぎから出た糖分は120度ぐらいから色づいてくるんですその色づくと焦げの味でたまねぎの味が焦げの味に引っ張られちゃうのでそうしないようにするために90度付近で火を入れていきます
ボウルの中には刻んだたまねぎ
直接火を入れず熱湯の上で90度を保ちます
この作業が2時間続きます
そしてできあがった料理は極めてシンプル!
オニオンスープのような濃厚な香りが立ち上り食べてビックリの逸品です
普通これだけ甘みを出そうと思ったらきつね色になるまで炒めるっていうようなよーく炒めないとダメだと思うんですけど白いたまねぎ本来の色が残っていて食感もたまねぎのシャキシャキが残っていてでもしっかり甘いんですよね口の中にたまねぎの甘みがいっぱいに広がってるんですよね
人・大地・季節とのつながり
そこから生み出される奥田シェフの料理…
ふさわしい言葉は「豊か」
いよいよ新たな地平を目指した物語が始まります
一番最初に今回は「日本の春」というテーマで無理があるとか壁があるとかハードルが高いとかそんなことはないんですか?一番最初はすごくありましたうーん…でも子どもの頃山の中で虫捕ったりとか魚釣ったりとか葉っぱ取ってきたりとかするのと同じような感覚で今あるものをどういうふうにこのすばらしさを皆さんに分かってもらえるかなっていう仕事をすればいいのかなっていうのが私が思ってることなんで全く違う美意識を作ればいいんだと思った瞬間に私はすごく自由になったんで奥田さんの場合はですね別に意識はそんなにされてなかったんですか?そうですねなるべくイタリアンで口に入れた時にすべての素材の味がしなくてはいけないのでその時に3つの食材で味をまとめようと思ったんですね素材の味が全部するものあとは3口目でおいしいっていうお母さんの味っていうそういうふうな定義付けをして自分でストライクゾーンを作ってってこの自然の中でやる料理は何かなっていうふうに考えたら自分の答えが分かってどれだけ引き出しがね次から次に出てくるんで…
福島県郡山市
奥羽山脈と阿武隈山地に挟まれたみちのくの玄関口です
「日本の春」を一皿に表現するため奥田シェフはある生産者のもとを訪れました
土の中に冬の間埋まってる野菜を探しにきましたこの野菜作ってる方もすてきな野菜作るので
郡山ブランドの野菜を作り続ける鈴木さん
甘くシャキシャキした食感が特徴の寒じめのキャベツ…
アクが非常に少ない法蓮草
すき焼きに最適という意図的に曲げられた葱
ファンは全国に及びます
今ねシーズン的には大体春に向かってて冬野菜の最後の時季なんですけどにんじんがありますこれはですね御前にんじんっていいますちょっと普通の五寸にんじんに比べると若干面長なんですよ普通のにんじんは大体ねこの辺だと12月ぐらいで終わっちゃうんですが雪の中に置いといて完熟っつったら変なんですけども寒さにも耐えながら糖分を体全体に出して甘みもつけてっていう感じの時期になってるかなと思います
一方大阪のレストラン・HAJIMEでは閉店後に食材探しの会議が行われていました
食材担当の宮内さん
米田シェフは生産者のもとへ行きません
大体私は産地には行かないんですねっていうのがまぁ行ってしまうと情が移るっていうのがあるんですねまずは厨房に送ってもらっておいしいかどうかを決めたいと思ってるんです
翌日の午前4時前
宮内さんは大阪の中央卸売市場にいました
バイヤーの野木さんから情報を得るためです
野木さん春っぽい野菜が欲しいんですけどこの辺チーマとかアーサイ
(宮内)花野菜いいっすよねコース辺りとか
(バイヤー)春っぽい野菜ですねこの辺は花野菜以外だと何か春っぽいのってありますか?今はアスパラとか豆系ですね豆って…和歌山のうすいとか鹿児島の一寸うすい豆って…和歌山がいいんですか?
(バイヤー)和歌山がいいですね有名ですか?
