埼玉県と境を接する
ここに日本一卵を使う会社があると聞いて訪ねてみた
その数
きれいに洗われた卵は目にもとまらぬ速さで運ばれていく。
うわ〜見えない!
実はこれ卵を運んで自動的に割る機械。
おっ?その上には…
そうここはキユーピー最大のマヨネーズ工場
この機械は1分間になんと600個の卵を割ることができる
スローで見てみると下からナイフをあてて卵に切れ込みを入れる
そしてナイフが二またに分かれ卵を割っているのがわかるかな
マルの部分をよく見てて。
ほらパカッ。
手で割るのとまったく同じ
パカッパカッ。
白身は受け皿の切れ込みから流れ黄身だけが残る仕組み。
この機械キユーピーが独自に開発したもの
その様子をじっと見つめている1人の女性。
この目の動きにご注目
すると…。
何だ?卵の殻
ほんの一瞬で殻を見極めはじいていく。
お見事
こんな達人がいるキユーピーは
都内のスーパーを覗いてみると
キユーピーのマヨネーズが売り場を席巻…
普通のマヨネーズのほかからし入りやコレステロールゼロなど6種類を販売している
ちなみにキユーピーの「ユ」は小文字じゃなく大文字だって知ってました?
マヨネーズのランキングを見てみるとキユーピーがダントツ。
2位を大きく突き放している
今日ちょうど切れたんで。
いったいなぜ皆さんキユーピーを選ぶのか
今やマヨラーという言葉が生まれるほど日本人はマヨネーズ大好き。
お好み焼きにピザそしてオニギリの具までマヨネーズを使っている
通販大手アマゾンのアメリカ版サイトを見てみるとマヨネーズのランキングでキユーピーは堂々第2位
ユーザーがつける評価は満点の星5つが並んでいる
感想を見てみると…
…とベタ褒めだ。
いったい何が違うのか
実は欧米のマヨネーズは卵を全部使うがキユーピーは黄身だけ。
だから旨みが濃い。
原料は卵の黄身のほか大豆などの植物油とお酢にからし粉と塩のたった5種類。
その原料にもキユーピーはこだわっている
実はキユーピーマヨネーズ専用のお酢を作る子会社まで持っている
そこで作るのはりんごと麦芽を使ったマヨネーズに最適なお酢
更に油にはひと手間加える。
酸素に触れると品質が悪くなるため
そもそも油とお酢は混ざり合わない特性がある。
かき混ぜてもこのとおり。
そこに黄身を入れるといわばつなぎとなって混ざり合う。
これを乳化という
キユーピーでは乳化の精度を上げ粒子が1000分の2ミリになるまで混ぜ合わせなめらかさを出している
手作りと比べると粒子の大きさが全然違うでしょ
ここは今回特別に取材が許されたセクション
こちらは試作。
酸味を少しずつ変えたマヨネーズ
それを小窓の前に置くと中には人が…。
ありゃ閉められた
裏に回ってみると中にいたのは社内試験に合格した味覚の達人たち
チェックする人が誰かは社内でも秘密。
だから顔は映せません。
ポイントは甘みや酸味など11項目
こうしたテストを年に6回も行って時代に合わせて少しずつ味を進化させているのだ
ここは去年10月に完成したばかりのキユーピーの本社。
上から見ると六角形の変わった造りになっている
日本で初めてマヨネーズを作ったキユーピーは
廊下を歩いていると…。
壁になぜか1分6秒の文字。
そして床には線が引いてある。
1目盛り1秒で歩くとその秘密がわかるというので実際に歩いてみた
到着!ほぼ3分。
ひょっとしてこれは…
そうキユーピーといえばこの番組。
50年前からやっている民放でいちばん長い料理番組だ
この老舗マヨネーズメーカーを率いるのが社員食堂にいたこの男。
サラダにドレッシングをたっぷりかけて…。
えっその上にマヨネーズも?
