こんばんは。
うれしい時悲しい時もうひとふんばりしたい時。
一口頬張ると何だか元気が湧いてくるのがスイーツ。
その一つ一つに思いがけない誕生のドラマやその味を愛してやまなかった人々の物語が秘められています。
ダンディーでクリエーティブな3人の巨匠たちにとってもスイーツはなくてはならない存在でした。
今日は元祖甘党の3人の男たち。
その創作の源にスイーツが深く深く関わっていたという物語をひもときます。
光る石をたどれば行き着く不思議な家にあのお菓子の家のヘンゼルとグレーテルの末裔が暮らしています。
彼らが振る舞うおいしいお菓子の物語をご賞味あれ。
今日は男のスイーツなのね?うん。
今日はねダンディーな男たちが愛するスイーツですよ。
何かね今スイーツ男子とか甘党男子とかいってねスイーツ好きの男子がどんどん増えてるみたいなんだけど。
聞くでしょ?日本酒やビールとスイーツを食べる大人の男がいるらしいんだけど。
ええっ!?ビールとスイーツ。
ちょっとそれはやった事ないんだけど。
前にマカロンとシャンパンやったの覚えてる?覚えてる。
あの時さ俺さ相当ダンディーだったでしょ?覚えてない。
…えっ?全然ダンディーは覚えてない。
まあいいや。
でも昔からスイーツの好きな男性はいっぱいいた訳じゃん。
うんいたね。
でね俺の中で超憧れのダンディーな人この人。
俺の中の誰だろう?黒澤明のコーヒーゼリー。
ほうほう。
世界の映画史にその名を刻む…映像の細部にまで徹底的にこだわる監督として知られています。
映画に心血を注ぐ黒澤がもう一つ大事にしたのが食。
黒澤といえば肉といわれるほど大の肉好きだった監督。
火の通り具合や食卓に出すタイミングにまでうるさかったそうです。
公私ともに監督を支えていたのが長女で衣装デザイナーの黒澤和子さん。
黒澤組のスタッフの一人として活躍する一方家庭では毎日の食事を作っていました。
当時和子さんがつけていた献立ノートです。
食事をしながら映画談議に花を咲かせる監督の機嫌を損ねないよう和子さんは料理の取り合わせ調味料や盛りつけ方まで細かく気を配っていました。
同じ屋根の下に住んで毎日同じものを食ってるやつが何で今日の夜俺が食べたいものが想像がつかないんだっていう人なんで。
そんな黒澤監督お気に入りのスイーツ。
それは和子さん手作りの…透明なこはく色に輝くコーヒーゼリーは濃〜く入れたブラックコーヒーをゼラチンで固めただけのシンプルなもの。
シロップと生クリームをお好みで加えるのが黒澤家の食べ方ですが…。
監督はどちらもたっぷり多め。
濃厚な味にして食べるのがお気に入りだったそうです。
歯応えのあるちょっと硬めの食感も特徴で。
実は黒澤家のコーヒーゼリーに使われたコーヒーは特別なものでした。
その名も…これら5種類の豆を同量ずつ専門店でブレンドしてもらうぜいたくなものでした。
監督はこの黒澤ブレンドを毎朝欠かさず生涯飲み続けました。
そこには妻の愛が詰まっていたのです。
戦後間もなく製作されたこの映画にコーヒーが登場します。
貧しくもコーヒーを飲みながら将来の夢を語り合う恋人たち。
実は監督がコーヒーを飲み始めたのもこのころでした。
黒澤監督は1945年に結婚。
お相手は当時女優矢口陽子として活躍していた喜代さんでした。
上海育ちで早くからコーヒーにも親しんでいた喜代さんが結婚後夫婦で飲みたいと作ったのが黒澤ブレンドでした。
多分うちの父はうちの母と出会ってからその影響を受けてコーヒーを飲み始めたんだと思うんですけど。
うちの母もそういうのすぐ凝るので。
出入りのコーヒー屋さんに自分の好きな味を言って。
うちの父は意外と酸味の強くて濃いのが好きだったからそれもうちの母は考えたんではあると思いますけど。
作ってもらってそれをうちの父は気に入って一緒に飲んでたという感じだと思いますよ。
黒澤明のコーヒーゼリー。
それは濃くて深い妻と娘の愛情と優しさの証しだったのです。
うん。
黒澤監督は雲の上の存在の人だけどあんなすごい人でさえスイーツに癒やされてたんだと思うとスイーツってすごいパワーを持ってるよね。
