カンブリア宮殿【血圧計だけじゃない!“元祖ベンチャー企業”の感動経営】 2014.02.27

ここは福島県西部に位置する
この雪深い町で今世界初のユニークな取り組みが行われているという
おっ何これ?
踏み俵という道具を履いて玄関前の雪を踏み固めているところ
危なくないですか?危なくない。
その角田さんが毎日欠かさずしていることがある。
取り出したのは血圧計。
もともと高血圧だという角田さん。
半年前にこの血圧計を買って朝と晩に測っているという。
この日の数値は…
たしかにちょっと高めかな。
すると…
画面には「送信中」の文字が
実はこれメディカルリンクというもので自宅で血圧を測るとその数値が自動的に病院に送られ医師が管理してくれるという
このシステムを開発したのが健康機器でおなじみの
この血圧計を使う前は手書きで数値をメモしていた角田さん
角田さんの血圧の数値が送られるのが町にたった一つの総合病院
その数値を管理するのが血圧の専門医
谷田部医師のもとには毎日町の人たちの血圧のデータが送られてくる。
いちばんのメリットは数値が自動的にグラフ化されるので血圧がふだんと違った場合ひと目でわかること。
ちなみに黄色が朝青は夜の数値だ
更に高い数値が続くと谷田部医師のケータイに患者のデータが自動的に送られる
そんなときは直接患者に電話して具合を聞く
このシステム去年の8月から町が主体となって始めた。
というのも…
さらにここ会津美里町は住民2万人のうち3分の1が高齢者。
だが病院はたった一つしかないのだ
ところで皆さん…
やっぱりオムロンといえばこの
世界中で使われている半分がオムロン製だ。
そしてけんおんくんでおなじみの
こちらは最新式の体重計。
なんと乗ればたったの4秒で体重や体脂肪率内臓脂肪など7つの数値が次々に表示される
更にスマートフォンをかざすと…。
はかったデータが転送され変動がグラフとなって表示されるという優れもの
しかしこうしたヘルスケア事業は実はオムロンの売り上げのほんの1割にすぎない。
残りの9割は何で稼いでいるのか
東京新宿駅。
この中にオムロンが開発した製品があるという。
それは…この自動改札機。
実は自動改札機を世界で初めて開発したのがオムロンだ
昔の改札といえば…。
そうそう駅員さんがこんなふうに切符を切ってましたよね
更に昔はボタン式だった券売機も…
今はタッチパネル方式に。
これもオムロンが作っている
鉄道だけじゃないここは羽田空港の搭乗口
チケットをかざすこの機械も…オムロン製だ
オムロンの屋台骨を支えているもの。
それはここにある制御機器というもので実に売り上げのおよそ40%を占めている。
いったいどういうものなのか
仕組みがわかるモデルがあるというので見せてもらうことに
案内されたのはUFOキャッチャーのようなこちらの機械
これはよくピックアンドプレースと言われてる
早速動かしてもらった
ロボットが何かを取っている
流れているのはいろんなアルファベット
確かに「R」の文字だけを取っている。
いったいどういう仕組みなのか
まずここに使われてるのが我々の
つまり目となる視覚センサーがものを捉え脳にあたるコントローラーを通して筋肉となるモーターに指令を出す。
そして手足にあたるロボットが実際に動くという仕組みなのだ。
ここでちょっと意地悪な実験。
不良品として手書きの「R」を機械に入れてもらう
果たして見分けられるか!?
手書きの「R」が来た
取らない!ちゃんと見分けた!
実際にこうした制御機器が最も使われているのがメーカーの工場だ。
ここはキユーピーのマヨネーズ工場
空のボトルが流れるラインの先には
ボトルの頭の部分を読み取り不良品がないかを一瞬にして見極めている。
こうした機器はあらゆる製造業の現場に組み込まれている今や
まさに製造業のための製造業として日本のものづくりを支えているのだ
1,100年の古都
オムロンの本社はこの地にある
リーマンショックを乗り越え売り上げは回復。
今年度は前の年より1,000億円もアップ。
7,500億円を見込んでいるがその半分は海外で稼いでいる
実はオムロンは世界各国に事業拠点を置き…
グローバル企業なのだ
この巨大企業を率いるのがこの男
山田は2011年49歳という若さで社長に就任。
11人抜きという異例の抜擢だった
山田のすごさはロシアにある。
ここはモスクワ市内の薬局。
店の棚には…オムロンの血圧計が!