(バイヤー)紀州うすいなんで一番関西では有名ですねやっぱり
その日のうちに和歌山県・みなべ町へ
生産者のもとへ向かいます
梅で有名なみなべの丘に畑はありました
はじめましてはじめまして
この地方でしか栽培されていないエンドウ豆・紀州うすい
稲見さんは今年で15年目を迎える生産者です
(宮内)めっちゃきれいすごいですねふっくら張りがありますねすごい
(生産者)やっぱりね採った瞬間から水分は抜けてくと思う…でもえぐくない…えぐいけど甘いですよねすごいこの時点でもう肇さんは結構そのものを引き出すような調理が多いんです野菜とかは特にもともとのポテンシャルが高ければ高いほど料理は絶対おいしくなると思うんでたぶん喜ぶと思います
弾けるようにみずみずしい紀州うすいを手に入れることができました
旬の食材を探す仕事はいつものこと…
情報があれば全国どこへでも飛んでいきます
やっぱりこれからホワイトアスパラガスがいいのかと思います夏も採れるは採れるんですけども春のほうが香り的にもいいしホワイトアスパラガスも香川県のものを探してみようかなと
香川県東部の三木町
温暖な気候を利用した日本一早く出荷できるアスパラガスの生産地です
ここで愛情込めて育てられた春を呼ぶ野菜・ホワイトアスパラ
そのクリーミーな歯触りと独特の風味には定評があります
取れたてがすぐに各地へと出荷されていきます
そして宮内さんが集めた食材が米田シェフの前に並べられました
さてその評価は?
どう?豆よかった?実入りはすごくよかったです
(米田)ほんと…まぁ結構安定してるよね甘みはどう?甘みもあった?
(宮内)はいアスパラのほうは?アスパラはすごいこだわって生産されてる感じだったんですけども北海道と比べて香りはいいのかなというあっほんとだねいいねきれいで
米田シェフの「日本の春」食材が決まりました
選りすぐりのおいしい食材を前にシェフの気持ちは高ぶります
料理人としては単にすごくおいしいものがあったからといってそのまま置くんだったら料理人いらないと思うんですよねおいしいものがあったらさらにそれをもっとおいしくできないかなというのが料理人の仕事なので素材からどれぐらい自分たちが料理をやっていけるかというのが大切だと私は思ってます
いよいよ米田シェフによる「日本の春」が形を持ち始めます
いつものようにノートで設計図作りから
アイデアが次々と紙の上に整理されていきます
シェフの瞳の奥にあるその完成形は…
2人のトップシェフの「日本の春」が完成へと向かっている頃
私たちは京都にいました
京都もすっかり春ですねそうですねやっぱり京都はですねここであの村田さんにですね「日本の春」を表現して頂いてそれをわれわれが食べるということになっておりますどんな春を見せてくださるんですかねこれは楽しみですよ楽しみですね
このあと料亭・菊乃井で世界無形文化遺産に選ばれた「和食」が表現する日本の春を堪能します
わぁ〜きれいですねきれいですね
京都・東山に位置する料亭・菊乃井
ミシュランで三ツ星を獲得し続けるなど世界から注目される和食の名店です
すっかり春のしつらえになったお部屋…
そこでまず頂いたのは…
先付
春蘭が添えられた鯛白子の酒蒸しに生この子
これをレモン汁のかかったぽん酢で頂きます
では八寸をですね…はいうわ〜!きれいですね桜が…
(門上)まず一番季節感を表現しやすくて毎月これならば例えばお花見とかまさにですね
(角野)今春を表現して頂いてるんですね1つ1つゆっくり味わいながら春を感じることができますね空豆というか一寸豆ねほんとにこう春の色というか青さが感じられてかつその程よい苦みというものがねやっぱりじんわり甘さが来るというほんとにこれは春らしい八寸ですねやっぱり日本料理の奥の深さというか季節感をストレートに出すんではなくて色んな…複合して出すというのはすごいとこですよねこれはね
蓋物は「ぐじ桜花蒸し」です
露ショウガのあんには煎り道明寺がちりばめられわらびが添えられます
甘みの乗ったぐじは桜の葉で巻かれまるで桜餅のよう…