ホントね。
娘の和子さんの手作りのコーヒーゼリーを食べて英気を養ってたんだろうね。
あのね最近男性はスイーツ好きっていうだけじゃなくて自分で手作りしちゃう人も結構いるんじゃない?ヘンゼルみたいに。
へえ〜。
男性限定のお菓子教室なんかも結構人気あるみたいなのよ。
あっそうなんだ。
そうすごいでしょ?じゃあ俺も武者修行行ってこようかな。
ちょっと待ってちょっと待って待って。
今かまどのとこで修業してる訳だから。
えっ?武者修行行かなくてよろしいです。
これ修業なの?修業中でございますよ。
お菓子を手作りしてる男性もたくさんいてそういう男性からのメッセージが届いてます。
おっ!ちょっと紹介しちゃおうかしらね。
お願いします。
まずはクレームブリュレを作ったという…なんて美しい出来栄え。
娘さんが羨ましいです。
続いては奥様の誕生日にティラミスを作ったという…奥様羨ましい〜!男子スイーツかまども頂きたいです。
いつでもドアを全開にしてお待ちしておりますよ〜!続いてもう一人のダンディーな男のスイートな物語。
バタークリームに缶詰のみかんや黄桃をたっぷり載せたフルーツケーキ。
このケーキを作った妻とその味を愛した写真家の物語です。
2013年生誕100年を迎えた植田正治は世界的に最も著名な写真家の一人です。
大きな空を背景に4人の少女がリズミカルに配置された初期の代表作です。
砂浜に人物をオブジェのように配置した写真は植田調と呼ばれ海外でも高い評価を得ています。
結婚したのは昭和の初め。
夫22歳。
妻19歳。
結婚までお互いの顔も知りませんでした。
東京の写真学校に学び流行の最先端を追いかけた植田。
当時は珍しかった大型犬やスクーターなど結婚生活はハイカラなものに囲まれていました。
そして口癖は…その言葉に応え紀枝さんが手作りしたのがバタークリームとフルーツを使ったフルーツケーキ。
それは夫の心を満たそうと妻が苦心した飛びっ切りモダンなスイーツだったのです。
そのフルーツケーキのレシピが長女和子さんのもとに残されていました。
紀枝さん愛用の手帳。
裏には旧姓白石紀枝の文字が刻まれています。
さまざまなスイーツのレシピが書かれていた手帳の中にフルーツケーキのレシピが。
卵や砂糖のほかふくらし粉茶さじ3杯。
限られた材料や道具で家族のために作ろうとしたレシピです。
甘いものなら何でも好きでしたしね。
やっぱりフルーツケーキが一番豪華でしたからね。
一番のごちそうって感じで。
しかしフルーツケーキを囲む幸せな暮らしはやがて終わりを告げます。
1983年紀枝さんが67歳でこの世を去ってしまったのです。
カメラを手にする事ができなくなるほどの深い悲しみ。
しかし悲しみを乗り越え植田が撮った一枚の写真があります。
大きな旗を振る男の後ろ姿。
「これは妻へ別れを告げる一枚だ」。
そう語ったといいます。
2000年87歳でその生涯を閉じるまでカメラを構え続けた植田正治。
妻紀枝さんへの思いはフルーツケーキと共に心の中でずっと生き続けていた事でしょう。
うん。
甘党男子の大先輩だね。
「なんかないか?甘いものないか?」というのが植田正治さんの口癖だったってね。
口癖ね。
でもあんな独特な作品を生み出すエネルギーは相当なものだったと思うんだけど。
だからスイーツの果たした役割みたいなのはすごく大きいんじゃないかな。
そうでしょうよ。
あっそれで今日グレからの伝言どうですか?忘れてない?大丈夫だよ今日は。
ほら見て。
何?男子会って。
えっ?女子会の反対。
男子だけで集まる会。
そんなのあるの?そう!ご近所さんで今晩集まる事になってるんだけどスイーツ持参が約束でしかも「ヘンゼルさすが」って言わせたいじゃん。
それはもう言わせとかないと駄目でしょヘンゼル君。
そこでですねちょっとあの〜かまどさんにお願いがあるんですけども。
何よ?一緒に行ってほしいの?違いますよ。
今夜の男子会に持っていくダンディーなスイーツをちょっと教えて頂けないかなと思いまして。
そんな事いきなり…。