(スタッフ)両方かけるんですか?おろしタマネギドレッシングとマヨネーズですね。
今度やってみます。
ええぜひ。
そうキユーピーといえばやっぱりマヨネーズやドレッシングなどの調味料ですよね。
ところが売り上げに占める割合を見てみると…
実はさまざまな分野に手を広げている
カット野菜のシェアは業界トップの30%。
マヨネーズを売るためにサラダまで売っていたのだ
更にジャムのアヲハタがキユーピーのグループ会社だって知ってましたか?マーマレードの先駆け的な存在だ
キユーピーはマヨネーズで使う卵を
例えば…
これはリゾチームという粉末
使い道はなんと風邪薬。
成分表を見てみると…。
ほらリゾチームと書いてあるでしょ
実はキユーピーはリゾチームの国内最大級のメーカーでもあるのだ
マヨネーズには使わない卵白はケーキやかまぼこのメーカーに…。
そしてキユーピーは殻も捨てない
殻は粉末にしてチョークやカルシウム剤などの原料に…。
更に殻の内側についている卵殻膜までも。
これにコラーゲンを生成する働きがあることから…
オンリーワンの商品と技術でキユーピーの売り上げは絶好調
一見経営を多角化しているように見えるキユーピー。
だが村上龍はこう指摘した…
小池さんもやっぱりマヨネーズ好きでしょ?大好きですね。
僕特にマヨネーズはサラダっていうよりも温野菜につけるっていうのが好きなんですよ。
スナップエンドウとか茹でた野菜とかにはもうマヨネーズ以外考えられないですね。
マヨネーズって食べ比べすることってたぶん皆さんあんまりないと思うんですけど大きく味の違いっていうのはどういったところに出てくるんですか?ほぼ100年の歴史があってそれぞれ消費者の味の好みとかも違いますよね少しずつ。
それでキユーピーマヨネーズも少しずつスモールチェンジみたいなのされてるんでしょうか?瓶をいわゆるポリボトルにかえたのはキユーピーが最初らしいですね。
一見ただの容器に見えるこのポリボトルにもすごい技術が…
これは品質を劣化させる酸素を通しにくくするため
ああいうマヨネーズが入ったポリボトルってあまり見ないですもんね世界的にも。
こちら見てください。
こちらはキユーピーの売り上げ構成比を表したグラフです。
マヨネーズのダントツ企業ですがそれを含めた調味料事業は売り上げの4分の1。
27%にすぎないんですね。
これたぶん見てる人はびっくりする人多いと思うんですけれども…。
この物流がほとんど4分の1の売り上げ比率っていうのはどういうことっていうか…。
どうしてその物流システムをもつようになったんでしょうか?そういった運搬車のニーズが多いですもんね今。
企業の多角化っていうようにも見えるんですけど僕は逆にですね…。
調味料が27%でこのなかでマヨネーズが10%くらいだって聞いたんですが…。
逆にどういうわけかマヨネーズひと筋みたいな印象があるんですよ。
多角化であればあるほど。
マヨネーズに使っている原料だとかそしてタマゴ。
流通もそうですよね。
キユーピーって背伸びしないんじゃないかと…。
そうですね。
日本で初めてマヨネーズを作ったキユーピーの
水産関係の専門学校を卒業後缶詰の仲卸業をしていた
缶詰の製造法を学ぶため渡米した折サケとタマネギをあえた料理が出された。
そこに使われていたのが
栄養価の高さに注目した中島は日本独自のマヨネーズの開発に乗り出す。
卵黄だけを使ったコクのあるもの
だがなじみのない調味料…まったく売れなかった
栄養豊かなマヨネーズを日本に広めたい。
中島がとった戦略は実に地道なもの。
当時珍しかったアンケートもその一つ。
客の声を商品に反映していった
更に新聞に小さな広告を出し続けた。
大きな広告をたまに打つよりしょっちゅう目に触れるほうが大事だと考えたからだ。
そこではマヨネーズを使ったレシピを提案し続けた
それはなんと今でも続いていて毎月こんな広告が。
大きさもほとんど変わらない。
地道な戦略でマヨネーズを広めていった中島の言葉は今もキユーピーのモットーとなっている
中島董一郎…創業者の言葉なんですけども僕ほんとにすごいなと思ったんですが。
食べ物の世界に改善とか改良はあるけども科学技術で例えばパソコンができたりスマートフォンができたり…というような革命はないんだと。
だからその原料の持ち味をいかにそのまま消費者に届けるかというのが基本なんだと…。
小さい改良改善を重ねるというのはやっぱりこの創業者の言葉を守ってるってことですもんね。
そうですね。
まぁ科学だとかそういうことと違いまして…。
小さな新聞広告を今でも出してるというのはすごくおもしろいと思うんですけども…。
こちらですね。
昔のと今のがありますけれども。
25年のこの広告は画期的だと思うんですよ。
僕今2014年にこれ出さなくてもキユーピーマヨネーズ知らない人いないですし…。
これ効果あるんですかね?そこにあるということでちょっとした気づきですとか…。
「毎日のお食膳に」って…お食膳って知ってた?いいえ使ったことないです…。
言葉古くないですか?少し。
これちょっと深読みしすぎかもしれませんけど中島董一郎が革命はないと…。
小さな改良とか改善を重ねていくんだといったことと通じるところがある…。
そうですね。
このあとはこれであなたも料理上手。
マヨネーズの裏技レシピを大公開!生のエビにマヨネーズをぬっていったい何する気?
