ています。
この図書館には、ほかにも匿名で本が送られてきているそうで、今後、引き取りを希望する都内の公立図書館に配ることにしています。
(銃声)作物が育たない氷の大地。
自ら仕留めた動物の命を頼りに生きる人々がいます。
地球で最も北に住む狩人ポーラーイヌイットです。
極寒の地で1,000年にわたり生きる極意が受け継がれてきました。
(銃声)旅に出るのは舞踏家の近藤良平さん。
世界20か国以上で公演を行うダンスグループコンドルズのリーダーです。
今日は「初めての海外出張に役立つ体操」をマスターします。
向こうから商談相手がやって来ました。
近藤さんが追求してきたのは人間らしさの表現。
極北のハンターたちからそのヒントを探りたいんだって。
普通に食べるのも何でこんなおいしく食べられるのかとかそういうものが何か味わえそうな気がする。
あるいは気付ける。
気付く事ができるような気がする。
あった!ヘヘヘッあったでしょう。
う〜ん…目指すハンターたちの村はグリーンランドの最北端。
北極圏に入ってもなかなか着きません。
ようやく見えてきました。
地球で一番北のハンターポーラーイヌイットたちが暮らす…グリーンランドとは言うものの作物は育たず木も全く生えていません。
すごいねえ。
ホントに村があるんだね。
ホント久しぶりに聞いてる気がするね。
ここ40年見てない気がする。
あんな遠くから。
でもこの時間9時でこれはおかしいね。
訪れたのは6月。
真夜中になっても太陽が沈まない白夜の時期です。
一方冬の間は極夜。
一日中太陽が昇らずマイナス30度まで下がる極寒の世界になります。
ちっちゃいけど紫色のもあるし。
このカナック村でポーラーイヌイットたちはどんなふうに生きているんだろう。
(歌声)あれ?何やら人だかりが…。
子どもの成長を祝う儀式だそうです。
祝いの場だけにご当地料理が勢ぞろい。
ここでは食べ物の大半が野生動物の肉です。
野菜や穀物が全く育たないからです。
キビヤックと呼ばれる鳥を発酵させた保存食です。
ビタミンが豊富で野菜に代わる貴重な食べ物です。
脱がすんだな思いっきり。
これもおいしい?う〜ん。
また表現しづらい食べ物だな。
ううん。
最初はう〜んんんん…ん?う〜ん!みたいな。
村人たちにうれしい知らせが舞い込んできました。
体重500kgを超えるイッカクが獲れたのです。
1頭獲れれば家族や親戚が1か月は食糧に困りません。
村人にとって特別な動物です。
イッカクは年に1頭獲るのも難しい獲物。
ナイマンギッチョは去年3頭も仕留めた名手です。
これはイッカクの角。
ハンターの勲章です。
ムチャクチャ重いですね。
シンプルだな。
イッカクは警戒心が強く音に敏感なため特殊な方法でしか獲る事ができません。
カヤックで静かに近づき銛一本で仕留める。
モーターボートや銃を使うとその音におびえて二度と寄り付かなくなると伝えられてきました。
猟にまつわる家宝。
銛の先につける銛がしらです。
代々受け継ぎ猟の方法を守ってきました。
翌日ナイマンギッチョはイッカクを仕留めに氷の上に繰り出しました。
村の入り江には春になるとイッカクの群れがやって来ます。
しかしこの時期はまだ氷に覆われた状態。
イッカクを獲るには20km離れた海との境目アイスエッジまで出なければなりません。
溝があるから侮れないな。
イッカク猟は長いと1か月帰れない事もあります。
その間は氷の上で生活します。
この日は村で一番若いハンタークマンガピックも同行します。
銃の扱いを覚えまずはアザラシを仕留める事が目標です。
(銃声)グレートドリームだね。
狩りのパートナーは1頭40kgもあるグリーンランド犬。
鋭い嗅覚で獲物を見つけるのを助けてくれます。
犬ゾリは最高時速15km。
犬たちは氷が薄い危険な場所を嗅ぎ分け進みます。
突然犬たちの足が止まりました。
実は海水が入り込んだ裂け目だけは大の苦手なんです。
大丈夫?頑張って!うわっすげ!すげえ!すげえ。
行くんだね。
村を出て2時間。
今度は犬たちの走るスピードが上がりました。
その先にあったのは…。
まだ近くにいるはず。
あのちょびっと見えるやつそうか…。
アザラシは狩りの間の貴重な食料です。
緊張する瞬間だね。
風向きや影の方向を計算しながら1km手前から近づいていきます。
アザラシも警戒を怠りません。
1分に1回ほど頭を上げます。
またナイマンギッチョも少しずつ少しずつ近づくんだね。
何かちょっと少し外れた方から。
仲間たちは犬を静めます。
射程距離は100m。
足音を立てないよう水たまりをよけながら進みます。
(銃声)
(銃声)仕留めたのは体重40kgの…いやいやメチャクチャ温かい。
毛はね意外と…すごいなあ。
こういう緊張感初めて。
新米ハンタークマンガピックも挑みます。
これまで一度も成功した事がありません。
(取材者)自分もいけるって…。
頭上げてる!しゃがんで!上げたよ!あ!逃げた?逃げた?あ〜…。
諦めた…。
何やってんだよみたいな…。
獲物は必ず仕留めたハンターがさばきます。
うわっきれいに今袋状に完璧に剥ぎ取ろうとしている。
うわっ!毛皮は持ち帰って加工品にします。
動物の体は全て無駄なく使います。
生々しいなやっぱり。
まずは走り続けた14匹の犬たちに。
一番のごちそうはビタミン豊富なレバーです。
うん。
肝臓だね。
これは思ったよりうまいかもしれない。