日本の春をしっかりわれわれは頂きましたけど日本の春を村田さんの中ではどういうふうに解釈して今日のお料理になったんですか?今日の料理は桜にちなんだ料理でこの1週間しか使えない食材先付も雌雄同体のナマコが産卵期に入るごく僅かな時期だけのナマコの子ですしそして前菜で花見をイメージしてもらうここのお部屋ももうちょっと風が吹くと花びらがここの中にでも舞ってくるような外側みんな桜ですからね日本人は古代宗教で山の神が「さ」っていう神なんですよほんでそれが畑に降りてくるんですその間にトリップする木が「さが坐する」「さがざする」ほんで「さくら」なんですよ神さまが宿る木神さまが宿った時に花が咲くんです日本人のモットー心の深層に迫る部分に桜というのがありますからそこまで村田さんはお考えになってこのほんとに1週間だけの食材を見事に埋め込んで頂いて1週間だけっていうのがまたこの桜の季節のはかなさを感じますよね
日本人の心の深層に響く和食の春
奥田シェフの「日本の春」が完成しそうだという知らせが入りました
門上さんは山形アル・ケッチァーノへ向かいました
こんにちは
(門上)奥田さん久しぶりですいつもお世話になって…こちらこそもう食べれるんですよね?もう食べれるんですが今からもう1つ野菜を採りに行きたいのがありますので野菜をもう1品加えてくれるはい
シェフが門上さんと一緒に向かったのは鶴岡市のまだ雪の残る農園
こんな雪の中で一体何が採れるのでしょうか…
(奥田)おはようございます
(門上)こんにちはおはようございますこんにちはお世話になります
(奥田)1つだけのかぶで藤沢かぶっていう
(門上)ここだけ
(奥田)ここだけでしかもうちのためだけに冬採りに来てくれるんです
(門上)奥田さんのために…お金頂くと品物がいいとか悪いとかクレームつくと俺も頭来るし…だったら差し上げて使って頂いてお客さんに喜んで頂いたほうがよっぽどいいなんかここにもっと太い絆があるような気ぃしますよね
(門上)生で食べたいです
(生産者)このままであっ…鮮烈な雪解けのような
(門上)ものすごい食感があってそうですパリッて初めすごい甘さを先に感じるんですけども最後のほうにちょっとほのかな苦みというかこれが…
(奥田)感じると食べてると
(門上)これを日本の春の料理に入れて頂けるんですか?
(奥田)是非この藤沢かぶを目覚めさせます奥田マジックがここでかかるわけですね
「日本の春」食材がすべてそろいました
奥田シェフ完成へと向かいます
あえて切れない包丁でにんじんを切ることで断面を粗くし水分を吸収しやすくします
温度設定は70度
(奥田)でんぷんが麦芽糖に変わるんです野菜は70度で50分加熱すると甘みが出てくるんですそのあとは水と一緒にミキサーにかけるだけです
藤沢かぶ焼き畑で採れる個性的な在来種です
この子が生きていくために自分の身の中に宿した味を料理として味で表現するという
まずはかぶを薄くスライスします
そして…
(奥田)ここに動物と同じ体温を加えますだからこのままここに入れますこのままかじってる状況ストレスかけて「嫌だ俺を食べるんじゃないよ」ってことを今やってますここに二酸化炭素を入れますこのまま置いとくと辛くなりますこれで動物から食べられて辛みを出して僕は毒だよっていうことを教えるために今辛みを出したんです
いよいよ盛りつけです
御前にんじんのピューレでアクセントとなる赤をお皿に置きます
その真ん中に辛みを増した主役の藤沢かぶを盛りつけ…
さらにグリルした牛肉を載せ…
最後に土をイメージした焦がしたナメコの粉をまきます
うわっ来ましたね春です
奥田シェフによる「日本の春」が完成
うわっ来ましたね春ですこれが奥田さんの考える「日本の春」大地の中の根菜です
山形県の庄内平野で料理作りをする奥田シェフの「日本の春」
完成です
雪溶けに垣間見えた土
春を待ちわびていた野菜たち
命が沸き立つような力みなぎる情景を奏でる一皿となりました
うーん…にんじんのこのソースと出会うことによって複雑な甘みが生まれてきました
御前にんじんが持つ甘みは肉の脂とよく調和するのです
(門上)次は藤沢かぶと一緒に…あっ…この藤沢かぶの持ってる苦みとか辛みがすごく出てきてそれがお肉に絡むことによって今度はお肉の甘さがどんどん引き立っていくというこの野菜1つでここまで味が変わっていくのはすばらしいですね煮なくておいしいっていう春らしい料理を一皿にまとめてくれたというのはさすが奥田さんですね
庄内平野の野菜の味を知り尽くす奥田シェフならではの一皿です
一方米田シェフの「日本の春」も完成に近づいていました