ダンディーのホットチョコレートってどう?早い。
もう思いついたんだ。
声もでかかったね今。
それでお願いします。
分かった。
出てこ〜いホットチョコレート!うわ〜!出たでしょ?ちょっとかまど。
はいではでは鍋に牛乳生クリームを入れて。
よいしょ。
そして沸騰させてちょうだい。
ココアと…。
だまにならないように泡立て器で混ぜて下さい。
わ〜いい香りだ。
ホント。
すごい…。
来たよかまどの所にも。
来た?香り。
幸せな香りが来たよ。
1/3ぐらい。
混ぜやすいようにちょっとずつ。
これで混ぜて。
混ぜて混ぜて。
また入れて混ぜてまた入れて混ぜて。
うまく混ざってるようだったら鍋に戻してもう一回弱火で温めていきます。
うわ〜これはおいしいでしょう。
すてきでしょう。
うわ〜またかわいいでしょう。
もうぴったりだなカップ。
これぐらいか。
うんそんな感じがいいね。
そしたらここに大人の香りをプラスしていきます。
おお。
ブランデーと黒こしょう。
さすがだね。
かまどこれ。
センスがいいです。
ブランデーからいくよ。
ちょっと入れ過ぎたね今の。
はいいいですよ。
いいいい。
…で黒こしょう。
はい。
これブランデーの代わりにラム酒とかオレンジのリキュールとかコーヒーのリキュールなんか入れてもいいのよ。
はあ〜。
黒こしょうこのぐらい?メチャメチャ入れてるね。
いやだってストップみたいな事言わないじゃん。
ごめんごめん。
ほかの事しゃべってたから油断してた。
まあでもそれもどんな感じか味見してみましょうよ。
ちょっとこれ全くちょっと想像がさ…。
かまどはそんなに入れた事ない。
こしょうが利き過ぎてない?大丈夫?いや全然大丈夫。
いけてた?何かねホットチョコレートすごく甘いじゃん。
だけどその甘さがすごく鋭くキュッてなってて。
すごいおいしい!大人な感じになったって事だね。
これすごいダンディー。
やった〜!さすがかまど。
これ男子会ぴったり。
よかった。
私も今度ちょっと多め「えっ?」ってやつやってみる。
じゃあそろそろもう一人のダンディーな巨匠のスイーツにいって下さい。
OK。
手治虫のチョコレート。
「チョコがないと僕は描けません」とだだをこねたマンガ家がいます。
マンガの神様と呼ばれた…彼の描いた数々のマンガは日本中の人々に大きな影響を与えました。
そしてそのマンガの中には数々のチョコレートが登場します。
手治虫は右手でペンを走らせながら左手でチョコをつまんでいたそうです。
よく食べていたのは板チョコ。
昔はホントに遅い時間なんかお店が閉まってますのでそういう時にわざわざ編集さんに…無理な事を言って。
編集さんもやっぱり「分かりました」って言って夜中にとにかく開いてる店をタクシーでまわって…。
手はなぜそこまでチョコレートに執着したのでしょうか?昭和3年に生まれた手は第二次世界大戦を大阪で経験しました。
当時の恐怖が自伝マンガの中に描かれています。
変わり果てた風景に恐れおののいている時焼け崩れた菓子工場でチョコを見つけます。
そして生き延びてようやく迎えた終戦。
手はこう語っています。
この映像は手治虫57歳の時のものです。
老化現象が起きてきてね。
円一つ描けなくなったっていう腕にも自信なくなってきたんですよね。
肉体的にも。
それがもうホントに…。
解決すればねあと40年ぐらい描きますよ僕は。
アイデアだけはもうホントにバーゲンセールしてもいいぐらいあるんだ。
この3年後手は胃がんで倒れます。
最期の病院のベッドでも彼は次回作の構想を練っていました。
死後長女のるみ子さんが持ち物の整理をしていると仕事机の引き出しから出てきたものがあったそうです。
机の引き出しを開けて中に何が入っているのかちょっと見てしまったんですけども。
ホントにいろんな方の名刺から手帳から仕事道具から何かいろんな領収書から何からごっちゃごちゃに入ってるところに…その机の引き出しの中っていうのは父が生きてた時の時間がそのまま残されていたなという。
40年のマンガ家生活で偉大な足跡を残した手治虫。
