また行くのぉ?元とらなくちゃ。
よく入るわねえ。
(川辺課長)あのそれ…。
何ですか?
(川辺)いえ…。
(横溝署長)なんだ。
それだけか?はあ…。
最後のローストビーフ取られました。
残念です。
(田崎婦警)それで帰って来ちゃったんですか?
(高木刑事)もったいないなあ。
だけどさ専業主婦ばっかりだったんだよ。
最近のホテルって女性向けのサービスが増えてますからね。
じゃあなぜ男性の割引サービスがないんですか!そんなの私に言われたって。
だいたい旦那さんが働いてる間によくああいうふうにバクバク食えるもんだよ。
安さん君どう思う?
(安浦刑事)え?さあ…。
(今井刑事)でも女性も大変なんですから。
(高木)たまにはいいじゃないですか。
気晴らしも。
(里見刑事)いやたまじゃないらしいんですよ。
今朝ゴミ出しに行ったら奥さん連中が「今週は別のホテルのレディースランチにしましょう」って大きな声で言ってました。
だろ!?そういうことが許せないんだよ。
こっちはよくて出前のカツ丼だよ!?何でそんな横暴が許されるんだ!課長。
あんまりカッカすると血圧が上がりますよ。
私の体なんかどうだっていいんだよ。
こういう理不尽なことには断固反対するんだ。
刑事課の男性諸君。
私と一緒に闘おう!な!
(安西みどり)もう何やってるの!役に立たないんだから!!あっ!
(片桐由美)でも課長さんの気持ちちょっぴりわかるわ。
うちのお客さんたちもみんなこぼしてるもの。
教育費はかかるしお金は奥さんに管理されちゃって何の自由もないって。
うん…。
まあしょうがないだろうな。
ついこの間まではつき合いだとか何とか言って勝手なことばかりしてたんだから。
そのツケが回ってきた?そういうこと。
理解あるのね。
安浦さん。
そうそう!女性は神様!!やだもう。
(携帯電話の音)あら?どこかの神様からじゃない?ピーポ君からのラブコールだ。
携帯安浦。
…事件?よう。
(里見)ご苦労さまです。
状況はどうだ?ひったくりに遭ったようです。
後頭部出血意識不明です。
(野田刑事)田崎さんは被害者と一緒に病院へ行きました。
あちらの方がここに倒れてるのを見て通報してくれました。
公園一帯を緊急配備だ。
応援を頼んでくれ。
わかりました。
よう。
(田崎)安浦さん。
意識が戻ったので話を訊きました。
ガイシャは相手の顔をちゃんと確認してるのか?いえ…。
それが突然背後からだったもので。
うん…。
で被害は?ええ。
現金が1万とちょっとですね。
あとカードが2枚。
たいしたことないんですけど問題はバッグです。
(安浦)え?47万円もするんですよ!
(安浦)ええ!?知ってます?エルメスのケリー。
じゃあそれ目当てのひったくりかね?うーん…。
でお嬢さんも有名な付属の幼稚園に通っててそこのお母さんたちの懇親会でホテルでディナーをとってホテルのバーで2次会をやってその帰りだったらしいです。
また豪勢だねえ…。
ええ。
(安西)すみません安西ですが警察から電話をもらって…。
(看護婦)安西みどりさんですか?こちらへどうぞ。
(田崎)被害者は駅から自宅のある団地まで歩いている途中でいきなり後ろから殴られたんです。
つけられてる様子はなかったんですか?携帯電話をしてて気がつかなかったらしいんです。
駅に着いてご主人に迎えに来てもらおうと電話をして通じなかったのでもう一度電話をした直後だったらしいです。
亭主はどこに行ってたんだ?
(田崎)近くの自動販売機です。
子供さんと留守番中に急にビールが飲みたくなって。
亭主に子供を頼んで懇親会ですか。
同情できないね。
課長!被害者は頭部裂傷で縫合してるんですよ。
ヘタすりゃ死ぬトコですよ!そりゃそうだけど…。
(里見)凶器は何だったんですかね?あまり堅いものじゃなくてパカーンって感じらしいのよ。
現場には落ちてなかったの?それらしきものは。
犯人が持って逃げたんですかね?となるとそんなに目立つものじゃなさそうだな。
おい安さん。
何やってるんだ?47万もするバッグはどんなもんかと思いましてね。
そこに出てるの?娘のを借りてきたんですがどれがどれやら…。
ちょっといいですか?あこれですこれ!安西さんがひったくられたバッグ。
(里見)ホンマや。
47万って書いてある。
これが!?