実は血圧を測る習慣がなかったロシアに家庭用の血圧計を広めオムロン製をシェア50%にした人物こそ山田だったのだ
おはようございます。
オムロンでは毎朝必ず行われることがある
これは会社の憲法にあたる社憲。
オムロンは何を目指す企業なのかを示した言葉だ
詳しくはあとでももう一回やるんですけれどもオムロンがどれだけ先進的な企業なのか開発した製品を年表風に並べてみたんですけども。
これを見ると創業以来多くの日本初や世界初を生みだしている。
自動食券販売機や無人駅システム。
現金自動支払機などどれも私たちの暮らしを大きく変えるものばかりだ
世の中に課題はいくらでもあるので自分たちの技術であるいは…。
そういったオムロンという会社で山田さんはもともとヘルスケア一筋。
はい。
有名な話があってロシアの血圧計のシェアを50%にした男とオムロン内でも有名なんですよね。
今のその主力製品ですけど制御装置というとあいまいなんでセンシングアンドコントロールシステム…ユニットみたいな感じのやつってのは部品を提供するという感じではないですもんね。
違います。
私たちの身近なものとしてどういったものを…。
京都右京区の住宅街の一角に石碑がある
オムロン発祥の地。
ここにかつてオムロンの本社はあった
この辺り一帯は御室という地域。
実はオムロンという社名はこの御室からとったものだ
今年で創業81年を迎えるオムロン。
この類まれな企業をつくり上げたのが
優れた技術者というだけでなくその鋭い洞察力に村上龍は目を見張った
このあとは立石一真のすごさに迫る
立石電機製作所という大阪の小さな町工場から始まった。
創業者は電機技師だった立石一真
レントゲン写真用タイマーの開発を皮切りに日本初の超小型マイクロスイッチなどを次々と開発。
なかでも躍進のきっかけとなったのが
それまでのスイッチは金属同士が接触すると電気が流れる仕組み。
しかし工場のラインで使う場合何度もオンオフを繰り返すため接触部分の劣化が激しく寿命の短いことが課題だった
そこで立石電機が開発したのはスイッチ本体から磁力を発するというもの。
磁力にものが触れることでスイッチが入る。
接触部分がないため劣化はなく半永久的に使える。
だがその開発は困難をきわめた
あるとき開発担当者が立石に弱音を吐いた
すると立石は
技術者たるもの諦めずにどうしたらできるかを考え続けろ。
立石は社員たちにそう言い続けたのだ
そして2年後。
ついに無接点スイッチが完成する。
それは当時夢のスイッチと呼ばれ日本のオートメーション化が一気に進んだのだ。
更に67年。
立石電機最大のヒット製品が生まれる。
それが
60年代高度経済成長に突入した日本は働き手として地方から都市部に人が集まり通勤ラッシュが社会問題化していた。
特に改札は人で溢れかえった。
そこで鉄道会社は自動改札機の開発を大手メーカーに打診。
だが…
すべてに断られる
最後にたどり着いたのが
立石は即決でその依頼を受けた
そこから社運をかけた挑戦が始まる。
開発費はすべて自社負担。
主婦を集め荷物を持ったまま実験用に組んだ改札機に切符や定期券を通してもらう。
失敗しては改良しまた実験。
こうして4年後の67年。
ついに大阪北千里駅に世界初の自動改札機が登場。
日本の鉄道の歴史を変えた瞬間だった
立石のこんな肉声が残っている
技術で社会に奉仕する。
立石の思いは今も受け継がれている
この研究センターでは300人もの研究者がチームを組んで新製品の開発に挑んでいる
そのなかの1人チームリーダーを務める入社11年目の鮫島