でもチョコレートがなければこれほどまでの作品は生まれてなかったのかもしれません。
うん。
手さんにとってチョコレートはただの甘くておいしいものってだけじゃなかったんだね。
何か生きるためのエネルギーのもとだったっていうか。
そうだね。
あっそうだ!うん?俺準備しなきゃ。
男子会の?うんそうそうそう。
まあねホットチョコレートは向こうで作るんだけどこっちで板チョコを男らしくラッピングしようと思ってさ。
これを見て。
ほうほう。
これを使うんだけど。
茶封筒だね。
茶封筒だよ。
これにラベルとか包装紙とか切手とかをコラージュする訳ですよ。
おお〜!それ英字新聞どうなってんの?それ。
どういうふうにしてるの?手でちぎったりしてる訳?そうだよ手でちぎるんだよ。
そっちの方がね味が出るから。
ホントだね。
コラージュすると…。
へえ〜。
よっ!こうなります。
うわ〜!どう?かまど。
すごいおしゃれになってる。
おしゃれでしょう?それどうなってるの?何かいろいろ貼ってあるって事?そうそうそう。
英字新聞があったりね。
ラベル貼ってあったり。
ああラベルか。
ここには切手がね。
こうやっていろんなとこにちりばめられてたり。
こうやって板チョコを入れて。
よいしょ。
入れてねこの麻ひも。
また麻ひもがいいじゃないの。
麻ひもで…。
何か男のセンスって感じ。
これを更にまた…。
それは何?タグ?タグ。
今回はタグ色ついてるでしょ?ついてるね。
何?どうしたの?これはコーヒーで色をつけました。
ちょっと…考えてる。
すごい考えたね。
そうするとこんなにダンディーに。
じゃあそのタグもワインでとか紅茶でとかで色が変わる訳ね。
そうです。
いや〜!男子会スイーツ準備できました。
ブランデーと黒こしょうを利かせたホットチョコレート。
板チョコもあえて無造作にラッピングしてダンディーな男性のおしゃれ心をくすぐる事間違いなし。
今日の「グレーテルのかまど」いかがでしたか?ダンディーな男性とスイーツ。
いや〜ホントにかっこいいと思います。
僕もこれから自分を磨いて本当にスイーツの似合う男性になっていきたいと思います。
あっ時間!時間だ!時間が…。
やばい忘れてた。
急ぐ…急がなきゃちょっと。
時間に遅れそうなの?ちょっと。
やばいやばいやばい。
じゃあかまどちょっと行ってくるね。
はい行ってらっしゃい。
留守番よろしく。
あと火の元気を付けてね。
は〜い!じゃあね。
火の元気を付ける〜。
ちょっと待ってちょっと待って!あ…行っちゃった。
もう火の元って私が火の元だっつうの。
えっ私に気を付けるって事?かまどに気を付けるって事?「かまど用心〜!」って事?2014/02/13(木) 12:25〜12:50
NHKEテレ1大阪
グレーテルのかまど「ダンディー!“大人の男”のスイーツ特集」[字][デ][再]
もうすぐバレンタイン!スイーツを愛するダンディーな男たちの物語をひも解きつつ男心をくすぐるスイーツの魅力を探る。黒澤明、手塚治虫、植田正治の愛したスイーツとは?
詳細情報
番組内容
ダンディーな3人の巨匠が愛したスイーツの物語をピックアップ。映画監督・黒澤明、写真家・植田正治、漫画家・手塚治虫。元祖“甘党男子”の3人に欠かせなかったのは、黒澤は長女・和子さんが作るコーヒーゼリー、植田は愛妻のフルーツケーキ、手塚は市販の板チョコ。スイーツの一口で、張り詰めた緊張を解きほぐし、鋭気を養ったのだ。スタジオでは、男性好みのホットチョコレートとすてきなチョコのラッピングも紹介する。
出演者
【出演】黒澤和子,手塚るみ子,増谷和子,瀬戸康史,【語り】キムラ緑子
ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
バラエティ – 料理バラエティ
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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