(田崎)ええ。
質が違うんですよ!晴子さん詳しいんですね。
(田崎)エクスキューズモア。
なに?何かのオマケ?エルメスです!こんなものでもドアを開けるときちょっとゴージャスな気分になれるんですよ。
そんなもんかねえ。
わからんなあ男には。
あこの写真古買の店に流したらどうでしょう。
普通のバッグだと中身を盗って用済みになりますがこのバッグだと…。
そうか。
売り飛ばす可能性があるな。
野田里見。
これが本当に安西さんのものと同じかどうか確認します!安浦さん行きますよ!わかった。
晴ちゃんちょっと待ってくれ。
(みどり)そう!これです!!じゃあ見つかるかもしれないんですね。
さあそれは今のところは…。
お願い!命と子供の次に大事なバッグなの!だって2年も待ったんですよ!?雑誌で見てからずっと欲しくて思い切ってお店に行ったら今から予約しても2年先だって言われて…。
それでも私待ったんです!待って待ってやっと私のものになったんです!
(ドアの開く音)あどうも…。
いいですかね?どうぞどうぞ。
会社は今日お休みになったんですか?ええ。
娘を女房の実家に頼んできまして…。
茶巾寿司買ってきた。
もう普通に食べられるんだろ?そうだけど…。
食欲ないのか?当たり前でしょう。
それより病院代下ろしてきてよ。
通帳と印鑑の場所わかるでしょ?うん…。
お前の洋服ダンスの…。
2番目のひきだし。
青いセーターの下の防虫剤の袋の中。
そのくらい用心しないと主婦はやってかれないの!あ下ろすのは病院代だけよ。
愛は実家だし生活費いらないでしょ。
ああ…でも俺のメシ代は?じゃあ1万円ね。
朝と夜で1日千円の10日分。
充分でしょ。
うん…。
じゃあ…。
やさしいご主人なんですね。
やさしいんだかハッキリしないんだか…。
(医師)回復は早いと思いますね。
骨に異常はありませんから。
そうですか。
じゃどうも。
昼メシですか?小遣い厳しいもんで…。
…実はおととし転職したんです。
元は銀行マンだったんですがちょっといろいろあって…。
ところが行った先が危なくなっちゃいまして…。
給料元の半分です。
はあ…そうですか…。
今の私の小遣いいくらだと思います?え?月1万5千円。
そりゃちょっと厳しいなあ…。
でもしょうがないんです。
いまさら娘を近所の幼稚園にやるわけにはいかないし。
私の小遣い削るしか…。
しかし奥さんはあんなに高いバッグを持ってらっしゃる。
幼稚園の母親同士いろいろあるみたいですよつき合いが。
あなただって会社でいろいろあるんじゃないですか?声をかけられないようになるべく目を合わさないようにしてます。
でもどうしてもという時のため1万とってあります。
昼メシ代は1日250円に抑えないと。
ほとんど割引のハンバーガーとパックの牛乳です。
ああそりゃ大変だ…。
(田崎)大丈夫でした?
(みどり)はい。
どうした?
(みどり)…お手洗いよ!すみません。
お世話かけまして。
(田崎)いえ私は何も…。
あのバッグ…!!えっ?
(みどり)私のバッグです!
(田崎)でもあのバッグが奥さんのものかどうか…。
あの人も2年前から予約したっていうんですか!私のに決まってるでしょう!あなた見てきて!
(安西)いやでも…。
田崎君。
念のために…。
(田崎)はい。
(新山紀子)これタオルと着替え。
とりあえずこれだけ持ってきた。
(新山久夫)ありがとう。
あの…ごめんなさい。
お父さまですか?
