(奈緒子)本日はありがとうございました。
(村田)ごちそうさま。
では失礼するよ。
じゃあ先生。
(中川)はい。
(奈緒子)あのう。
村田さま。
(村田)何だね?奈緒子君。
(奈緒子)本当に申し訳ございませんでした。
(奈緒子)中川先生にワラビのお料理の方ご満足いただけなかったようで。
いや。
私はおいしく頂いたよ。
それよりねどこがどうとは言えないんだが何かが違うんだよな。
いつものかぐらやと。
えっ?じゃあ。
あっ。
(辰夫)うーん。
(辰夫)味付けは変わらんと思うんやがな。
(宗佑)おお。
寒い寒い。
(辰夫)うん。
(宗佑)あっ。
どうかしたんですか?
(辰夫)いや。
お客さまの中川さまが去年うちで食べたワラビの料理とは味が違うとおっしゃるんや。
(宗佑)味が?
(辰夫)うん。
中川さまはお香のお師匠さん。
ちょっとした違いでも人より敏感なんやろうが。
前と体調が違ったとかじゃないんですか?
(辰夫)うん。
ほうかもしれんがな。
(村田)《どこがどうとは言えないんだが何かが違うんだよな。
いつものかぐらやと》ようこそいらっしゃいました。
坂口さま。
(咲子)お荷物の方お持ちいたします。
(坂口)ありがとう。
(咲子)こちらです。
どうぞごゆっくり。
(知子)いらっしゃいませ。
(知子)奈緒子さん。
島谷さまをお部屋の方にご案内いたしました。
ご苦労さま。
はい。
それでお茶はほうじ茶でよろしいですか?えっ?ほうじ茶?うちはご到着されたお客さまにはお煎茶をお出しすることに…。
はい。
そうなんですが以前島谷さまがおみえになったとき大女将がほうじ茶をお出しするようにとおっしゃられて。
大女将がほうじ茶と?はい。
あっ。
分かりました。
(知子)はい。
(宗佑)でもまああんま気にすることないんじゃないか?けどお客さまによってお出迎えのお茶を変えていたなんて。
ワラビのお料理のこともあるし。
よっしゃー。
それにね。
うん?村田さまも何かが違うっておっしゃられて。
えっ。
村田さまが?いつものかぐらやとは違うって。
違うって何が?それが村田さまにも何がどうかは分からないらしいの。
ああ。
だから私もどうしたらいいのかって。
これはいっぺん大女将に相談してみた方がいいかもな。
おふくろだったら何か分かるかもしんないしな。
うん?いや。
これは私が自分で見つけなきゃいけないことかもしれない。
何で?そんな気がするの。
(志乃)ただいま。
ああ。
誰もおらんか。
(ヨネ)《私も志乃さんもおもてなしの神様に気付くことができてやっと先代から一人前の女将として認められたんでしたね》
(志乃)ハァー。
おもてなしの神様か。
(咲子)奈緒子さん?何か?ねえ咲子さん。
ここの掃除のしかたはいつもと同じよね?
(咲子)はい。
いつもどおりにしておりますが。
そうよね。
あっ。
何でもないの。
照子さん。
(照子)はい。
何ですか?いつも大女将と見て回られるように私と一緒に館内を見て回っていただけませんか?
(照子)えっ?私が今まで気付いてなかったことがあるはずなんです。
お願いします。
(照子)分かりました奈緒子さん。
お願いします。
何か分かるといいんだけどな奈緒子が。
奈緒子さんならきっと見つけるやろう。
大女将が女将の器と見込んだ嫁やさかい。
(宗佑)いやぁ。
俺の嫁。
手動かして。
(宗佑)はい。
(照子)大女将は客室にお入りになるとほの瞬間に全ての指示を出されます。
はい。
床の間の掛け軸。
置かれている生け花。
ほして部屋の掃除や整え方。
ほの全てを見て取りほして直し終わるともう一度今度はこちらから。
こうして全体をご覧になられます。
ほしてうなずかれると次のお部屋です。
(照子)ほして最後にここで花の手入れをなさいます。
散った葉を片付けられることもあればほのままにしておかれることも。
散った葉をそのままに?
(照子)ほういえば前に一度ここに落ちていたカンツバキの花を片付けようとしたら大女将がほのままにするようにとおっしゃられて。
ツバキの花もそのままに?