我々がいかに…。
とてつもない作業がいっぱいあって…。
我々がいつも食べてるのが食べてるのかよく分かんないみたいな気持ちにちょっとさせられる。
目的地に到着しました。
イッカクが集まる…海に浮かぶ氷の上でのキャンプ。
ここでも犬ゾリが活躍します。
2つ重ねて風よけの布を張ればどんな吹雪でもしのげるテントになります。
うわ〜超快適。
何だこりゃ。
何か来たよ。
カリブーだ。
あ〜!においがすごいな。
でもブルーだよ。
夜中。
見回りをしていた一人が異変に気付きました。
急に鳥の数が増え始めたのです。
急きょテントを畳み陸の方へと引き返します。
1kmほど戻った所で見つけたのは幅1mほどの裂け目でした。
犬ゾリ猟で最も危険なのは氷が途中で割れる事。
裂け目が広がってしまえば二度と陸に戻れなくなります。
数年前もハンターが命を落としました。
あと1時間遅ければ渡れない状態になるところでした。
自然の声に耳を傾けよという意味です。
ハンターたちは自然の変化を敏感に感じ取る事で極限の地を生き抜いてきたのです。
氷を見分ける知恵も受け継がれています。
塩分の含まれていない氷を見極め飲み水に。
来た来た来た来た。
きれいだな。
すっごいきれいだよ。
実は氷には数十種類もの名前が付けられています。
十分な厚さの氷は…今にも崩れ落ちそうな薄い氷は…危険な氷の裂け目は…飲み水にできる氷は…もう積極的に氷を味方にする。
氷を自分の生活の中に取り入れる。
一番厳しい冬の中を生き抜く知恵みたいなものを見つけ出した唯一の人たちなのかもしれないですね。
せっかくなんで聞いてみました。
シャ〜ッなんて。
でもビチョビチョになるからぬれちゃうからもう一個プッと押すとブワ〜ッて暖かい空気が。
(笑い声)いるいるいる。
もういっぱいいるよね。
結局今回の狩りではお目当てのイッカクには出会えませんでした。
6月下旬は春から夏への季節の変わり目。
天気が荒れ狩りに出られない日が続きます。
そんな時頼りになるのは女性たち。
獲物の皮を加工して防寒具を作り家計を支えます。
驚いた。
今でも冬場の服は動物の毛皮で作っていた。
数十年前までは家さえも動物の骨と皮で出来ていた。
獲物の体を無駄なく使う事で極限の世界を1,000年もの間生き抜いてきたのだ。
でも今グリーンランドでは人々の価値観を揺るがすような変化が起き始めている。
政府は豊かな地下資源を生かした経済活性化に力を入れている。
温暖化で氷が解けだし石油やダイヤモンドなどを取り出せる可能性が出てきたからだ。
カナック村の若者たちは将来をどんなふうに考えているんだろう。
近藤さんは若者たちが集まる村で唯一の娯楽施設を訪ねました。
将来は何になりたい?難しいとこだね。
う〜んそうか…。
実は今クマンガピック以外にハンターになろうという若者はいません。
どこがいい?フフフ…う〜ん…何も言えない。
でももしかするとやっぱり…やっぱり一緒に物を考えてく人がいないと多分続けられない気もするな。
正直なところ。
なぜクマンガピックはハンターにこだわるんだろう。
ハンターの家に生まれたクマンガピック。
幼い頃から父親と一緒に狩りに出かけソリ犬と共に育ちました。
「ハンターになりたい」。
原点はあの動物でした。
夢はいつか自分の手でイッカクを仕留める事です。
気温が10度に近づくとカナック村の様子が一変します。
入り江の氷が解け海面が姿を現します。
一年で最も多くの動物がやって来る季節です。
(笑い声)ハンターたちにとっては勝負の時。
たくさんの肉を蓄えないと冬の生活が厳しくなります。
家族のために命と向き合う狩り。
この時期だけは一家総出で行います。
最年少ハンターのクマンガピックにも期待がかかります。
流氷の上に寝ているアザラシを見つけました。
(銃声)命中。
しかし当たったのは急所の頭ではなく背中でした。
再び水面に上がってくるのを待ちます。
(銃声)しかしなかなか仕留められません。
(銃声)生きる。
そのために命を奪う。
それが繰り返されてきました。
体重300kgのアゴヒゲアザラシ。
クマンガピックが初めて仕留めた大物です。
無駄に苦しめないよう…ポーラーイヌイットに伝わる教えです。
獲れた肉を無駄なくさばけなければ一人前とは言えません。
極北を生きるための知恵が一つ一つ受け継がれていきます。
その日の夜。
ナイマンギッチョは一人カヤックで沖に繰り出しました。
沖合に黒い影を発見したからです。
イッカクの群れです。
イッカクは音に敏感なためカヤックと銛で仕留めるのがおきて。
人間の10倍以上もある巨大な生き物に一人で立ち向かいます。
海に出てから3時間。
引き揚げを手伝うため仲間が向かいます。
相手は体重1tに迫る大物。
もう一本銛を撃ち込む必要があります。
はじかれました。
イッカクは再び海中に姿を消します。
ナイマンギッチョは銛で仕留める事にこだわります。
海に出て既に5時間。
限りある食べ物を未来へつなぐ。
それが極北のハンターポーラーイヌイットたちの生きる極意です。
2014/02/27(木) 22:00〜22:50
NHK総合1・神戸
地球イチバン選「世界最北の狩人 ポーラーイヌイット〜グリーンランド〜」[字]
地球で最も北に住む狩人ポーラーイヌイットの暮らしに密着。作物が育たない氷の大地で動物をしとめて生きる14歳の最年少ハンターの物語。旅人は近藤良平、語り宮