(新山)はい…。
すみません。
こんな所まで押しかけて。
お嬢さまの持ってらっしゃったバッグが目に入ったものですから。
私前からこのバッグが欲しくてしょうがなかったの。
これエルメスのケリーですよね?どちらでお求めになりました?このタイプってなかなか手に入らないんですよね。
やっぱり予約なさいました?いえ…あの…。
こんなものいつ買ったんだ?違うの。
買ったんじゃなくて…。
(新山)どうしたんだ?もらったの。
昨日私の誕生日だったでしょ?ああ。
じゃあ久保田君が。
プレゼントだって…。
彼からのプレゼントなんだ?あの…もうよろしいですか?あごめんなさい。
どうもお邪魔しました。
そんなの嘘!絶対彼女が盗ったんです!
(安西)よしなさい。
だってあのバッグそんなに簡単に手に入らないのよ。
色も同じだし偶然同じの持ってるわけないじゃない!あのバッグをプレゼントしてくれたという久保田さんにあたってみます。
何かひっかかるのかね?ええ。
彼女も彼氏にプレゼントしてもらったわりにはあまり嬉しそうな顔してなかったんですよ。
あの親子の氏名と住所を聞いてきます。
すみませんでした。
家内がとんでもないことを…。
いえ。
とにかく47万もするバッグですから奥さんの気持ちもよくわかります。
昔はあんな女じゃなかったんですが…。
えっ?あいえ…。
女の刑事さんは?さっきのバッグの女性の住所を確認に行きました。
何か?いえ…でももし間違っていたら…。
いや一応確認しなきゃなりませんので…。
どうかしました?いえ…。
そのバッグずいぶん高かったんだろうにね。
これね有名な女優さんたちも持ってるのよ。
へえ…。
久保田君も無理したねえ。
大事にしなさいよ。
お父さんにも見せたしあとは押し入れにしまっとく。
私そろそろ帰るけど今日は洗濯物は?いや今日はないよ。
お父さんの方は新山久夫さん。
半年前から腎臓で入院してます。
お嬢さんの方は一人娘さんだと思うんですけど名前が紀子さん。
見舞い客名簿を見せてもらったんですが新山さんのところに久保田って人は来てないです。
そうか…。
いずれにせよ私はあたってみますけど今日は彼女を尾行します。
店の方頼んだよ。
隣のおばさんによろしくね。
わかりました。
じゃあね。
ただいま。
おかえり。
お客さん1人だけだったわよ。
ペンキ1缶。
代金はレジに入れといたからね。
(紀子)ありがとうおばちゃん。
どう?お父さんの具合。
(紀子)おかげさまで何とか…。
よかったわね頑張ってね。
(紀子)本当にありがとう。
建材店の娘?それまでは新宿の電機店に勤めてたらしいんですよ。
父親が腎臓を悪くしちゃって…。
お父さんの看病と店とひとりでやってるんです。
いえ。
家族はいません。
母親はずいぶん前に亡くなったみたいですよ。
ということは店を閉めた後は自由に行動できるってわけだ…。
ああわかった。
そうしてくれ。
晴子さんからですか?うん。
もう少し粘って久保田って男に会ってみるそうだ。
野田。
応援に行ってやれ。
(野田)はい。
晴子さん頑張りますねえ。
それにひきかえ安さんは何やってんだ。
病院から報告の電話をしてきてそれっきりだ。
そりゃいけませんなあ。
その女性は関係ないんじゃないですか?そういう女性はひったくりはしないでしょう。
しかも相手を殴るなんて。
じゃあ偶然同じバッグを持っていたっていうのか?田崎さんがにらんだとおりその久保田という男がひったくって彼女に渡したんじゃないでしょうか?そうですわ。
彼女は知らなかった。
それなら話はわかります。
確かにな…。
おい。
安さんがいない方がスムーズに運ぶじゃないか。
駅と団地のちょうど中間だ…。
あ刑事さん!ああ安西さん。
うちにみえたんですか?ええちょっと。
何か?いや仕事じゃないんですけどね。
どうですか?この辺りで一杯。
はい。
いやあ刑事さんと飲むことになるとは思わなかったなあ。
砂肝どうですか?ここの砂肝おいしいんですよ。
いや私は充分ですよ。
マスター砂肝焼いて!