(照子)はい。
大女将は落ちたツバキの花を拾い上げて慈しむように形を整えられてまた元の場所へそっとお戻しになったんでございます。
大女将のなさることはほの時々でございます。
決まってはおりません。
その時々で決まり事もなく。
はい。
以上でございます。
これが大女将の毎日の日課でございます。
じゃあかぐらやは大女将の…。
大女将。
私は浅はかにもかぐらやの女将として大女将の跡を受け継いだとしても何とかやっていけるのではないかと思ってました。
大女将は日々季節の移り変わりや命のいとおしさに気を配りお客さまにおもてなしをされていらしたんですね。
このかぐらやは大女将の日々の気付きの中でかぐらやとして成り立っていたんです。
そのことがようやく分かりました。
本当に申し訳ありませんでした。
どうかお許しください。
顔を上げなさい。
奈緒子さん。
はい。
奈緒子さん。
ようほこに思い至りましたね。
大女将。
奈緒子さんが今言うたように女将の日々の気付きがかぐらやをかぐらやとして成り立たせていることは私も先代の大女将からこのかぐらやを任された後ようやく分かりました。
女将はかぐらやの全てに細かに目を配り細かに気を配りお客さまをおもてなしする宿として整えているんです。
ほれは決め事ではなく女将がほのときほのときに感じることです。
これは言葉にはできんことや。
気付きです。
ほしてほの気付きは女将の長年の勘と経験によって生まれるもんや。
ほの経験を積むことが永遠の女将修業です。
はい。
今回のことで私はまだまだかぐらやを引き継ぐ女将の器でないことに思い至りました。
大女将。
どうかもう一度私を一から鍛え直していただけませんか?お願いします。
奈緒子さん。
女将の修業に終わりはありません。
私もこれからもますます修業を重ねていくつもりです。
大女将女将としてこれからもかぐらやの伝統と格式を守りぬくために共に頑張りましょう。
奈緒子さん。
はい。
よろしくお願いします。
お願いします。
村田さまと中川さまがいらしたときのまんまにしてあります。
ここでワラビのお料理をお出ししたんですが去年召し上がられたときと味が違うとおっしゃって。
ああ。
あっ。
これが原因やろう。
この花が?うん。
スイセンや。
スイセンは香りがあるさかいね。
ああ。
中川さまはお香のお師匠さまや。
ほやさかいこの花の香りで料理の味が微妙に違うたんやろ。
なるほど。
さすが大女将でございます。
瞬時に原因を見つけられるとは。
いや。
これも長年培うてきた勘による気付きや。
ほしてほの気付きはおもてなしの神様のお告げです。
神様のお告げ?ほうや。
ほんのささいなことやけどほれを気付かせてくれる神様や。
ほやさかいこのささいなことの中にこそおもてなしの神様が宿るともいえますね。
おもてなしの神様が宿る?ほや。
何しとるんや?2人してこんなところで。
いや。
ちょっと通り掛かったもんで。
ハハッ。
お疲れさまです。
奈緒子。
訳分かってよかったな。
ええ。
いや。
しかしおふくろもやるな。
引退ほのめかしてまでもさ。
で家族全員だましてまでも大女将として女将になる奈緒子に教えようとするなんてな。
(幸)うん。
敵を欺くにはまずは味方からってそう言ってました大女将。
(宗佑)はあ。
そういうことか。
ホントすごい人大女将って。
やっぱり私大女将に憧れて女将を目指してよかった。
(宗佑)うん。
今ホントにそう思ってる。
そしていよいよ奈緒子の女将襲名披露の日がやって参りました
(村田)さっ師匠。
・いらっしゃいませ。
(村田)いやぁ。
このたびは…。
(一同)おめでとうございます。
・
(三味線の演奏)
(女性)・「ことぶきの」・「つると」・「かめとの」・「すえかけて」・「さかえひさしき」・「ともしらが」・「ともしらが」
(拍手)皆さま今日はお忙しい中女将襲名披露にお越しいただき誠にありがとうございます。
かぐらやの大女将としてまずは御礼申し上げます。
今日晴れてかぐらやの女将となりました嫁の神楽奈緒子でございます。
私神楽奈緒子はこのたびかぐらやの女将を襲名させていただきました。
これも皆さまのおかげでございます。
よき思い出は心の宝。
心の宝をつくっていただくことこそおもてなしの心。