ここはキユーピーのテストキッチン。
マヨネーズの新しい使い方を日々研究している。
そこで開発部員お勧め
まずは…
市販のホットケーキミックスに卵と牛乳を入れて…。
えっその中にマヨネーズ!?しかもたっぷり!
ほんとだ。
ふっくらしてきた!
中はふんわり外はカリっと仕上がるというからやってみて!
生のエビにマヨネーズをたっぷりつけてパン粉をまぶすだけ
簡単エビフライの出来上がり
こうしてマヨネーズを研究し続けているキユーピーは実は
この日は卵が持つ乳化作用を使ってプリンをなめらかにする研究の成果が発表されていた
キユーピーでは卵黄から乳化させる成分だけを抽出。
この「レシチン」という天然の成分をプリンに加えるとなめらかになるのだ
こうした技術はさまざまな卵の加工食品を生みだしている
この外食向けの冷凍オムレツもその一つ
その名も…ひらけオムレツ
解凍してケチャップライスにのせて…
切れ込みを入れると…
開いた!トロトロ!なんでこんなことができるの!?
マヨネーズの
こうしたタマゴ技術は外食業界から引っ張りだこ
実は野家のこの半熟タマゴがキユーピーの商品だ。
加熱条件を研究して絶妙のトロトロ具合。
野家を含め
こちらはハンバーガーの
ここでもキユーピーの商品を使ったメニューがある。
半熟タマてりバーガー
サンドされている目玉焼きがキユーピーの商品だ。
凍ったまま鉄板にのせて…。
フタをして水を注ぎ蒸し焼きにするだけ
この目玉焼きたとえ焼きすぎても黄身が固まらない。
アルバイトでも失敗せずに半熟の状態で出すことができる
こちらの女性このタマゴの大ファン
ロッテリア側もキユーピーの技術にベタぼれだ
他には使ってると思うんですけどね。
こうまで言わせるキユーピーの技術力。
工場をのぞいてみると常識破りの作り方をしていた
まず白身だけを焼いてあとで黄身を加えている
そしてそれを白身でサンドして黄身を包み込む。
なるほどねぇ
こうしたタマゴ加工食品の売り上げは右肩上がり
フワトロの冷凍オムレツ食べたいなと思うんですけども一般向けには販売されてないものなんでしょうか?でもなんで冷凍したままあんなにフワフワなんですかね?秘密ですよねなるほど。
タマゴの持つビジネスとしての可能性っていうのを徹底的に追求されてるような気もするんですけどもマヨネーズを中心として。
そのキユーピーの姿勢とか技術の高さっていうのは他の追随を許さないものですかね?歴史が違いますよね。
このお歳暮誰に贈るのかな?
受け取ったこの人いったいどなた?