(店主)はい。
だけど大丈夫なんですか?小遣い1万5千円で…。
大丈夫ですよ!砂肝の10本や20本私に任せてください。
私の分は私がちゃんと払いますから。
そんな堅いこと言わないで。
大丈夫ですから!あそうだ!これ7年前の私と家内。
ちょっと拝見。
へえ。
いつもこうやって持ってるんだ。
ええ。
このころは健気というか…。
毎月渡す給料をねなんとかやりくりして愚痴ひとつ言わない。
娘を付属の幼稚園にやったのも自分のものは何もいらないから娘にはできるだけのことをしてやってくれって。
もう今とはまるで別人!別人28号!なんちゃって。
ハハハ…。
(野田)久保田さんに会いに行きますかね?どうかしら?彼女の言ったことが本当だとしたら昨日会ったばかりよ。
前に勤めてたお店かしら…。
(野田)あの人が久保田かもしれませんね。
(久保田悟)ちょっと飲みに行かない?またそうやって。
あの…久保田さんですよね?はい?何なんですかあなた?ごめんなさい。
でも私どうしてもあのバッグ欲しくて。
新山紀子さんに聞いたらあなたからもらったって…。
おかしいですよあなた。
(田崎)ごめんなさい不躾で。
そうじゃなくて。
僕は彼女にバッグなんてあげてないし会ってもいません。
でも昨日…。
彼女とは半年前に別れてそれっきりです。
新山紀子にバッグはあげてないそう言ったんだな?はい。
それどころか彼女とは半年前に別れてそれっきり一度も会ってないって言うんです。
安さん。
あんたどう思う?嘘を言ってるようには思えんのですがね…。
そうか。
それじゃ彼女で決まりだ。
新山紀子は前々からエルメスのバッグが欲しかった。
偶然あの夜そのバッグを持った安西みどりを見かけ後をつけた。
いえそういうことじゃないんですよ…。
それなら何で新山紀子は嘘をつくわけですか?恋人にもらったなんて。
そうだよ。
自分で買ったなら嘘なんかつく必要ないんだよ。
そうなんですが…。
はっきりしなさいよ。
課長。
とにかく明日の朝私彼女のところに行って話を訊いてきますから。
そうか。
安さん私の捜査方針は合理的かつ科学的にトントントンといきたいんだな。
君さ少しは慣れてくれなきゃ困るよ。
(安浦ユカ)ビールもういいの?もういい。
じゃあお茶入れようか。
うん。
(安浦エリ)あそれ役に立った?ああ。
おおいに役に立ったんだけどさ。
(ユカ)なに?こういうものを買う若い女の子の心理はどういうもんかと思って。
どういうって?お前たちだって欲しいんだろ?くれるんだったら嬉しいけど自分では絶対買わない。
あ私去年の誕生日プレゼントにもらったなんとかいうブランドのバッグ持ってる。
あれリサイクルショップに行ったらいくらぐらいになるかな?いいの?お姉ちゃん。
あれ森さんからもらったヤツでしょ?ハハハ…!いいのいいの。
あんな人もうつき合ってるわけじゃないし。
そんな高いものだったらちゃんと虫がつかないようにしまっとけ。
だってあのバッグに合う洋服だって靴だってないし。
じゃお父さん買ってくれる?そんなもの買えるわけないじゃないか…。
ねえお姉ちゃんあれどこにしまってあるの?探そう。
5000円ぐらいにはなるんじゃない?押し入れの中だったと思うんだけど…。
我が家はこんな程度か…。
病院に行ったのかしら…?安西さん?どこかへお出かけですか?さっきあの人見かけました。
直接訊いてみます!ちょっと待ってください!だって彼女の名前も教えてくれないじゃありませんか!それはまだ…。
本当は何も調べてないんでしょ!私の言うことなんか。
(田崎)今は申し上げられる段階ではない…。
安西さん!そのバッグ見せていただけないかしら?ここは私に任せて…。
(みどり)刑事さんは黙ってて!刑事さん!?ちょっと事件があったものですから…。
私バッグをひったくられたのよ。
一昨日の夜。
あなたが持ってるそのバッグよ!
(田崎)安西さんここじゃなんですから…。
あなたが盗ったのよね?私の頭を殴って!何とか言いなさいよ!
(田崎)安西さん!
