今年1月アルゼンチンのある街で私たちは光る飛行物体を撮影した。
時刻は深夜0時45分。
私たちの視界に入ってから十数秒間ほぼ水平に飛行したあと山陰に姿を消した。
人工衛星にしては光が大きすぎる。
飛行機であればもっとはっきり点滅するはずだ。
人工衛星でも飛行機でもないなら私たちが撮影したものは一体何なのか?ここは世界で一番UFOが目撃されるといわれる街アルゼンチン・カピージャデルモンテ。
カピージャデルモンテには「奥深い空」という17年間続いている人気のUFO番組がある。
DJのフェルナンドさんはUFO専門の記者として長年この街のUFOを調査してきた。
取材を申し込んだ私たちにフェルナンドさんは自分の番組に出演する事を提案した。
番組の中でなら取材に応じるという。
1月9日午後7時20分。
ラジオで生放送しながらのインタビューが始まった。
「地球イチバン」という番組で…。
・「地球イチバン」という番組で地球で一番の所を訪ねるという番組なんですね。
カピージャデルモンテという街が世界で一番UFOが見える街なんじゃないかという事で訪ねてきたという事なんです。
ラジオの番組の中でちょっとインタビューという形で質問させて頂きたいんですけども。
初めにフェルナンドさん自身がカピージャデルモンテでUFOというのを実際ご覧になった事があるのかどうかを聞きたいんですね。
最近ではいつご覧になったんでしょう?一番近い…。
これは?実際に訪れるまでそんなにUFOを目撃できる街があるなんて信じられなかった。
私たちがカピージャデルモンテを訪れたのはラジオに出演する6日前の1月3日。
日本を出発して飛行機を乗り継ぎ車に乗り換えておよそ40時間。
アルゼンチン中部に連なるコルドバ山脈を越える。
見えてきたのはアルゼンチンで聖なる山とされるウリトルコ山。
目的の街はその麓に広がっている。
街に入るとメインストリートは人でにぎわっていた。
標高が1000m近いカピージャデルモンテは昔から避暑地として有名で真夏の1月は最も観光客が多い。
通りにはカフェーやレストラン土産物屋が軒を連ねている。
この街のどのくらいの人がUFOを見た事があるのだろう?どうもこんにちは。
オラ!オラ!地元の方ですか?UFO見た事ありますか?あの山なんですね。
僕らUFOの取材で来たんですけどUFO見た事ありますか?この街がUFOで有名な事については彼はどうお考えなんでしょう?そうですか。
何回見た事あるんですか?見た時はどういう気持ちになったんでしょう?彼女が娘さん?娘さんは見た事あるのかな?UFO。
見た事ありますか?UFO。
へえ〜!どうしてこの街はこんなにUFOが見れるとお考えですか?でも実際光るものは見えるんですよね?ありがとうございます。
サンキュー。
こんにちは。
オラ!オラ!地元の人ですか?皆さん。
UFOって見た事ありますか?
(太鼓)UFO見た事ある人は手を挙げてもらっていいですか?後ろの人も聞いてもらっていいですか?この日私たちが声をかけた43人のうち33人がUFOを目撃していた。
8割近い割合になる。
ただしUFOといっても彼らの多くが見ていたのは空を飛行する正体不明の光だった。
ちょっと運転手さんに聞いてみましょうか。
アルベルトさんはUFOは見た事あるんでしょうか?最近ではいつその光を見たんですか?ちょっと谷になってるとこ?あ〜!
(通訳)いつもそこで見えます。
少しくぼんでますよね。
丸くなってくぼんで谷みたいになってる。
谷というかへこんでる。
そこで昨日も見たと?僕らもいつか見れますかね?このカピージャデルモンテという街では割とたくさんの人がUFOを普通に見てる。
どうしてこのカピージャデルモンテではUFOがこんなたくさん見えるんでしょうか?割と鉱物資源とか自然の…自然が持ってる力の事ですか?ここからは実際に取材に当たった矢部ディレクターに話を伺います。
結局どうしてこの街ではこんなにUFOを見る事ができるんですか?この街に住んでる方にいろいろ聞いてみたんですけども返ってくる答えは非常にさまざまで実際何が本当の理由なのかという事についてはやっぱり分からないという感じなんですね。
ただウリトルコ山にはさまざまな鉱物資源があってそれが電気を蓄えてプラズマを発生させそれが光る物体になってるんだという事を唱えてる学者もいます。
一方で住民の中では本気で宇宙人の存在を信じていてこの土地のエネルギーが宇宙人を呼び寄せていると。
だからUFOがたくさん見れるんだというふうに言ってる人もいるんですね。
あの〜カピージャデルモンテの街っていうのはどんな感じの街なんですか?非常に自然が豊かで何かやっぱり穏やかな空気が流れてる感じでしてこの街にいるとあまりに多くの人がUFOを見てるのでUFOを見れない僕らの方がおかしいんじゃないかっていう気分になってきちゃいますよね。
なるほどね。
この街に来たからには私たちもUFOを見たい。
そう思うようになっていた。
フェルナンドさんにお願いするとウリトルコ山のすぐ隣にそびえる山に向かう事になった。