どんな課題に取り組んでいるのかを聞くとそこには新聞の切り抜きが
トンネルの管理不備や橋の点検問題などインフラの老朽化についての記事。
これが鮫島たちのテーマだ。
国土交通省の調査によると
そこで鮫島たちが取り組んでいるのは実際の橋に無線センサーを取り付け
こうすることで崩落事故などの兆候を事前に察知できると考えているのだ
鮫島たちの挑戦は今どの段階にあるのか。
ここは地下の実験施設
設計した無線センサーを橋に見立てた金属に設置。
車による振動を想定して実際に揺らしセンサーからデータが正しく送られたかを確認する
実は今はまだどんな数値が出たら危険なのかという基準さえわかっていない。
ひたすらデータを集めている段階だ
社会の課題を技術で解決する。
これがオムロン魂だ
さっきからずっとこれを置いてるんですけど。
創業って書いてありますがあそこで立石電機という会社ができるんですけどこれがすごかったんですよね。
無接点近接スイッチ。
簡単に教えていただくとどういった…。
原点なわけですね。
はいそうですね。
なんか例えば偽札鑑別機ってこういうのってほとんど利益にならないわけでしょ?そうですね。
偽札団が捕まっちゃうといらなくなっちゃうんだよね基本的には。
でっかい偽札団が捕まると。
でもこの培った技術がこれに活かされたらしい。
はいそうですね。
だから僕ひとつ思ったのは立石一真さんのことを知るまでですねイノベーションというのは単なる技術革新とか技術刷新だと思ってたんですけどなんか違うんですよね?はいそうですね。
立石一真さんはおっしゃってるんですけどイノベーションというのは技術とサイエンス科学とそれからソサエティー社会が相互にニーズをらせん状にやりとりしながら進化していくんだと。
もちろん新しい科学的な発見があってそれが技術に活かされてそれがある製品になってそして社会生活を変えちゃう。
社会生活変わっちゃったんですよ。
あと僕思うんですけど例えばイノベーションというのがですね本質的に非常にカリスマ性のあるリーダーシップがあってかつ先見性がある個人のリーダーっていうのがいるんですよね?それはもちろん立石一真だったり盛田昭夫だったり最近ではもちろんスティーブ・ジョブズですけど。
そういうカリスマ的なリーダーがいない時代とかいないシチュエーションでどういうふうに進めていけばよろしいと思ってますか?
今や3万6,000人の大企業となったオムロン。
山田が社長に就任してから新たに始めたことがある。
それは時間が許すかぎり若手社員たちと直接話すこと
こうした話をする理由は山田に危機感があるからだ。
それは大企業病。
実はこの言葉の生みの親は他ならぬ創業者の立石一真。
1万人の大企業となった1980年代。
意思決定のスピードが遅れるなど組織が大きくなりすぎた問題に直面していたのだ。
大企業でありながらどうベンチャー精神を保つか?そのために行われていることのひとつがこれ
一人ひとりがベンチャーの担い手として開発のテーマや課題をプレゼン。
社会の役に立つと思われるものは積極的に採用される。
実は多くの製品がこの場から生まれているのだ
発表会から生まれた製品を見てみよう。
例えば…
これは何ですか?
取り出したのはさまざまな顔写真。
それをセンサーカメラにかざすと…
画面に性別と年齢が表示された
へぇ〜!写しただけでわかっちゃうんだ
だったら単なる老け顔はどうなのか?こちら当番組のディレクターいくつに見えます?
実は
写してみると…
見事正解!