(紀子)私は…。
紀子?変なこと言わないでください!じゃあそのバッグどこで買ったの?言いなさいよ!…もらったんです。
彼から。
じゃあその男に会わせて!今すぐここに連れてきて!!安西さん落ち着いて。
嘘つき!私のバッグ返して!!
(田崎)私たちに任せてください。
(みどり)ドロボー!
(田崎)安西さん!!なに!?…安さん。
新山建材店に行ってくれ。
どうしたんですか?新山紀子がガイシャに問い詰められて病院を飛び出した。
もしもし安浦だ。
すみません。
安西さんの奥さん突然大声で騒ぎだして…。
野田。
里見。
先に行ってくれ。
・
(電話のベル)はい刑事課。
つないでください。
はい刑事課です。
そうですか…!わかりました。
すぐうかがいます。
どうしたんだ?渋谷の店からですが例のバッグと同じものを取り扱ったそうです。
一体どういうことだ?こっちが聞きたいですよ。
いきなり呼び出されて…。
紀子とはどうなってるんだ。
…何も聞いてないんですか?だから聞いてるんだ。
別れました。
お父さんが病気になって大変そうなんで…。
店と父親を抱えた娘は面倒だっていうのか…!彼女の方から言い出したんですよ!嘘つけ!お前は面倒になって紀子を…!やめなさい新山さん。
こんなことしたら紀子さんが辛いだけだ。
あんた一体…?何なんだよあんた。
どうぞお引き取りください。
(今井)いいから。
お父さん!どうして?どうして病院抜け出したりするの!お前こそ何で黙ってた。
そのバッグ久保田からもらったなんて…。
(安浦)バッグのことは我々が訊きますから。
刑事さん。
まさかやっぱり紀子は…。
違う!私そんなことしてない!わかってます。
ただそのバッグをどこで買ったかそれだけ話してください。
バッグは渋谷のリサイクル店で買いました。
いつですか?昨日です。
病院に行く前に…。
前の日私の誕生日で…。
(紀子)…ずっと電話を待ってました。
ひょっとしたらあの人がかけてくるかもしれないって…。
…でもあなたの方から別れ話を言い出したんでしょう?でも好きだったんです。
そんなことできないって言ってほしかった。
(紀子)…結局電話はかかってきませんでした。
翌日病院に行く途中…。
20万は私にとっては大金でした…。
でも…。
そういう形でひとつけじめをつけたかったわけですか…。
(店長)ですからさっき来た刑事さんにも言いました。
若い女性だったって。
この女性ですか?ええこの方です。
それでこの女性に売ったのは確かにこのバッグなんですね?例えば同じブランドの似たようなものじゃなくて。
ええ。
だってほらここに引っかき傷がありますでしょう?これさえなければ高くお引き取りできたのに。
そうですか…。
それでこのバッグを売りに来た男の特徴を覚えてますか?やっぱりそうか。
わかった。
じゃああとはこっちでやる。
おい安さん!どうしたんだ!?おい!!あ刑事さん。
何か…?奥さまとケリーバッグのことで改めてお訊きしたいことがあるんです。
…はい。
警察までご同行願えませんか?…はい。
…あの日女房に遅くなるって言われて会社から早く帰ってきたんです。
(安西)子供が寝たあとビールが飲みたくなって近くの自動販売機まで買いに出ました。
(安西)結局ビールはダメで…。
持ってきたの220円だけだったので…。
(安西)みじめだと思いました。
さんざん働いてビールも買えない…。
…女房でした。
見たこともないバッグを持ってました。
〔もう何やってんの!役に立たないんだから!!〕
(安西)その途端頭に血が昇って…。
(安西)そのうち救急車のサイレンの音が聞こえて…。
大変なことになったと思いました。
あのまま家内が死んじゃったら…。
ホントですよ。
そりゃ奥さんにいろいろ問題があったら誰だってカッとなることはありますよ。
でもね殴っちゃダメだよ!バッグまで盗って。
自分でもわかりません。
何であんなことしたのか…。
警察から電話があって家内が大丈夫だって聞いたときはホッとしました…!でももしあなたの顔を奥さんがご覧になってたら…。
死なれるよりはいいです!それじゃあなた今でも奥さんのこと…?あいつがああなった原因は元々僕にあるんですから…。
えっ?主人が私を!?私をサンダルで殴ったっていうんですか!?どうして!?どうしてそんなことされなきゃならないんです!落ち着いてください!旦那さんだって憎くてやったわけじゃないんですから。
当たり前です!私は妻として一生懸命やってきたんです。
銀行もいろいろ大変なのに主人は家族のために頑張ってくれてる。
そう思って一生懸命…!それなのにあの人銀行の若い子と…!ご主人から話はお聞きしました。
本当に気の迷いだったんです。
仕事の不安がたまって…。
でもそんなこと家内には言えない。
つい部下の女の子と飲んでそのまま…。
奥さんにバレた?そのあとしばらく口もきいてくれませんでした。
そりゃ当然でしょう。
でもある日言ったんです。
これからは自分が全部管理する。
通帳もカードも一切渡してほしいって。
奥さんに主導権を握られた?それからは何もかも家内の言うなりで…。
うわあ最悪のケースだね…。
身から出たサビ。
そう思って耐えてきました。
いつかは気が済んで元の女房に戻ってくれる…。
でもあいつますます図に乗って…。
限界だったんです!