トレッキングのツアーに参加し山の頂上でUFOを待とうというのだ。
カピージャデルモンテでは自然と触れ合うさまざまなツアーが組まれている。
スタッフの女性が前日同じツアーに参加した家族の話を教えてくれた。
登り始めて2時間が過ぎようとした時間近にウリトルコ山が現れた。
カピージャデルモンテの周辺に広がる美しい大自然。
人々はこの雄大な山や空に長い時間見とれているうちにUFOを目撃してしまうのかもしれない。
日が沈みかけてきた。
山頂に近づくにつれ空が広くなる。
ようやく山頂にたどりついた。
ここでUFOを待つ。
地平線が足元に落ち視界のほとんどが夜空になった。
しかしUFOはなかなか現れない。
なかなかでもUFOって見れないもんですね。
結局この日はUFOを見る事ができなかった。
夜11時カピージャデルモンテが最もにぎわう時間。
地元住民も観光客も一緒に長い夜を楽しむ。
カピージャデルモンテは1980年代にUFOの街として有名になって以来観光客の数が飛躍的に増えている。
(拍手と歓声)何か日本語で言って下さい。
おはようございます。
もう長いですか?ここカピージャは。
え?いえ1週間。
イッシュウカン!彼UFO見た事ありますか?UFO見た事あります?UFOで有名になってから街の人口も増えた。
この20年間で1.5倍になっている。
私たちは夜ごとUFOを待つ事にした。
宿泊しているホテルの屋上でカメラを構え夜空を眺めた。
空にはさまざまな光が現れる。
これは飛行機。
尾翼で点滅するライトが認識できる。
夜中の3時を過ぎた頃ウリトルコ山の中腹に不思議な光が現れた。
さっきより左に行ってる?さっきより右下の方じゃない?右下?あっ左上が光ったな今。
あ〜あれか。
はいはいはい。
弱いけど空。
あっ下も光ってる。
下光った?何か所も光ってる。
すごい!あっ赤い!いや分かんない。
赤くなった!今白い。
というかね横に長いんですよ。
横に長いです。
あっ今ピカピカしてる。
何だ?あれ。
矢部さんテープが…。
テープお願いします。
テープがない。
あれ終わっちゃった?あっ来た来た来た!あっホントだ。
光ってる。
聞けばこの光は夜に山登りする登山客のライトだという。
暑い日中を避けて夜中にトレッキングするツアーもあるそうだ。
カピージャデルモンテがUFOの街として広く知られるようになったのは28年前のある事件がきっかけだった。
パハリージョ事件についてなんですけどちょうど今日が1月9日なので今から28年前1986年の1月9日に何て言うんでしょうか山の所にかなり巨大な焼け跡があってUFOが着陸した跡だっていう。
パハリージョという山に一夜にして現れた焼け跡は直径が100mを超える巨大なものだった。
世界最大のUFOの着陸跡として当時大きく報道された。
これについてはホントにUFOが山に着陸したんでしょうか?焼け跡は本当にUFOの痕跡なのか。
それとも人の手による捏造なのか。
当時実際にこの事件を調査した人物を訪ねた。
エクトルさんは雑誌の記者として事件を調べこれをUFOの着陸跡だと結論づけた。
これはエクトルさんが調査してそれを基にした記事なんですか?その焼け跡がUFOの着陸した跡だというふうに結論したのはどういう根拠からなんでしょうか?このガブリエル少年は何を見たという?この絵がその絵ですか?ガブリエル少年というのは今でもこの街にいるんですか?ガブリエルさんがそうやってその後いろいろ何て言うか…アルコール中毒になったりしたのはどうしてなんですかね?私たちはガブリエルさんの行方を追った。
唯一の手がかりはガブリエルさんの父親が隣町で肉屋をしているらしいという事。
父親の名はルイス・ゴメス。
ルイス・ゴメスさんを捜しに来たんですけど。
ルイス・ゴメスさんを捜しに来たんですけど。
じゃあ行ってみます。
サンキュー。
グラシアス。
サンキュー。
ガブリエル・ゴメスさんですか?訪ねた私たちの前に現れたのは意外にもガブリエルさん本人だった。
突然来て申し訳ないんですけどちょっとお話を伺いたいと思ったんですけど。
パハリージョ事件について私たち調べてるんですけども当時確かにその光というかUFOを見たのかどうかというのを確認で来たんですね。
インタビューする人によっては誘導するというか自分がいいように彼に語らそうとした人がいるとも聞いたんですけど。
ガブリエルさんにとってその光を見たというのはどういう体験だったんでしょう?ありがとうございます。
グラシアス。
サンキューベリーマッチ。
娘さんですか?へえ〜かわいいね!突然来てすみませんでした。
サンキューベリーマッチ。
グラシアス!グラシアス!サンキュー!サンキュー!ガブリエルさんは現在この街で公務員をしているという。
事件の影響で酒に溺れてしまったようにはとても見えなかった。
UFOを語る言葉は難しい。
本当の事と臆測やうそ作り話が混じり合って何が本当か分からない。
いかがわしい話も多いけれど全てがうそとも限らない。