そのおもてなしの心で精いっぱい女将道に精進してまいりたいと思います。
今後ともこのかぐらやともどもよろしくお願い申し上げます。
(村田)いやぁ。
素晴らしい襲名披露でしたね皆さん。
おかげさまで本当にありがとうございました。
ありがとうございました。
(村田)こちらこそ。
どうも。
じゃあ失礼しましょうか。
(菊)どうも。
お気を付けて。
(丈太郎)また大阪から来ますさかい。
お待ちしております。
(節子)頑張ってね。
はい。
ありがとうございます。
ハァー。
ハァ。
では皆さん。
大広間の片付けの方お願いいたします。
(一同)はい。
大女将。
うん?本当にありがとうございました。
皆さんいい女将襲名披露だったとおっしゃってくださって。
ほうやね。
これで一安心です。
あのう。
今日からかぐらやの女将になったとはいえこれからもどうぞご指導のほどよろしくお願いいたします。
分かりました。
よろしくお願いします。
はい。
ほれと姑としてもまたびしびしと指導させてもらいますさかいね。
えっ?今回の宗佑の一件。
せっかく宗佑が夢を諦めて地道な仕事に就こうと言うとるがに。
ほの夢をかなえさせてやりたいて頭を下げて頼んだこと。
ああ。
奈緒子さんが母親の私以上に夫の宗佑に甘い妻やということがこれでよう分かりました。
いや。
けれどあれは2人でかぐらやの夫婦弁当を作らせてほしいとお願いしただけで。
たとえほうやとしても宗佑がまたろくでなしのバカ息子に戻らんためにも奈緒子さんには宗佑の妻としてほしてこの神楽家の嫁としてもっともっとしっかりしてもらわなくてはなりません。
はあ。
ほやさかい私は今後嫁の指導にますます力を入れていくつもりです。
えーっ!?「えーっ!?」やありません。
覚悟するまっし!はあ。
ああ…。
また弱き嫁の立場に逆戻りか。
まっ。
仕方ない。
あしたから頑張ろうっと。
女将としても嫁としても。
はっ。
はい。
ほな…。
(志乃・奈緒子)頑張っぞ!うんっ。
2014/03/28(金) 13:30〜14:00
関西テレビ1
[終]花嫁のれん #60[字][デ]【神様 出演:羽田美智子 野際陽子】
志乃(野際陽子)は、かぐらや夫婦弁当を提案し懸命に努力した宗佑(津田寛治)とそれを支えた奈緒子(羽田美智子)の姿を認め、女将襲名披露を前に引退をほのめかす…
詳細情報
番組内容
旅館に足しげく通う村田(黒部進)から、「かぐらや」の雰囲気がこれまでとどこか違う、と言われ奈緒子(羽田美智子)は戸惑う。自分なりに問題点を探すがさっぱり分からず、見かねた宗佑(津田寛治)が志乃(野際陽子)に聞いてみるよう助言する。しかし今回の件は、自分で気づくことに意味があると感じている奈緒子だった。
奈緒子は照子(烏丸せつこ)に頼んで、館内を一緒に回ってもらう。
番組内容2
奈緒子は照子に、志乃がそのときどきどんなことを行っているか質問。やがて、志乃の行動に隠された意味があることに気付いた奈緒子は、ぼう然となる。
奈緒子は自分なりに見つけた答えを志乃にぶつける。すると、志乃は「おもてなしの神様」の話を始める。やがて、奈緒子の女将襲名披露の日が訪れて…。
志乃の伝えたかった「おもてなしの神様」とは…。それに気づいた奈緒子の行動とは…。
出演者
神楽奈緒子:羽田美智子
神楽志乃:野際陽子
松本咲子:田中こなつ
柿沼俊平:鈴之助
藤沢瑠璃子:里久鳴祐果
神楽翔太:草川拓弥
神楽 幸:木村真那月
・
神楽宗佑:津田寛治
谷本照子:烏丸せつこ
神楽辰夫:山本 圭 ほか
スタッフ
原作・脚本:小松江里子
演出:杉村六郎
プロデュース:市野直親(東海テレビ)
伊藤一尋(テレパック)
沼田通嗣(テレパック)
東田陽介(テレパック)
音楽:富貴晴美
主題歌:Do As Infinity「風花便り」(avex trax)
エンディングテーマ:SOLIDEMO「Next to you」(avex trax)
制作著作:テレパック
制作:東海テレビ
ご案内
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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