こちらは実用化に向けて急ピッチで研究を進めているチーム。
うん?メンバーたちはなぜかパソコンに向かって変な顔をしている
何をしているのかパソコン画面を見ると…。
そこには5色の線が。
実はこれさまざまな感情を示すもの。
例えばカメラに向かって怒った表情をつくってみると赤が急上昇するという仕組みだ
これはカメラがとらえた人の顔をコンピューターが分析感情を認識するというもの
高齢者などの何か助けになるのではと
家電などに取り付ければ表情の変化だけで動かせるようになる
技術で人の役に立つ。
オムロンのベンチャー精神は私たちの暮らしを便利にしていく
今見せていただいた開発はもう少し詳しくお聞きしたいんですけどどういったことに使われる可能性があるんでしょうか?ああいった若い方たちの研究にどういった基準でゴーサインを出されるんですか?僕思うんですけどベンチャーっていうのと大所帯っていうのは結構バッティングするんじゃないかと思うんですよ。
そのへんを山田さんどういうふうにこれから社長として解決していかれるのかなとすごく興味あるとこなんですけど。
ここは湯の町
それをつくり上げた創業者の理念とは
温泉の町
ここにオムロン太陽という会社がある
実はここで働く
現在71人の障害者がオムロンのセンサーなどに使用する
このオムロン太陽が設立されたのは今から40年も前のこと
当時は障害者は保護するもので働かせることはタブー視されていた
だが創業者の立石一真は世間の非難をものともせず福祉施設と共同でオムロン太陽を設立。
障害者雇用の先駆けとなった
この工場で障害者をサポートするさまざまな装置も実はオムロンが自社で開発している
たとえばこれは左手だけで作業できる機械。
レバーを動かしモニターを見ながら部品を入れる位置を合わせる
そしてボタンを押せば自動的に挿入してくれるというもの
こちらは部品のホコリをとる空気が出ている間はランプが光るから耳の不自由な人にもわかる
こうした機械を導入することで生産性は一般の工場と変わらずれっきとした黒字会社となっている。
そしてなによりここには働く喜びがある
人と社会のために尽くした立石一真。
晩年こんな言葉を残している…
最もよくひとを幸福にするひとが最もよく幸福になる
僕がすごいと思うのはいわゆる福祉の工場をつくられたわけですけど1年目から黒字だったらしいですよ。
だから身障者の方たちを使うからそのボランティアで利益なんかどうでもいいじゃないかじゃなくて「黒字にするんだ」と言ったらしいんですよ一真さんは。
黒字化にはやっぱりオムロンの技術が必要だったんですよね?はいそうです。
オムロン太陽は海外でも展開されてるんですよね。
そうですね。
どうですか反応は?現地の方々…。
ちょっと今後のオムロンについて1つお伺いしたいんですけど。
はい。
山田さん自身の言葉なんですけど。
いずれ売り上げを連結で1兆円。
かつ営業利益率を15%にする。
こういったことを宣言するモチベーションというか理由っていうのはなんだったんでしょうか?今後も私たちの社会生活を一変させるようなものがもしかしたら出てくるかもしれないわけですよね?
アベノミクスの成長戦略のキーワード
収録を終えて村上龍はこんなことを考えた
2014/02/27(木) 22:30〜23:24
テレビ大阪1
カンブリア宮殿【血圧計だけじゃない!“元祖ベンチャー企業”の感動経営】[字]

血圧計や体温計で知られるオムロン。実は、世界初の自動改札機や現金自動支払機などを生んできた“元祖ベンチャー企業”。創業理念を生かした感動経営に迫る!

詳細情報
番組内容
血圧計、体温計などのヘルスケア製品で知られるオムロン。家庭用の電子血圧計では世界シェア5割というダントツの強さだ。だが、オムロンは単なる健康機器メーカーではない。世界初の自動改札機や券売機、現金自動支払機など、数々の“世界初”を生んできた、まさに“元祖ベンチャー企業”なのだ。
番組内容つづき
その技術の真髄は「センサーとコントローラー」にある。この技術はありとあらゆる製造ラインで使われ、オムロンは「製造業のための製造業」と言われるほど。技術の力で社会課題に挑み続ける、ユニーク技術集団の感動経営に迫る。
出演者
【ゲスト】オムロン社長・山田義仁
【メインインタビュアー】村上龍
【サブインタビュアー】小池栄子
関連情報
【ホームページ】

http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/

【公式Facebook】

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