本当の事に限って他人に言えなかったりする。
話したくない人取材で答えたくない人はどうして取材で話すのが嫌なんでしょうか?昔は…ちょっと前までは信用されなかったのが今世紀に入って割とちゃんと信用してもらえるようになったのは何が変わったんでしょう?以上で私からの方の質問は終わりです。
再び取材に当たった矢部ディレクターに伺います。
この街でも少し前まではUFOの事をオープンには話せなかったんですね。
そうですね。
やっぱりUFOの話をすると酔っ払ってたんじゃないかとかそんな目で見られていたようです。
さっきフェルナンドさんがUFOに対して社会が成熟したという話をしてたんですけどもそこで思ったのは目に見えないものとか科学的に解明できないものに対してそれを最初から全否定するんではなくて受け入れるという懐の深さみたいなものが社会の成熟なんじゃないかなというふうに思いました。
そういえば最近日本ではあんまりUFOの事話題になりませんね。
そうですね。
今例えば日本でUFOを見たと言ってもなかなか信じてもらえないような空気があるのかもしれないですね。
この街に来て2週間。
私たちはまだUFOを見る事ができないでいた。
UFOがよく目撃されている場所を探しては撮影を試みた。
UFOを待つ事4時間。
日本に暮らしているとこんなに長く空を眺める機会はない。
この日も結局UFOは現れなかった。
アルベルトさん今日UFO見れなかったんですけど…。
アルベルトさんその後何か同じような光る物体とかUFOをご覧になったんでしょうか?3日前?3日前ですか。
どうしてアルベルトさんよくご覧になれるんでしょうか?僕らもできたらUFO見たいんですけどアルベルトさんがよく見てる場所でよく見てる時間帯に私たちも同じようにUFOを見たいんですが。
あっそれは言わない。
大丈夫です。
これまでもフェルナンドさんにいろいろ連れてってもらいましたけどまだ見れてないんで。
難しいのは分かってますから。
翌日アルベルトさんは私たちを自宅に案内してくれた。
アルベルトさんが光る物体を見るのはいつも自宅の決まった場所だという。
家の裏手には大きな岩があってちょっとした見晴らし台になっている。
ここは街と山を一望できるアルベルトさんだけの絶景ポイント。
外出していた奥さんが戻ってきた。
アレハンドラさん?どうもどうも。
奥さんはUFOは見た事あるんですか?アルベルトさんご夫妻はカピージャデルモンテ出身なんでしたっけ?こちらに移り住む時に不安とかはなかったんでしょうか?この街に移り住む人たちにはアルベルト夫妻のように大都市の喧噪を逃れてくる人が多い。
日が沈んで空が一層深くなった。
こんな夜空に美しい光が飛んでいるのを見たら人はどんな気持ちになるのだろう?僕らがUFOというか光るものを見たいと思ったのは見たという人が結構見た体験を幸せそうにしゃべるんで僕らも見たいと思ったんですね。
この日もまた私たちはホテルの屋上でUFOを待っていた。
1月20日午前0時45分。
丸く光る物体がゆっくりと飛行しウリトルコ山の裏に消えた。
軌道が低すぎるため人工衛星でない事はすぐに分かった。
これまで何度も見ている飛行機の光とも違っていた。
飛行機なら尾翼部分のライトがもっとはっきり点滅するはずだ。
私たちはこの映像をフェルナンドさんに見てもらう事にした。
消えたんです。
これは飛行機は飛んでる時間なんでしょうか?いえ白でしたね。
これって結局UFOだったんですか?後日最寄りの空港のオペレーションセンターに問い合わせて撮影した日時には定期便も臨時便も一切のフライトが存在しない事を確認しています。
え!?…っていう事はやっぱりUFO?これ光を見てどうでしたか?幸せを感じましたか?う〜んどうですかね。
正直あんまり光を見ただけで幸せは感じられなかったかなという。
フフフフフッ。
もしかしたら私たちって光を見ただけでは幸せを感じられなくなっているのかもしれませんね。
鈍感…。
2014/03/13(木) 22:00〜22:50
NHK総合1・神戸
地球イチバン「世界一UFOに近い街〜アルゼンチン・カピージャデルモンテ〜」[字]
1月某日、撮影したフィルムに映っていたのは謎の光る飛行物体。飛行機でも人工衛星でもないならば、いったい何なのか。住民の8割がUFOを目撃している街でその謎を追う
詳細情報
番組内容
1月某日、夜空を撮影し続けたフィルムに謎の光る飛行物体が映っていた。専門家によれば、光の色や高度から、人工衛星や飛行機の可能性は低いという。この街では、住民の8割がUFO、飛行する光を目撃しており、未知の体験を求めて移住してくる人も多い。なぜここの人々はこれほどUFOを見ているのか、そこに何を感じているのか、そしてわれわれが撮影した光は何であるのか、謎に迫る旅。【語り】YOU
出演者
【語り】YOU
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:23343(0x5B2F)