まずは紀州うすいの調理に取りかかります
豆の外側を取りたいんですよね薄皮をそのために一度これを真空状態に持っていきますその時に1%の塩を中に入れると脱水の作用でもともと持ってる水分が出てくるので間に水が入り込むんで浮くんですよツルッとむける
真空状態で5分ほど置いた豆は皮が浮いてきます
豆1粒1粒丁寧に皮をむきます
精密な温度管理も重要です
野菜をゆでるお湯は沸騰直前の99度に設定
その温度にする理由は何なのでしょうか
(米田)青い野菜っていうのは基本的に葉緑素があるので一瞬で火を入れたいんですできるだけ短時間で香りを保ってやりたいんで99度ぐらいの温度を持っていって一気に火を通す
いよいよ盛りつけです
青いお皿の上で緑と白のアスパラが大地を割るように立ち上がります
手長エビもまるで踊るよう…
芸術の域に達するまで作品とは持っていくべきだといつも思ってますので
米田シェフによる「日本の春」
このあとその芸術ともいえる作品が登場
うわぁこれはまた…
米田シェフが奏でる「日本の春」
計算された精密さで盛りつけが決まります
お皿に表現された「日本の春」
門上さんにどう伝わるのでしょうか
うわ〜これはまた…立体ですねこれは
お皿の青は海を表現
打ち寄せる波は生ハムの泡
春の息吹・芽生えのモチーフは山…
それは野菜によって描かれています
まだひんやりとしている春風が一瞬吹き抜けていくかのようなリアリティー…
その味の行き着くところは…
かむと同時にホワイトアスパラが持ってる例えば苦みとか甘みとかが交互にやってきてそこにトリュフのソースが絡むことによってコクとか深みとかが出ていってホワイトアスパラにトリュフっていうこの大地のエキスっていうかそれを加えることによってより深みを持たそうというのかなという感じをしてます
紀州うすいは苦みの中に甘さが感じられます
一皿がほんとに米田シェフが自分の頭の中で描く春というものを大地そこから地球規模に広げられて表現された一皿だと思います食べる側の脳細胞をどんどん刺激し続ける料理ですねさすがですねこれは
悠久の時間の流れから切り取られた「日本の春」
その一皿には大地からもたらされた命のきらめきがありました
お2人にとって至福の料理ということはですねどういうものかと…どうですか?豊かであるっていうことがあって豊かっていうのは色んな気の合う友達好きなインテリア・好きな空間の所で豊かな中で気の合う人と一緒に食べて共感してそれが未来にその食べ物お皿によってそれに翼が生えて未来に飛んでって何かその飛んでったものが起こしてくれるというそれが至福で終わりのないもの未来につながるものっていうのが至福の料理だと思います
(門上)米田シェフは?そうですね私が考える料理の根本というのは一番最初たぶん人が食べる時ってそのまま食べたと思うんですねそれを調理した時に何か温かいスープみたいの飲んだ時にハァーっていう瞬間だと思うんですねその瞬間に感じるものっていうのは希望みたいなものじゃないかなって料理っていうのが実は希望を与えてるんだなって私はいつも思うんですねだから至福の料理というのは人に希望を与えるような料理じゃないかなと私は思います料理でねすごい深いというかおもしろいですよねやりがいがあるというかお2人の話を聞いてるとどんどんおもしろさも広まってくるし僕も土の中に埋まってはった…今まで言えなかった…
今年も巡ってきた「日本の春」
2人のトップシェフは大地とそこにつながる人たちとともにそれを優美に奏でました
その一皿を味わえばそれがまさに「至福のとき」なのです
ABCの土曜の朝が変わります
朝の8時は
(一同)旅サラダ2014/03/29(土) 09:30〜10:25
ABCテレビ1
YANMAR presents 至福のとき〜プレミアムマルシェ〜トップシェフが奏でる日本の春[字]
時代をリードする2人のトップシェフ・米田肇と奥田政行が「日本の春」をテーマに新たな一皿を創ります。世界無形文化遺産の和食の「春」も「菊乃井」にて披露。
ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
福祉 – 文字(字幕)
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