(安西)…でもあんなことしたのは本当に後悔してるんです!だけどさあんた何でバッグを売ったんだ?持ってるのが怖かったんです。
捨てるのはもったいないし…。
ご主人後悔してらっしゃると思いますよ。
だから毎日毎日ああやってお寿司を持ってお見舞いにいらっしゃるんじゃないですか。
でもそれも私のバッグを売ったお金で買ったんですよね。
それって後悔してるってことなんですか?確かにそうかもしれませんけどあのバッグを買ったお金ももとはといえばご主人が働いて持って帰ってらしたわけですよね。
あれは私への慰謝料です!1か月泣き通してでも子供のためには絶対離婚できない。
だから私思い切ってあのお店に行ったんです。
で47万のバッグを予約してスッキリしました?いけませんか?2年がまんすればあのバッグが買える。
それだけで自分を支えてこられたんです。
離婚を思いとどまったのはお子さんのためだけですか?ご主人のことが本当に憎かったらお子さんは理由にならないはずだ。
私は別にご主人の肩を持つわけではないけれどご主人だってご家族のことが一番大事なんですよ。
だから給料が半分になっても毎日満員電車に揺られて…。
ひとりだったらとっくに辞めてますよ。
それでも奥さんやお子さんが大事だから毎月1万5千円の小遣いで必死に頑張ってですね…。
そうか…。
奥さん嘆願書を書いてきたか…。
はい。
先ほど本人が届けてきまして。
退院はしたのか?いえ。
まだなんですがなんとか不起訴処分にしてもらえるように署長に頼んでくれないかと。
しかしたとえ夫婦間の暴力であっても…。
いやそれは重々。
署長そこをなんとか…。
わかってるよ。
夫婦ってのはいいもんだな。
(横溝)2人に任せる。
(川辺)ありがとうございます。
しかし課長がそこまで言うのは珍しいな。
他人事とは思えなかったようです。
おい安さん!いやあ夫婦ってのはいいもんだね君。
(3人の笑い)私も持ってるのよほら。
あれ?これ晴ちゃんの持ってるキーホルダーと一緒だね。
あらそう。
でもどうしてわからないのかしらね。
ちゃんと奥さんを大事にしてればそんなバッグも買わずに済んだのに。
いやでもこのキーホルダーだって高いんだろう?女の人がこういうのを買うときは何か理由があるのよ。
例えばある人を潔く諦めようとか…。
自分を励まそうとか。
ママはどっちなんだい?さあどっちかしらねえ…。
潔く諦めようかしら?
(安浦)おいおい。
決まってるじゃない。
自分を“頑張れ”って励ますため。
そうか。
よしじゃあ俺も何か頑張れるって思うものを探して買おうかな。
何がいいかな?もうホントわかってないのね。
安浦さんって。
え?
(由美)わかってない!いやあわかってるって!わかってない!わかってます。
わかってるんだよ。
2014/03/13(木) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
はぐれ刑事純情派14[再][字]
「高級ブランドの女!夫は小遣い250円!?」
詳細情報
◇出演者
藤田まこと、梅宮辰夫、眞野あずさ ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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