まもなく創業100年を迎えるキユーピー。
創業者が始めたうらやましい習慣がある
見せてくれたのは去年配ったお歳暮
これが去年のお歳暮実物です。
お中元もあわせて年2回
中身は新商品を中心によく使う定番商品など。
干支をあしらった瓶詰めマヨネーズ。
これ欲しいねぇ
そういう趣旨で続けています。
娘がキユーピーで働く山口さんのお宅におじゃました
あの干支の瓶を花瓶に使っていた
毎年捨てずに大切にとってある
会社が社員の親に仕送り。
なんとも珍しい制度だ
こうした制度を創業者の中島が始めたのには訳がある。
それは繰り返し襲った危機。
戦後の物のない時代にはマヨネーズが製造できなくなり多くの社員が中島のもとを去った
10年に及ぶ労働争議で工場がストップしたこともある。
幾多の危機を乗り越えた中島はこんな言葉を残している
今もこの精神を受け継いでやっていることがある。
社員同士でチームを組み自主的に職場の改善に取り組んでいる。
例えば工場を汚さない方法を考える…
荷物をいかに楽に運ぶかを考える…
あるチームの活動ぶりを見てみよう。
ここは原料の搬入口。
そこには床がピカピカになるまで磨いている面々がいた
なんとフォークリフトのタイヤまで。
彼らは
掃除専門のチーム
こちらにも別のチームが…
(スタッフ)皆さん何チームなんですか?たまらないラインです。
たまらないチームはどんなことをやっているのか見せてもらった
マヨネーズを充てんする前空のボトルを青いカップに入れていくが以前はトラブルが多発。
ラインがよく止まっていた
ボトルをよく見るとひとつだけキユーピーがこっちを向いている。
これがトラブルのもと
このカップの内側はボトルの形に合わせた楕円形
そこでチームでアイデアを出し合い改善した
こうした活動の積み重ねで工場の生産量は3年前の1.5倍に
給料よりもやりがいってあんなふうに笑顔で言えるのってすてきだななんて思いましたけども。
ありがとうございます。
楽しそうでしたね皆さん。
そうですね。
表情も明るいですもんね。
そうですね。
あとテレビの取材来てるわけでしょう?ああやって「カンブリア宮殿です」とか言って。
給料が上がらないとかってああやって言えるってことがまずすごいですよ。
立場が悪くなる会社だったら言えないでしょう。
言えませんとかまあまあですとかわかりませんとか。
だから何でも言えるってことですよ。
工場で働いてる人が。
それがすごいなと…。
でもまったく上がってないわけじゃないでしょう?もちろんです…。
楽業偕悦の精神だと思うんですけども社員のご両親にお中元お歳暮とああいったものを送るというのはなぜといいますか…。
よく傾いた企業で給料の現物支給ってのを…。
その逆ですもんね。
去年7月キユーピーは5年ぶりにマヨネーズの値上げに踏み切った
アベノミクスによる
これまでも値上げと値下げを繰り返して価格と闘ってきたキユーピー。
この局面にあって三宅は次の一手を打とうとしていた
このあとは度重なる危機を乗り越えてきたキユーピーの本当の強さに迫る
収録を終えて村上龍はこんなことを考えた
2014/03/13(木) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
カンブリア宮殿【かぜ薬から牛丼のタマゴまで…大躍進キユーピー!知られざる戦略】[字]
扱うタマゴは国内生産量の1割!マヨネーズのシェアは6割!だが躍進の秘密は意外な技術に…。巨大食品メーカー、キユーピーの独自経営に迫る。裏技レシピも紹介!
詳細情報
番組内容
マヨネーズの市場で6割という圧倒的シェアを誇るキユーピー。1925年に日本で初めてマヨネーズを製造し、今や売上高5300億円に成長している。だが実は、マヨネーズなどの調味料事業の売り上げは、全体の3割にも満たない。タマゴの加工食品やサラダ、さらにはタマゴから抽出した医薬品の成分製造など、マヨネーズから派生させた様々なビジネスを手掛けているのだ。
番組内容つづき
そんなキユーピーには、実に珍しい制度がある。新製品などを“ある人たち”に送るのだが、その送り先とは…?
一方、社是として「楽業偕悦」を掲げるキユーピー。志が同じ人と仕事をして喜びを共にする…ここには、激動の時代をくぐり抜けた創業者の、食品企業としての理念が込められている。技術力で躍進する巨大食品メーカー、キユーピーの独自戦略に迫る。
出演者
【ゲスト】キユーピー社長・三宅峰三郎
【メインインタビュアー】村上龍
【サブインタビュアー】小池栄子
関連情報
【ホームページ】
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/
【公式Facebook】
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